ディヴィッド・ウェナムさんがちょっと出てるというので観に行ってみました。そんなにウェナムさん好きか? と自問しつつ・・・(ショーン・ビーン出演作に行く時もそう思うんだよなあ・・・)
ウェナムさんの出番は、一瞬というほど少なくはないけれど、そんなに多くないし、何よりもメインの話に全く絡んでないのが・・・(汗)
まあ、熟年のおじさまたちと比べると、若くてカッコイイなあと思いましたけど(笑)あと、声がいいですよね。初めて気がついたかも。
というわけでウェナムさん目当てだとちょっと辛いものがあったかもしれませんが、映画自体が普通に面白かったので、まあ行って損はなかったです。
少ない登場人物を上手く絡み合わせて、上手く作られた脚本だなあと思いました。舞台で上演してもハマるかも、と思いました。後述しますが、時代背景にちょっとひっかかりがあるので、むしろ舞台の方が良いかも、とすら思いました。
夫妻がお互いに「相手には自分がいないと・・・」と思い込んでいるのがおかしかたですね。特に、後から妻も全く同じことを考えていた、とわかるあたりがかなり面白かったです。
二人の秘密を知っているリチャードが、妻パットの秘密を知り、目を白黒させるあたりが笑えましたねー。ピアース・ブロスナンさすがです。
普通なら、どちらも若い恋人と一緒になりたいのだとわかったので、円満離婚、となりそうなのですが、リチャードが夫ハリーの恋人ケイを好きになってしまっていたので、真実を告げないで「分かれないほうがいい」とか言い出すので、話がややこしくなってきて、このあたりまさに戯曲っぽい面白さでした。
途中まではコメディ一辺倒という感じですが(いやコメディとしては大人しいですが)ハリーがパットが毒を飲んだだろうか・・・と気になって電話をするあたりの場面は、少し笑えるんですが、妻に死んでいて欲しいのか、それとも・・・と葛藤する(いや9割り方死んで欲しくないのだと思いますが)あたりが、とても人間らしくて良かったです。
ケイがハリーに別れを切り出す場面は、一見切ない思いから言っているようにみえて実は・・・というのは最初からわかるのですが、絶妙の演技で素晴らしかったです。ケイって、妻の恋人のウェナムさんと違って、出番が多いだけでなく、ハリーやリチャードをひきつける魅力とか、ハリーとリチャードの間で揺れる葛藤とか、見せ場がいろいろあっていい役だなあと思いました・・・
終盤、ハリーとパットがお互いの秘密は告げないまま、この人が大切なんだ、ということに気づく場面は圧巻でした。二人とも涙を流していて。
パットは夫に毒殺されようとしていたことも知らずに・・・ですが、ハリーの方は、恋人に捨てられ、妻しかいない・・・と思ったら妻も浮気していた事実を知ってしまって、その上で・・・ですからさらに複雑だったはずで・・・そのあたりは涙の量に比例してたかな。
自業自得とは言えハリーちょっとかわいそう。最後のリチャードの「彼は高潔で寛大だ。全てを受け入れた上、何もぐずぐず言わなかった」というようなナレーションで男を上げたなーと思いました。
相手のことを全て理解しあっているわけではなくても、長年一緒に暮らして来た夫婦の絆は、すこし次元の違うところでの愛情なのかな、と思いました。
とまあ、概ね面白かったのですが、ちょっとひっかかるところも。
1949年という年代設定なんですが、なぜこの時代にしなければならなかったのかよくわからない・・・最初は現代だと思ってたので、年代を聞いてちょっとびっくりしました。
なんで現代じゃいけなかったんだろう? 現代でもそのまんま通じる話なのに。
まあ、あのアバウトな毒殺計画とかは現代では通用しないかもしれないし、携帯電話とかあったら状況も色々と違って来てしまうのかもしれませんが、別に60年代でも70年代でもいいのに・・・
と想像してみて、ああ、この時代の方が60年代、70年代よりも絵にはなるかな、と思いました。
ピアース・ブロスナンのクラシックなロマンスグレーぶりはこの時代の方がハマるでしょうし、ケイを連れ出す店の風景とかダンスとかも、後の時代にはない気品のようなものは感じました。
でも、もしそういうファッション的な部分だけであの時代を選んだんだとすると、なんかひっかかるなあと・・・
戦争から4年しかたってないのに、ほぼ戦争の影がないんですよね。ケイの夫が戦死して・・・というのはかろうじて出てきますが、なんかとってつけたよう。だって他の人に全く戦争の影がないし、4年しか経ってないのに優雅に暮らしていて。まあ、アメリカってそうだったのかもしれませんが・・・
そう言えば、アメリカのどのあたりの地方なのかも今ひとつはっきりしませんでしたね。南部ではなさそうでしたけど。(最初はどこの国なのかも今イチわからなかったし・・・)
そのあたりの時代感のなさが、どうも「なんでこの時代なの?」という違和感になって、気になって仕方なかったです。
あと、夫婦共に若い恋人が、それも金目当てとか遊びではなく真剣に・・・というのがなんか無理があるなあと。ピアース・ブロスナンあたりならまあわかるのですが。実際ケイを口説くあたりの場面は違和感なかったですね。
