「渇き」公開記念ということで週代わりでパク・チャヌク監督の復讐三部作が上映されるこということで、観に行ってきました。
いやシン・ハギュン目当てなので観に行くのこの1作だけですけど・・・(汗)(「親切なクムジャさん」にも出ているらしいですが・・・)
パク・チャヌク監督作品では昔JSAは観てましたが、後は先日東京フィルメックスで観た「渇き」だけでした。
JSAはともかく、「渇き」はちょっと性に合わないな・・・と思っていたのですが(そんな私の感想なのにgoogle検索で一位になってるらしい・・・申し訳ない・・・(大汗))、「渇き」で免疫ができたのか?この作品は面白く観ることができました。
全体的な作りも結構似ていて、同じようなトーンの作品だったと思うのですが、何かが違ったんですね、私的には。
いや、シン・ハギュンがいい役だったからとか出番多かったとかの違いではないと思いますが(笑)
何が違ったって、多分、描こうとしていることが、こっちの方が理解しやすかったのかな、と。
同じような陰惨な行為も、その理由が愛ゆえの復讐、と思えば理解できたし、そもそもの引き金となったリュの本人が悪いわけではない不幸と不運の積み重ねも哀しいものだったし。
対する「渇き」は、神父が吸血鬼になったことの葛藤とか、欲望と血への渇望とか、どうも理解しづらいテーマだったのかなあと。
まあそれだけではないかもしれませんが、同じようなトーンの同じような作品で、なぜかこちらの方が面白く観られたのでした。笑えるシーンは素直に笑えて、しみじみするシーンはしみじみ心に沁みて。
陰惨なシーンがありながらも、暖かいシーンもあったりして、そのアンバランスさが独特だなあと・・・「渇き」もそうだったんですが。
リュと姉(ちょっとあやしい関係っぽかったけどな~(汗)血液型が合わないって伏線かと思ってたんだけど)やリュとヨンミの愛情、ウソンとリュの姉との場面や、ウソンが父親のところに帰ってくるシーンなど、抑えた優しさがあって良かったですね。
リュとヨンミが姉が持つゴムでゴムとびをしているところにウソンが入ってくるところとか、「あ、誘拐しちゃったんだ」と観客が知る場面なんですが、なんだかほのぼのしてていいんですよね。
しかし、そういうシーンの後に陰惨だったり残酷だったりするシーンが続いたりするのは・・・私にはちょっと悪趣味に思えるのだけれど(汗)シビアなアイロニーと紙一重のところかなあと。(このあたりの感覚PJにも近いなあとラブリーボーンを観て思いましたよ)
ご機嫌のリュとウソンのかわいいじゃれ合い?の場面の後に姉の自殺を発見したり、というのがその最たるものだったかなあと思いますが・・・
エレベーターの中でヨンミの遺体と一緒になり、そっと手を握る場面も、残酷と暖かさが入り混じって、なんとも言えない場面でしたね・・・
それでも、「痛い! 酷い!」と思いながらもなぜかひきつけられて観てしまったのは、構成の上手さもあったのかなあ。
最初は「あれ、主演てソン・ガンホじゃなかったっけ?」と思わせるくらいシン・ハギュン演じるリュ中心に話が進んで、中盤から娘を殺された(本当は殺されたんじゃないけど)ソン・ガンホ演じるパクの復讐劇になってきて、なるほどなーと思いましたが。
リュも姉を失う原因になった(でも直接の原因は誘拐をそそのかしたヨンミのような気がするんだけど・・・(汗))臓器売買集団への復讐を心に期していて、この二人の復讐への陰惨な道が後半・・・というか本来の物語の主軸なのですが。
残酷な場面を重ねることで、復讐のむなしさを描こうとした・・・のでしょうが、どう考えても監督の趣味ですよね、あのグログロは(汗)
その独特の世界観に、「渇き」ではちょっと置いていかれてしまったけれど(汗)この作品ではついていけた、というところでしょうか。
あと、独特の笑いのセンスというか、妙なおかしみがある場面が随所に差し挟まれていて、これも独特の世界だなあと。(「渇き」でもありましたけどね)
最後に出てきたテロリスト集団?も、一見さえないおじさんたちなところがなんだか奇妙に笑える感じなんですが・・・でもやることは陰惨なんですよね・・・
全体として、陰惨さ、残酷さも印象的でしたが、それよりも切ない悲しさの印象の方がなんとか勝っていたかな。それがついて行けた理由かもしれません。
なんとも不思議な感覚の映画でしたが、かなりずっしりと心に残りました。シン・ハギュンも良かったですしね~。
てな訳で今年見た映画の順位。まだ2つだけですが。
1.復讐者に憐れみを / 2.Dr.パルナサスの鏡 / 3.かいじゅうたちのいるところ
暫定とはいえまさかの1位・・・自分でもびっくりです。
あと今年これから観に行く予定の映画。
公開中「ラブリーボーン」(鑑賞済み)「コララインとボタンの魔女」「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
2月27日公開「ニューヨーク、アイラブユー」
3月6日公開「プリンセスと魔法のキス」
3月19日公開「NINE ナイン」
3月27日公開「誰かが私にキスをした」
4月17日公開「のだめカンタービレ最終楽章 後編」「アリス・イン・ワンダーランド」
4月23日公開「ウルフマン」
11月公開「ハリー・ポッターと死の秘宝 前編」
12月公開「ノルウェイの森」
