3月2日(日)
2月14日のバレンタインデーに会社を休んでまで(主目的は通院のため)京都府の山崎駅で寝台特急「なは・あかつき」(以下「なはつき」)を撮影しようとして、複々線の緩行線を走る快速電車に完璧に被られ、無惨な結果に終わった悪夢から17日経ちました。今日は、その時の無念を晴らすべく午前4時前に徳島の実家を出発します。
鳴門大橋を渡り、淡路島を北上し島の北端、岩屋港へ。港付近にある公営駐車場に車を駐め、明石行きのフェリーに乗船します。
今回の撮影行のミソとも言えるのが、このフェリー利用です。徳島から関西地区に早朝に到着しようとした場合、徳島方面始発バスでは、どうしても着時間が8時近くになってしまいます。午前3時台発の和歌山行きフェリーを使い南海電車に乗り継いでも7時過ぎになってしまいます。これでは「なはつき」撮影には間に合いません。このため前回2月の撮影行では、前日宿泊という手を使いました。そう何度も宿泊するのは不経済です。そこで考えました。そうして、明石-岩屋間のフェリーが24時間運航であることに長い時間かかりましたが、気が付いた訳です。この手段の発見は、私的には新大陸発見級のものでした。本州側の明石駅から始発電車で移動可能なのですから、18切符で旅行する場合の行動範囲は相当広がります。それ以外でも、いままであきらめていた神戸・伊丹空港を早朝出発する便に間に合う事が出来るのですから。淡路島側の駐車場は1日あたり500円でフェリーの旅客運賃は人間だけなら320円です。なぜもっと早く気が付かなかったのか・・・!
明石港からまだ真っ暗な通りを歩き、7分ほどでJR明石駅に到着します。そこから電車に乗り大阪方面の電車に乗り込みます。さて、どこで撮影するかは、まだ未定です。甲南山手かさくら夙川、塚本あたりが候補です。
須磨駅手前の交番前撮影ポイントには15人程のカメラマンが群れをなしています。ここでは、「なはつき」通過時間帯には陽が昇り切っていないと思われ、撮影条件のきついところと思われますが、それでもこれだけの人だかりなのですから、ここから先の有名ポイントは、もっとすごい人出に違いありません。そんなところに後から来ても、人の背中しか撮せないではないかと思い、気が焦ります!とりあえず空いていそうな場所が見つかれば、そこで待とうと考えを定めます。やがて電車は神戸に停まります。そこには先客2人ほどカメラを抱えて待機しています。私は<ここにする>と心の中で叫び、あわてて下車します。ここの岡山方は、程よくカーブしており想像したよりは好条件です。しばらくして、EF66-100番台牽引貨物列車が通過します。なかなか良い感じですが、まだ陽は差してきていません。背後の阪神高速とビル群がまるで悪意があるかの様に朝日を遮っています。やがてゆっくりとお目当ての「なはつき」がやってきます。機関車はライトをハイビームにして接近してきます。これにやられてしまいました。ライトの光が強すぎて画面が見事つぶれてしまいました。リベンジに失敗したみたいです・・・・。嗚呼・・・!無情なり!
せめて京都駅で「なはつき」回送風景を撮ろうと考え京都方面に向かいました。途中、山崎駅の大阪方ホームで人だかりが出来ているのを発見し、急遽下車してその人だかりの最後尾に陣取ります。何が来るのか分からぬまま待っていると、国鉄色485系雷鳥がやって来ました。皆さん、それを撮影し終わると撤収していきます。雷鳥目当ての人垣だったようです。このタイプの雷鳥も引退が近いのだと実感します。
携帯のメールに大学鉄研同期の大阪在住A木氏から今まで淀川鉄橋で銀河を撮影していたとのメールが来ました。せっかくの機会です。近場の撮影地で会うことになりました。
甲南山手の岡山寄りホームでA木氏と合流します。が、狭いホームの先端はカメラマンでいっぱい。ポジション取りに苦労します。そうこうしていると、後ろから「何が、来るんや?」と声を掛ける人がいます。後ろを振り向いて驚きました。これまた大学鉄研の相当先輩にあたるNト氏がいるではないですか。電車で移動中に人だかりがしていたので、降りたとのこと。山崎駅で途中下車した、私の行動と同じです。特に珍しいものは無いと答えると「それじゃあ!」と一言発して去ってしまいました。OBとの突然の再会には驚きましたが、それ以上にびっくりしましたのは、久しぶりの再会にも関わらず、旧交を温める間もなく去っていったことでした・・・・。
貨物1本と「はまかぜ」を撮影して、塚本に移動します。
ここまで来ると、同業者はいません。誰に遠慮する事無く、リラックスした雰囲気で撮影を続けます。もっともここには貨物列車は来ませんが。
次はA木氏が行った事がないJR東西線加島駅下車大阪方向徒歩5分の陸橋からの俯瞰ポイントに向かいます。遠景が霞んでおり、イマイチすっきりしませんが、朝の失敗の後味の悪さも多少は埋め合わせた様な気がします。A木からは、来週も来るの?と尋ねられましたが、「なはつき」撮影はこれで最後になると思います。
淡路島へ渡る帰りの道中、たこのイラストの描かれたフェリーボートの甲板であつあつのたこ焼きを食べながら、今日一日を振り返ります。「なはつき」撮影のリベンジこそなりませんでしたが、そこそこの充実感はあったかなと思える1日でした。
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