ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ホビットBoFA観ました…!(ネタバレ)

2014年12月23日 | 指輪物語&トールキン
ついにホビット最終章観ました! 旅行行く前になんとか感想書いておかねば、と無理無理で書いてます(汗)
DoSの時、かなり否定的な感想を書き、最終章に向けて不安要素も多く、テンションもすっかり下がっていたのですが、予告、そしてビリー・ボイド歌う主題歌The Last Goodbyeを聴くに至って、もしかして期待して大丈夫では? と心境が変化してきました。
試写会で観た方たちが皆号泣したと言っていて、でも自分は泣かないかもな…なんて思ってましたが、かなり泣きましたよ(笑)
実はAUJ EEの裂け谷の追加シーンで、トーリンが黄金病にかかる可能性がある、という設定を知って以来、ラストがどうなるのか心配でなりませんでした。
原作で一番好きな場面は、やはりトーリンとビルボの和解の場面でしたので…。あれはトーリンが自分と全く違う生き方のホビットであるビルボを認め、その生き方のすばらしさを認め、頑なな価値観から抜け出すことができた、というところが好きだったのですが、もしそれが病、もしくは狂気のためにトーリンがおかしくなっていた、ということだったら、最後の和解も全く違うものになってしまうのではないかと心配だったのです。
実際に観てみて、意外なくらいそこは杞憂でした。確かに原作の別れとは意味合いが違ってしまっていましたが、それはそれとして、映画は映画で素直に二人の別れに心打たれることができました。
原作のトーリンは、欲や名誉と言った価値観を捨てビルボの価値観を認めますが、映画のトーリンはまた違った方向でビルボの価値観を認めていました。AUJで、戦わないホビットは足手まといだ、と言い、ビルボが逃げて家に帰ったのだと怒っていたトーリンが、ビルボの生き方を認め、ビルボに家に帰って平和に暮らすように言うのです。こういう方向があったか!と思いましたね…
終盤のとても印象的な場面に、ビルボがどんぐりを大事に持ち歩いていたことを知ったトーリンが微笑む場面があります。いつの間にかトーリンも、ホビットに心和まされるようになっていたのか…!と衝撃ですらありました(笑)ついにトーリンもホビットに優しい人の殿堂入りか、と(笑)
心配したように、ただ病から目覚めて元に戻ったというだけになるのではなく、その間にトーリンもまた成長していたのですよね。疑心暗鬼になった時にビルボの素朴さに心を動かされた、そのことが、最後の別れの場面にも反映されていたと思います。
ビルボ一人がトーリンを看取ることに違和感もありました。原作では多分最後はドワーフたちに見送られたはずなので…バーリンやドワーリンが最後にそばにいられなかったのは寂しすぎる、と。
でも、ビルボが出発する時のバーリンの「トーリンは伝説になる」という言葉で、もしかしたらドワーフたちにとってはあの時のトーリンは偉大な王、英雄として見送るしかできなかったのかもしれない、と思うようになりました。多分、ビルボだけが素直にトーリンに「死んじゃダメだ(吹き替え版)、行かないで(字幕版)」と言えたのではないかと。
実は私は、このトーリンとビルボの別れの場面を、原作のセオデンとメリーの別れの場面と重ねています。セオデンも、最後はメリーだけに看取られてこの世を去ります。エオウィンには会えないまま。それもまた切なくて良いと思うのですが、映画ではエオウィンに見送らせてましたね…
余談ですが、AUJラストでビルボがトーリンを助けるために飛び出す場面も、エオウィンのために勇気を振り絞るメリーと重なるなあと思ってました。映画のビルボは私が映画のメリーで消化不良だった部分を肩代わりしてくれているような気がします…
トーリンからビルボへの言葉も、セオデンの言葉を思い起こさせました。セオデンの「パイプ草を吸う時には余を偲んでくれ!」と、トーリンの「どんぐりが育つのを見ろ」は同じなんじゃないかなと…。ホビットたちが幸せに暮らすことが、セオデンにしてもトーリンにしても、自分が戦って命を落とした意味だと思っていたのではないかと。
そう思うと、最後にアゾグと戦っていたトーリンは、もうAUJの時のように、復讐や名誉のために戦っていたのではないんだな、と思います。世界を守るために戦った…というと陳腐になってしまうけど(汗)ビルボが安全に家に帰って平和に暮らせる、そんな世界のために戦っていたんじゃないかなと。(それだけではないにしても)だから刺し違えてでも倒す、ということができたのではないかと思いました。
そうして戦ったことで、トーリンは真の意味で英雄になったのかな、と思います。だからドワーフたちは、親しいバーリンやドワーリンでさえ、静かに佇んで見送ることしかできなかったのかもしれない、なんて思ったりもします…
あと、ビルボ側からのことですが、DoSを見ていて「あれ?」と思い、DoS EEを観て確信したことがあるんですが、ビルボはトーリンがかなり好きですよね。というか、多分トーリンについて行きたくてここまで来たんだろうなと…
DoSで、ビルボがドワーフたちを牢から助けるとき、鍵を持ってきたビルボはまず当然トーリンのところに行きますが、鍵を見せてちょっと得意そうにするんですよね。トーリンに認めてもらいたくてやってるみたいに…
スマウグと会話している時も、スマウグに「トーリンに利用されてる」と言われた時、思わず嘘をつくのを忘れてしまい、「嘘だ」と言ってしまったり。ここ吹き替えだと「違うそんな人じゃない」とかなり意訳してるんですが、この意訳先の展開読んでのことか!?と後から思いましたね…
で、EEで、湖の町の人たちの前でトーリンの人物を保証するビルボ。このシーンを観て、ああビルボはトーリンのためにこの旅でここまでついて来たのだなあ、と思いました。
そんなビルボにとって、トーリンとの別れは、原作以上に辛いものになったはずで、それを思うとあの別れの場面はより辛いですね…

