ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ガンダルフと私

2006年04月04日 | 指輪物語&トールキン
ネタがなくなったので久々のキャラ語りです。3ヶ月ぶりくらいですねー。
誰も覚えてないと思いますが(自分でも前の記事確認しないと忘れてた(笑))予告どおり今回はガンダルフについて。
ガンダルフとの出会いは、原作でビルボの誕生パーティーにやって来たところです。「帽子の鍔よりも飛び出した長い眉毛」という記述が信じられず、「どんなんだ!?」と思ったのを覚えています(笑)これは未だに謎。どんな絵でもそんな眉毛じゃないもんなあ(笑)
原作のガンダルフの印象は、ホビットに優しいということでしたね。原作初読時の私の大きい人たちの印象は「どのくらいホビットに優しいか」で決まっていたので・・・(笑)
年老いたビルボに対する優しさ、メリーとピピンがついていくことに反対するエルロンドに、彼らの友情を信じるよう説得したり、ボロミアの死について聞かされた時、「このためだけでも若いホビットたちがついて来たのは無駄ではなかった」と言ったり、フロドたちと別れた後、心の中では絶えず二人の行方を追っていたり・・・挙げればキリがないですが、そんなところに感動しましたねえ。
なんか映画ではやらなかったところばかりですねえ、そういえば・・・(汗)
しかし、私がガンダルフに本格的に惚れた?のは、実は「ホビット」を読んでからでした。せっかちで大人げないガンダルフのかわいさに目覚めてしまったのですね(笑)
冒頭のビルボとの会話からして面白かったし、人の家に押しかけてきて飲み物どころか「鳥の蒸したのにトマトもおねがいじゃ」なんてあつかましく注文したりするところとか、もうすっかり気に入ってしまいました(笑)(ドワーフたちの、お茶を勧められて「ビールの方がいい」とかいうわがままぶりも楽しかったですけど(笑))
一番好きなのは、オークの洞窟でどうやってドワーフたちを助け出したかというくだりを後から合流したビルボに説明するのに、「自分のりこうぶりを繰り返し話すのはちっともおっくうがりませんでしたから」なんて書いてあったところですねー(笑)
そんなちょっとおどけたガンダルフ像が、「指輪」の偉大なガンダルフと違うとも言われているようですが、私の中では結構一致してます(笑)バタバーさんを「溶かしてバターにしてやる」と言ったりとか、フロドたちがアラゴルンと合流したと聞いてバタバーさんにに抱きついたりとか(笑)死んだと思っていたガンダルフに再会してびっくりなメリピピに、再会を喜ぶでもなく「木の鬚はどこだ? さっさと話せ!」とせっかちぶりを披露したりとか、木の鬚に「あんたはよくやってくれた。だがもっとやって欲しいんじゃ」と言ったりとか。(これは瀬田訳の調子が原文よりも面白くなっているような気がします)
ホビットに優しく、その上せっかちでちょっと大人げがなく(笑)でも偉大なマイアであるというガンダルフの存在が、「ホビット」を読んだおかげで余計に好きになったように思います。
さらに後に「終わらざりし物語」の中の「エレボールへの遠征」を読んだ時は、勢いでビルボを選んでしまった(!?)ガンダルフのせっかちぶりというか大人げのなさがとっても嬉しかったですね(笑)白のガンダルフになってもやっぱりガンダルフなんだなーと(笑)
私にとってガンダルフとはそういうイメージだったので、映画のガンダルフを観た時には、ちょっと愉快度というかせっかち度が足りないかなあ、なんて思ってました。イアン・マッケランは灰色のガンダルフを複雑な悩める存在として演じていたようですからね。
なので、白のガンダルフになってからの傍若無人ぶりは、ちょっと乱暴だけど「ホビット」のガンダルフに近いような気がして、ちょっと好きなのでした。最近ラジオドラマを聴いていたら、深みが足りないと思うようになりましたが・・・(これはイアン・マッケランのせいではないと思いますが)
映画では、原作を読んでも今ひとつわかりにくかった灰色のガンダルフと白のガンダルフの違いを明確にしてくれたとも思いました。白のガンダルフはちょっと若返って、迷いを断ち切ったガンダルフだという解釈に、ガンダルフが「一度死んで使命を果たすために送り返された」という設定が理解できたように思いました。
その後ラジオドラマを聴いて、マイケル・ホールデンのガンダルフの声がイアン・マッケランとそっくりなのにびっくりしましたねー。しかも映画よりも原作にずっと近いガンダルフだったので、なんというか映画のガンダルフのビジュアルで原作どおりのガンダルフ、というのも想像することができて良かったです。
その後原作を何回か読み返して、ガンダルフは他のホビットに優しい人たち、例えばアラゴルンやセオデンとはちょと違うな、と思いました。直接的にはちょっと距離を置いていて、ベタベタに優しくはないですよね。
でも、他の人たちよりももっと高いところから見守っている感じがします。
考えてみたら、ガンダルフはずっと昔からホビット庄を、世代を超えて見守って来たんですよね。仲良くなったトゥック翁も死んでしまい、その孫のビルボや、子孫のホビットたちをも見守って来たのですよね。
そう考えると、直接的な優しさを見せなくても、誰よりもホビットに優しい人なんだなあと思いますね。
その後、イスタリはマイアだけれど、中つ国では人間の老人の肉体を持っていると知り、敢えて中つ国の人々の中に身を置いて苦難の道を歩きながら人々を導くガンダルフの存在に、改めて偉大さを感じるようになりました。
そういえば、ガンダルフの台詞の中に印象的な言葉があります。デネソールに向かって執政殿、と呼びかけ、「わしもまた執政ですからな」と言う言葉です。
ガンダルフは、大きな力を持ちながらも、自ら中つ国を治めるのではなく、中つ国があるぺき姿になるよう、「不在の王」に代わって働いているのだということが見える台詞だと思いました。
この場合の「王」は、アルダの唯一神イルーヴァタール、トールキンの中でのキリスト教の「神」と同じ存在を指すのだと思いますが、特にキリスト教の神に限定しなくても、不在の王=中つ国で暮らす人々、と読み取ることもできると思いますし、そんなに宗教的な匂いは感じませんね。このあたりが「ナルニア」と大きく違うところだと思いますが・・・
と話がちょっと逸れましたが(汗)とにかく「中つ国の執政」であり、自ら苦難の道を歩く灰色の放浪者であり、そしてホビットを誰よりも長く見守り続けてきた、そんな偉大な存在でありながらとても人間くさい、ガンダルフってそんな複雑で魅力的なキャラクターだなあとしみじみと思います。
ホント、こんな複雑で珍しい(笑)キャラクターを生み出したというだけでもトールキンってすごいなあと思いますよ。
そんなガンダルフが、やっぱり大好きだなあと思います。

またもやいつになるやらわからない次回のキャラ語りはアラゴルンの予定です。最近馳夫さんマイブームなので(笑)タイムリーなうちに書けるかな?
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