とまあそのあたりがひっかかったりもしましたが、映画としては特にテンポが悪いところもなく、上手くまとまっていたし、それなりに面白かったですね。
あ、パット役のパトリシア・クラークソンがYouさんに似てるなーと思いました。Youさんがもうちょっと歳を取ったらあんな感じになるかも? と思いましたね。
というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 4.グーグーだって猫である / 5.西の魔女が死んだ / 6.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 7.スウィーニー・トッド / 8.転々 / 9.TOKYO! / 10.コレラの時代の愛 / 11.エリザベス ゴールデン・エイジ / 12.あぁ、結婚生活 / 13.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 14.奈緒子 / 15.L Change the World / 16.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 17.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 18.スターウォーズ クローンウォーズ / 19.デトロイト・メタル・シティ / 20.20世紀少年 / 21.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 22.カンフーくん / 23.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 24.ポストマン / 25.ミック・ジャガーのナイチンゲール
あと、これから観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「パコと魔法の絵本」「コドモのコドモ」
10月4日公開 「宮廷画家ゴヤは見た」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ディズニーデジタル3D」
10月11日公開 「僕らのミライへ逆回転」
10月18日公開 「夢のまにまに」
10月25日公開 「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」「ブーリン家の姉妹」
11月1日公開 「レッドクリフ」
12月公開 「アラトリステ」
都民の日にパコかポニョを見ようとして、満員で断念しました。都民の日を舐めてました・・・(汗)
ウェナムさんの出番は、一瞬というほど少なくはないけれど、そんなに多くないし、何よりもメインの話に全く絡んでないのが・・・(汗)
まあ、熟年のおじさまたちと比べると、若くてカッコイイなあと思いましたけど(笑)あと、声がいいですよね。初めて気がついたかも。
というわけでウェナムさん目当てだとちょっと辛いものがあったかもしれませんが、映画自体が普通に面白かったので、まあ行って損はなかったです。
少ない登場人物を上手く絡み合わせて、上手く作られた脚本だなあと思いました。舞台で上演してもハマるかも、と思いました。後述しますが、時代背景にちょっとひっかかりがあるので、むしろ舞台の方が良いかも、とすら思いました。
夫妻がお互いに「相手には自分がいないと・・・」と思い込んでいるのがおかしかたですね。特に、後から妻も全く同じことを考えていた、とわかるあたりがかなり面白かったです。
二人の秘密を知っているリチャードが、妻パットの秘密を知り、目を白黒させるあたりが笑えましたねー。ピアース・ブロスナンさすがです。
普通なら、どちらも若い恋人と一緒になりたいのだとわかったので、円満離婚、となりそうなのですが、リチャードが夫ハリーの恋人ケイを好きになってしまっていたので、真実を告げないで「分かれないほうがいい」とか言い出すので、話がややこしくなってきて、このあたりまさに戯曲っぽい面白さでした。
途中まではコメディ一辺倒という感じですが(いやコメディとしては大人しいですが)ハリーがパットが毒を飲んだだろうか・・・と気になって電話をするあたりの場面は、少し笑えるんですが、妻に死んでいて欲しいのか、それとも・・・と葛藤する(いや9割り方死んで欲しくないのだと思いますが)あたりが、とても人間らしくて良かったです。
ケイがハリーに別れを切り出す場面は、一見切ない思いから言っているようにみえて実は・・・というのは最初からわかるのですが、絶妙の演技で素晴らしかったです。ケイって、妻の恋人のウェナムさんと違って、出番が多いだけでなく、ハリーやリチャードをひきつける魅力とか、ハリーとリチャードの間で揺れる葛藤とか、見せ場がいろいろあっていい役だなあと思いました・・・
終盤、ハリーとパットがお互いの秘密は告げないまま、この人が大切なんだ、ということに気づく場面は圧巻でした。二人とも涙を流していて。