時間がないのでビルボとトーリンについての感想ばかりになってしまいますが、もう一つ。
今作でかなりバルドが好きになりました! DoSでも良いなあとは思ってたんですけど。
スマウグを倒す時、恐怖に震えるパインに向かって微笑んで「こっちを見てるんだ」というところなんかもいいんですが、一番良かったのは、ビルボがスランドゥイルの前で、ドワーフたちを逃がしたことを認めてばつが悪そうに謝る場面で微笑むんですよね。ああバルドいい人だ~ともうここでバルドの株急上昇です(笑)
ビルボが表門に出て来た時にも心配そうな顔してくれてたし、バルド優しいなあ~と。
アルフリドに対する態度も好きですね。最後に金貨を持って女装して逃げようとするアルフリドに、非難するでもなく「下着が出てるぞ」って、なんかいいなあ。
今回のバルドには、少しだけ原作の馳夫さんの匂いを感じました。映画のアラゴルンにちょっと足りなかった部分を補完してもらった気がしてます。

あと、フィーリが…かわいそうすぎて…
キーリもそうですが、ああいうボスキャラにやられる、的な死に方って好きじゃない、というのもありますが、フィーリは本当に不憫すぎる…優しいのに…
トーリンがビルボ投げ捨てようとする時も庇ってくれてたのに…トーリンがビルボにミスリルを渡す場面でもすごく優しい顔して観てました。AUJのラスト、トーリンがビルボのこと怒る?と思われるときも心配そうに観ててくれたし…
あの死に方には映画なりの意味があるのかもな、とも思うようにはなりましたが、やっぱりまだ消化するには時間がかかりそうです…

この他、本当に色々と感想はあるのですが、キリもないし時間もないので(汗)
色々とツイッターに書き散らしたものまとめてますので、万一興味のある方はそちらをご覧いただければ…

その1(公開前が中心) その2

また時間が取れたらゆっくり考察的なこと書けたらいいなあと思いますが、果たしてどうなるやら…

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« BoFAサントラ場面予想&明日公... | トップ | 中つ国行ってきます! »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (れいれい)
2015-01-27 19:01:36
AUJ・DoSを毎日観まくっているけど、BoFAはつらくて観返せん。。。見過ごしポイントたくさんあるだろうからまた観たいけど、あと5往復くらいAUJ・DoS観てからにします笑。

ドワーフかっこいい3人衆全部死去の悲しみは置いといても、これでもうなんも続編が出来ないってこと(とガンダルフとサルマンがお年ってこと)が、ものすごくさみしい。。。ホビッツロス。


ちょっとびびったのは、レゴラスがこうもりにぶらさがって飛ぶとこや、戦闘のときにドワーフたちが強そうなヤギ?みたいのに乗っていくとこのCGが、10年前くらいの技術みたいに不自然でアレレ??だった。あとガラドリエル様が貞子みたいですごいこわかった。


キーリをなんとか、タウリエルさんの命と引き換えに守ってもらうわけにはいかなかったのかなあ。。。!タウリエル、登場シーンから治癒シーン、果ては最後の、王様が”その愛は本物だ”みたいな事を言ったときまでも常にドヤ顔な感じで、ちょっとなー。戦ってるときはすごくかっこいいけど、最後は弓がないせいで急に弱くなっちゃったし。


つくづくわし小学生みたいな感想文しか書けませんが、ぐらさんの深い考察を読むと新たな発見があって、またさらに観たくなるよ!ビルボもドワーフもみんなかわいいし、日本の吹き替えも素晴らしいと聞いたからこんど日本のエクステンデッド版というのを買わんと。。。9時間近くに及ぶ新たな特典映像ってどういうこと笑。。!


でもLotRからちゃんと観返したくなっちゃったし、そうなるとちゃんとエオウィンとファラミアのシーンとか、全部入ってるやつを買わんとだね。


ちなみにわしが一番好きなドワーフは、ボンブール。樽からグルグル回って敵を倒して、またスポッと新しい樽にはまるとこと、笛をボエーーと吹いてるとこがめちゃくちゃカワイかった。ボフールも好きだけど、いい人すぎて気を使いそうだわ。
返信する
Unknown (ぐら)
2015-01-29 21:24:13
観たんですねーBoFA!
れいれいさんCGに厳しいよね。そんなに不自然でもなかったと思うけど…でもまあCGとはわかりましたよね。

キーリは元から死ぬことになってたからなあ…どう死なせるかという状況だったんだけど、あんまり上手い死なせ方ではなかったですね…もちろんフィーリも。
タウリエルが生き残ったのも意外だったけど。
タウリエルが弱くなったんじゃなくて、ボルグがかなり強いんですよ多分。

日本語吹き替えは英語に慣れてると違和感あると思うけど、なかなか味わいがあって良いですよー。

ボンちゃんとれいれいさん、気が合いそう(笑)
返信する

コメントを投稿

指輪物語&トールキン」カテゴリの最新記事