7月8日: BS朝日で放送された、9日の羽生選手の演技動画(撮影角度がまた少し違うもの)とインタビュー内容、他のスケーターたちの演技の感想等を追加しました!
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2018年6月8~10日まで、長野五輪(1998年開催)から20周年を記念したイベントが長野で行われ、アイスショー「Heroes&Future 2018 in Nagano」に、9日と10日の2日間だけ、羽生選手も出演。
(8日は、日本オリンピック委員会の表彰式に出席のため、出演は出来ませんでした。)
9日のオープニングで、羽生選手はプルシェンコさんと2人で嬉しそうに登場!
羽生選手は、プルシェンコさんの動きをずっと見ながら、ピッタリと合わせようとしている様子がうかがえましたけど、そのせいかジャンプの着氷に失敗。そのまま土下座して観客に謝罪した羽生選手。(笑)
プルシェンコさんのほうは、途中までは羽生選手をチラッと見ていたものの、ジャンプの時にはご自分のジャンプに集中していて成功させました。
その後ずっと照れ笑いだった羽生選手、失敗で照れているのか、プルシェンコさんと一緒に登場できて嬉しくてたまらないのか、さてどっちだったのでしょう。多分、両方かな。(笑)
羽生選手の演技を、長野朝日放送が放送して下さった演技動画が、こちらです。
9日(初日)の羽生選手の演技
この演技の開始前に、「当時3歳だった彼(=羽生選手)は、初めてスケート靴を履きました。」と解説されています。
長野五輪ブームの後で、スケート教室に初めてついて行った時の話でしょうか。
羽生選手が正式にスケートを習い始めるのは、翌年の1999年で、4歳になってからのようですが、初めてスケート靴を履いたのは1998年の3歳の時だった、ということですね。
こちらは、BS朝日が流してくれた、同じく9日(土)の羽生選手の演技と、演技終了後の長いインタビューです!
(上の長野朝日放送の映像とは、一部の撮影角度が違っているものが採用されていて、その影響で、さらに素晴らしい映像となっています!)
BS朝日で放送されたこちらの映像は、カメラマンさんの撮影角度が一部違うものが採用されていて、観ていて気持ちの良い、見やすくて素晴らしい演技動画となっています! 特にジャンプの印象がかなり変わりましたね。
同じ演技でも、見る角度によって、印象が大きく変わることがありますけれども、これは良い意味で印象が変わり、より「素晴らしさが増した」と私は感じました!!
また、羽生選手の演技中、氷の上に、ガーベラのような花の模様のライトが沢山敷き詰められていて、さらに、そこに複数カラーのライトが重なっているのか、自然を表しているのが良くわかって、とても素敵でしたね…!!
最初に跳んでいるのは3回転ループ、次に転倒してしまったのは4回転トウループからの連続ジャンプですが、ジャンプミスもほとんど気にならないくらい、他の表現面が素晴らしい、とても印象深い演技となっています。
羽生選手が、インタビューで答えた内容は以下の通りです。(管理人書き起こし)
Q:まさか本当にここで、長野の関連でこの曲を滑るとは…
羽生選手:「はい、あの… 当時のこの曲を覚えている方もいらっしゃいますし、また自分自身がこのプログラムをやった時に、合唱の… 合唱コンクールとか、学校で歌ったとか、そういう想い出のある方々もいたので、そういった意味では、ちょっと懐かしい思い出に浸れた方もいらっしゃったんじゃないかなと思っています。」
Q:長野オリンピックの時のメダリストの皆さんと一緒に滑られて、今どんな気持ちですか?
「そうですね、やはり僕自身そんなに記憶があるわけではないんですけれども、(管理人注釈:だってまだ3歳ですものね!)やはり何回も見た思い出のオリンピックですし、あの… やっぱり自分が一番憧れていた頃のスケーターが… 憧れていた「世代の」スケーターが沢山いるショーでもあったので、非常に感慨深いものがありました。」
Q:ここで世界最高(得点)を出したリンクだって、それ以来ですよね?
「そっか。…そうなんですね?(笑) そうですね、やはりあのオリンピックマークっていうのは、やっぱりいつ見てもいいものがあるなって思いますし、この氷を一つ一つ感触を感じながら、まあ自分自身も思い出がいっぱいあるので、そういう意味でも自分も浸りながら滑れたらな、と思っています。」
Q:特にこういう思いを込めて滑りたいっていう思いはありますか?
「やっぱりこの曲自体に、先ほども言ったように、思い出がある方もいらっしゃる、その方々が、色んなことを思い出して、色んな気持ちに浸れる、そんな瞬間になるような本当に流れるようなプログラムにしたいなと思っています。
あの、もちろん試合じゃないんですけれども、ただやっぱりこの曲を滑る時は、やはり自分もあの当時、ヘルシンキ(世界選手権)だったり、ファイナルであったり、そういった当時の闘っていた時の自分の記憶が蘇りますし、やはりそういったイメージでこのプログラムには臨まなきゃいけないな、という風にも思っているので…
もちろん、編曲も違いますし、編集も違いますし、曲自体、振付自体も変わっているところもありますが、またヘルシンキとは違った、僕のこのプログラムにしたいなと強く思っています。」
…確かに、ヘルシンキ世界選手権の時の演技(フリーの世界最高得点記録の演技)とは、またかなり違ったプログラムになっていて、本当に素晴らしいと思いました!