いやシン・ハギュン目当てなので観に行くのこの1作だけですけど・・・(汗)(「親切なクムジャさん」にも出ているらしいですが・・・)
パク・チャヌク監督作品では昔JSAは観てましたが、後は先日東京フィルメックスで観た「渇き」だけでした。
JSAはともかく、「渇き」はちょっと性に合わないな・・・と思っていたのですが(そんな私の感想なのにgoogle検索で一位になってるらしい・・・申し訳ない・・・(大汗))、「渇き」で免疫ができたのか?この作品は面白く観ることができました。
全体的な作りも結構似ていて、同じようなトーンの作品だったと思うのですが、何かが違ったんですね、私的には。
いや、シン・ハギュンがいい役だったからとか出番多かったとかの違いではないと思いますが(笑)
何が違ったって、多分、描こうとしていることが、こっちの方が理解しやすかったのかな、と。
同じような陰惨な行為も、その理由が愛ゆえの復讐、と思えば理解できたし、そもそもの引き金となったリュの本人が悪いわけではない不幸と不運の積み重ねも哀しいものだったし。
対する「渇き」は、神父が吸血鬼になったことの葛藤とか、欲望と血への渇望とか、どうも理解しづらいテーマだったのかなあと。
まあそれだけではないかもしれませんが、同じようなトーンの同じような作品で、なぜかこちらの方が面白く観られたのでした。笑えるシーンは素直に笑えて、しみじみするシーンはしみじみ心に沁みて。
陰惨なシーンがありながらも、暖かいシーンもあったりして、そのアンバランスさが独特だなあと・・・「渇き」もそうだったんですが。
リュと姉(ちょっとあやしい関係っぽかったけどな~(汗)血液型が合わないって伏線かと思ってたんだけど)やリュとヨンミの愛情、ウソンとリュの姉との場面や、ウソンが父親のところに帰ってくるシーンなど、抑えた優しさがあって良かったですね。
リュとヨンミが姉が持つゴムでゴムとびをしているところにウソンが入ってくるところとか、「あ、誘拐しちゃったんだ」と観客が知る場面なんですが、なんだかほのぼのしてていいんですよね。
しかし、そういうシーンの後に陰惨だったり残酷だったりするシーンが続いたりするのは・・・私にはちょっと悪趣味に思えるのだけれど(汗)シビアなアイロニーと紙一重のところかなあと。(このあたりの感覚PJにも近いなあとラブリーボーンを観て思いましたよ)
ご機嫌のリュとウソンのかわいいじゃれ合い?の場面の後に姉の自殺を発見したり、というのがその最たるものだったかなあと思いますが・・・
エレベーターの中でヨンミの遺体と一緒になり、そっと手を握る場面も、残酷と暖かさが入り混じって、なんとも言えない場面でしたね・・・
それでも、「痛い! 酷い!」と思いながらもなぜかひきつけられて観てしまったのは、構成の上手さもあったのかなあ。
最初は「あれ、主演てソン・ガンホじゃなかったっけ?」と思わせるくらいシン・ハギュン演じるリュ中心に話が進んで、中盤から娘を殺された(本当は殺されたんじゃないけど)ソン・ガンホ演じるパクの復讐劇になってきて、なるほどなーと思いましたが。
リュも姉を失う原因になった(でも直接の原因は誘拐をそそのかしたヨンミのような気がするんだけど・・・(汗))臓器売買集団への復讐を心に期していて、この二人の復讐への陰惨な道が後半・・・というか本来の物語の主軸なのですが。
残酷な場面を重ねることで、復讐のむなしさを描こうとした・・・のでしょうが、どう考えても監督の趣味ですよね、あのグログロは(汗)
その独特の世界観に、「渇き」ではちょっと置いていかれてしまったけれど(汗)この作品ではついていけた、というところでしょうか。
あと、独特の笑いのセンスというか、妙なおかしみがある場面が随所に差し挟まれていて、これも独特の世界だなあと。(「渇き」でもありましたけどね)
最後に出てきたテロリスト集団?も、一見さえないおじさんたちなところがなんだか奇妙に笑える感じなんですが・・・でもやることは陰惨なんですよね・・・
全体として、陰惨さ、残酷さも印象的でしたが、それよりも切ない悲しさの印象の方がなんとか勝っていたかな。それがついて行けた理由かもしれません。
なんとも不思議な感覚の映画でしたが、かなりずっしりと心に残りました。シン・ハギュンも良かったですしね~。
てな訳で今年見た映画の順位。まだ2つだけですが。
1.復讐者に憐れみを / 2.Dr.パルナサスの鏡 / 3.かいじゅうたちのいるところ
暫定とはいえまさかの1位・・・自分でもびっくりです。
あと今年これから観に行く予定の映画。
公開中「ラブリーボーン」(鑑賞済み)「コララインとボタンの魔女」「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
2月27日公開「ニューヨーク、アイラブユー」
3月6日公開「プリンセスと魔法のキス」
3月19日公開「NINE ナイン」
3月27日公開「誰かが私にキスをした」
4月17日公開「のだめカンタービレ最終楽章 後編」「アリス・イン・ワンダーランド」
4月23日公開「ウルフマン」
11月公開「ハリー・ポッターと死の秘宝 前編」
12月公開「ノルウェイの森」
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