前回の「くちなし」に引き続き今回も直木賞候補作品です。
他の3作品は読んでおらんばってんオイが選者ならこの本ば選びたかと思うとです。
物語は戦中・戦後の激動の時代ば逞しく生き抜いた女性編集者「佐倉ハツ」のお話です。
先ずプロローグからドンと惹き込まれたとです。
現在は卒寿ば越えとるハツは介護施設に入所しとるとです。
ある日、ハツのもとへ見知らん男性が面会に来たばってんハツとは会う事が出来んやったとです。
面会者の男性がハツに渡して欲しいと置いて行った紙箱は
ハツにとって生涯手にする事は無いとあきらめていた大切な思い出の紙箱やったとです。
その紙箱ば胸に抱いたとき
なつかしい人々の名前が声がハツの心に浮かんでくるとです・・・・。
戦時下、雑誌編集に情熱ば燃やしたハツと仲間たちの熱き思いと感動のラストまで
一気読みでした。
オイは、よか本に出会ってガバイ嬉しかったです。