羽生選手が語っていたように、編曲を一部変えてあって、長野パラの時のテーマ曲であり、合唱曲にもなっている「旅立ちの時」(Asian Dream Song)の、曲そのものの元のイメージを大事にして、このために作り直されているとすぐにわかりました。
その「旅立ちの時」という曲を、生まれながらにして両腕と左足がなかった、パラリンピック出場経験もある元・水泳選手(世界障がい者水泳大会で金メダルを獲得)で、ゴスペル・シンガーでもあり、長野五輪の開会式でも歌った、レイナ・マリアさんが日本語で歌ったバージョンの動画がこちらです。
合唱バージョンと歌詞の動画はこちら
作曲者・久石譲さんが創った、「Asian Dream Song」の元の曲の動画はこちら
10日の羽生選手の演技 (長野朝日放送の映像)
9日は、3回転ループを久々に皆さんの前で披露した演技となっていて、ループを痛みなく跳べるところまで戻ってきた、ということが伝わって、多くのファンもホッとしたのと思うのですが、
10日は、前日は3回転ループだったところを、やはり本当に3回転フリップを跳んでいたんですね~! 一部の報道から、ループを跳んだのかな?と思ったのですが、映像を見ると確かにフリップに変わっていますし、羽生選手もそう答えています。
10日の演技後の、羽生選手が答えたインタビュー内容がこちらです。
「そうですね、今日初めてフリップ、練習でも…あの、ダブル(2回転)も跳んでなかったんですけど、やっぱりこの曲で、ループをやるっていうことになると、ちょっとやっぱり曲とイメージが違ってて、表現の面でもちょっと違うなってずっと思ってたので、まあ、本当に… ちょっと無理したかもしれないんですけれども、急遽フリップをやらせて頂きました。まあ、きれいなフリップではなかったんですけれども、でも、ちょっとでも… 表現の一部としての大好きなフリップを、皆さんの前でこうやってやれて良かったな~って思ってます。
あと、トウループに関しても、やっと皆さんの前で、そこそこ納得できるジャンプが、そして曲の中で出来たことは、やはり一つ、大きな前進かな、と思っています。
まあ、毎週ショーがあると、どうしても自分の調子の浮き沈みが露呈してしまって、皆さん、観ているほうも、「ああ調子悪いのかな」とか「足大丈夫かな」とか「無理してないかな」とか多分心配になることも、喜びと同時にあると思うんですね。
だから、それは、いちパフォーマーとして、いちスケーターとして、申し訳ないなと思うのと同時に、少しでも良い演技を毎日全力でやっていけたらいいなという風にも思っています。」 「ありがとうございます。」
インタビューによれば、「ちょっと無理した」ということだったようですけど…
ループだとどうも(曲に)合わないと感じて、フリップはダブル(2回転)さえも跳んでいなかったけど、ちょっと無理して跳んでみたということのようです。
…羽生選手~!(涙) いきなり3回転フリップ跳んだとは、痛みが出なかったのなら良かったのですが…。リハビリで許可が出るまで、ファンは待ってくれますよ。色々とこだわりは、もちろん本音ではあるでしょうけれども…
でも、跳べたことで、ちょっとは自信と希望にはなったのかな?
インタビューを聴くと、前日の失敗が、心に残って、観客の皆様に申し訳ないと思っていたようですね。
しかし、3回転ループが痛みなく跳べるようになった、それだけでも、この時点では十分です!!(笑)
この後の神戸公演でも新潟公演でも、「春よ、来い」できれいな3回転ループを跳んでいますから、ループは痛みなく跳べるように戻ってきた、ということのようで、良かったですね!!
確かに、1日目より2日目の演技の方が、演技に余裕がある印象はありますが、前日まで東京で表彰式で、そのまま長野に来て、翌日のお昼過ぎからもう本番だったのだから、練習時間もほとんどなくギリギリだっただろうというのは、簡単に想像が出来ます。
だけど、1日目の演技も、試合でこの演技をしていた当時、つまり優勝したヘルシンキ世界選手権の時の演技よりも、表現面では確実に良くなっていたと私は思いましたし、明らかに良かった点も多々あり、心にジーンと伝わってくるものがありました。
羽生選手自身が、表現面にかなり意識を集中させていたからだと思います。
表現そのものを見入る感じの演技になっていましたから、私は、とても良かったと思いましたけどね…!
3回転ループは、確かに一度身体を逆方向に捻るので、あそこの音楽とのリズムがちょっと狂うのだろうと思いますが、その他の部分が、試合でやっていたころの演技よりもさらにずっと良くなったと思ったので、それほど気にはなりませんでした。あ、ループにしたんだね、という感じで。(笑)
ちょっとしたところの、一つ一つの小さな表現の積み重ねで、総合的な印象というのは、大きな差が出てくるものだと思います。初日の演技は、とても穏やかな気持ちで滑っているように見えましたし、すごく優しい演技になっていて、曲とはイメージがとても合っていた演技だったと私は思いました。
後半の3連続ジャンプは、最後の3回転サルコウまでしっかり跳べていましたし、最後のアクセルも成功しています。
1日目の 演技では、途中、今までになかった場所で、何かを天に向けて手放すような片手の表現が入っていましたよね? あれは初めて見た気がしてハッとさせられましたが、なかなか素敵でしたね!