パットは夫に毒殺されようとしていたことも知らずに・・・ですが、ハリーの方は、恋人に捨てられ、妻しかいない・・・と思ったら妻も浮気していた事実を知ってしまって、その上で・・・ですからさらに複雑だったはずで・・・そのあたりは涙の量に比例してたかな。
自業自得とは言えハリーちょっとかわいそう。最後のリチャードの「彼は高潔で寛大だ。全てを受け入れた上、何もぐずぐず言わなかった」というようなナレーションで男を上げたなーと思いました。
相手のことを全て理解しあっているわけではなくても、長年一緒に暮らして来た夫婦の絆は、すこし次元の違うところでの愛情なのかな、と思いました。
とまあ、概ね面白かったのですが、ちょっとひっかかるところも。
1949年という年代設定なんですが、なぜこの時代にしなければならなかったのかよくわからない・・・最初は現代だと思ってたので、年代を聞いてちょっとびっくりしました。
なんで現代じゃいけなかったんだろう? 現代でもそのまんま通じる話なのに。
まあ、あのアバウトな毒殺計画とかは現代では通用しないかもしれないし、携帯電話とかあったら状況も色々と違って来てしまうのかもしれませんが、別に60年代でも70年代でもいいのに・・・
と想像してみて、ああ、この時代の方が60年代、70年代よりも絵にはなるかな、と思いました。
ピアース・ブロスナンのクラシックなロマンスグレーぶりはこの時代の方がハマるでしょうし、ケイを連れ出す店の風景とかダンスとかも、後の時代にはない気品のようなものは感じました。
でも、もしそういうファッション的な部分だけであの時代を選んだんだとすると、なんかひっかかるなあと・・・
戦争から4年しかたってないのに、ほぼ戦争の影がないんですよね。ケイの夫が戦死して・・・というのはかろうじて出てきますが、なんかとってつけたよう。だって他の人に全く戦争の影がないし、4年しか経ってないのに優雅に暮らしていて。まあ、アメリカってそうだったのかもしれませんが・・・
そう言えば、アメリカのどのあたりの地方なのかも今ひとつはっきりしませんでしたね。南部ではなさそうでしたけど。(最初はどこの国なのかも今イチわからなかったし・・・)
そのあたりの時代感のなさが、どうも「なんでこの時代なの?」という違和感になって、気になって仕方なかったです。
あと、夫婦共に若い恋人が、それも金目当てとか遊びではなく真剣に・・・というのがなんか無理があるなあと。ピアース・ブロスナンあたりならまあわかるのですが。実際ケイを口説くあたりの場面は違和感なかったですね。
とまあそのあたりがひっかかったりもしましたが、映画としては特にテンポが悪いところもなく、上手くまとまっていたし、それなりに面白かったですね。
あ、パット役のパトリシア・クラークソンがYouさんに似てるなーと思いました。Youさんがもうちょっと歳を取ったらあんな感じになるかも? と思いましたね。
というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 4.グーグーだって猫である / 5.西の魔女が死んだ / 6.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 7.スウィーニー・トッド / 8.転々 / 9.TOKYO! / 10.コレラの時代の愛 / 11.エリザベス ゴールデン・エイジ / 12.あぁ、結婚生活 / 13.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 14.奈緒子 / 15.L Change the World / 16.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 17.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 18.スターウォーズ クローンウォーズ / 19.デトロイト・メタル・シティ / 20.20世紀少年 / 21.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 22.カンフーくん / 23.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 24.ポストマン / 25.ミック・ジャガーのナイチンゲール
あと、これから観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「パコと魔法の絵本」「コドモのコドモ」
10月4日公開 「宮廷画家ゴヤは見た」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ディズニーデジタル3D」
10月11日公開 「僕らのミライへ逆回転」
10月18日公開 「夢のまにまに」
10月25日公開 「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」「ブーリン家の姉妹」
11月1日公開 「レッドクリフ」
12月公開 「アラトリステ」
都民の日にパコかポニョを見ようとして、満員で断念しました。都民の日を舐めてました・・・(汗)