2日目の演技は、フリップに変えて確かに流れはスムーズになったし、4回転トウ+3回転トウの連続ジャンプもきれいに成功し、全体にもすごく良かったんだけど、最後の最後だけ、アップにされちゃった顔がちょっと怖いですね。(笑)
今日はジャンプやったぞ!よし! …みたいな感じでしょうか…? (笑)
3連続ジャンプの最後のサルコウが2回転になりましたけど、試合じゃないから特に問題ないです。
フィナーレでは、またもやプルシェンコさんと同時に登場して、2人でコラボしながら演技を見せてくれました!
なかなか良かったですね! 同じような動きをしているのだけど、羽生選手とプルシェンコさんの動き方の違いも、観ていて面白かったです。
何より、羽生選手が本当に嬉しそうでしたね!! プルシェンコさんと同時に二人で…という演出は、誰が担当したのでしょう。
まるで、少年時代の羽生選手の、長年の夢を実現させて下さったような演出でしたので、阿部コーチかしら?と思ったり・・・ いずれにしても、幸せそうで良かったですね!!
フィナーレで、「WAになって踊ろう」を熱唱している羽生選手の様子がよくわかりましたね!
解説の八木沼さんが、これを聴くと長野五輪を思い出す!と騒がれていました。
八木沼さんが、「ファンもこんなに増えて、フィギュアスケートにとって本当に良い時代になった」としみじみと語って下さっていて、私もちょっと感慨深いものが…
(チケットの競争率の異常化だけは勘弁願いたいですが。)
さて、他のスケーターさんたちの感想を少し。
山本草太選手は、ご本人がこだわり抜いたとテレビで説明されていた衣装が、肩回りの白い布といい、デザインと言い、なんとなく羽生選手の「Wings of Words」の衣装を彷彿とさせて、目を引きました。
「G線上のアリア」を今シーズン滑るそうですけど、期待しています!
須本選手は、やはり男子のジュニアでは群を抜いて上手いですね! スタイルと言い、滑りと言い、しなやかさといい、色々と羽生選手の印象に似てきたな…と思っていたら、今回の演技の振り付けは、阿部奈々美先生だったそうです! なるほど!!(笑)
しかし、やはり目玉は、長野五輪の時、日本男子の代表だった本田武史さんでしょう!! 本当に久しぶりに、ソルトレイクシティ五輪で4位だった時のフリー「アランフェス協奏曲」を披露して下さいました! やはりこれは本田さんの代表的な演技ですよね! トリプルアクセルに挑み、ちょっと失敗しましたけど、本田さんはやはり滑りはとてもキレイで、違いがよくわかりますね。
フィナーレの時に着ていた衣装こそが、本田さんがアランフェスを滑っていた当時の「赤(エンジ?)」の衣装でしたから、それで滑ってほしかったような気も…(笑)
友野選手は、やはり上手かったですね…! 彼もリズム感に長けていてノリが良いので、面白い振付でも、氷上で見事にこなしていましたね。
女子では、宮原選手の五輪時のショート「SAYURI」がやはり良かったですね!壁側にお花のライトが映っていて、それが音楽に合わせてゆっくりと昇っていくのが素敵でしたし、かっこよくて凄い演出だなと思いました! 今回のこの長野では、ライトの演出もなかなか凄かったですね…!
インタビューで答えられていたように、宮原選手はノビノビ滑っていて、とても伝わってくるものがありました!
樋口選手は、明らかに自信がついてきたのか、なかなか堂々とした迫力のある演技でした。特にスピード感とパワフルさが素晴らしかったですね!
エルビス・ストイコさんは、なんと18年ぶりに来日したのだそうです!
かなり印象的な日本的なプログラムを、長野五輪でやったんですよね。
驚くべきはやはり、キャンデロロさんで、いくつになっても、バックフリップが余裕そうなのには、本当に驚かされますね。
長野五輪当時から人気の高かった「ダルタニアン」は、そもそも音楽がかっこいいですが、演技も、むしろ昔より印象が良くなっているところもあったくらいで、そこはすごいですね。
アイスダンスのアリシナ組は、やはりレベルが高くて、全然違った印象でした。フラメンコを研究したと語っていましたね!!
宇野選手は、衣装と顔のペイントが凄すぎましたけど(笑)、ヤグディンさんのかつての強烈エキシビションを思い出しましたし、なんとなく、五輪シーズンのザギトワ選手のトラEXと、どこか通じるものがあるような…。 (しかし、フィナーレの時に着ていた衣装の方が、やはり宇野選手にはお似合いだと私は思いました… これも、面白いですけどね。(笑))
以前は恥ずかしいと良く思っていたのが、だんだんそういう気持ちがなくなってきた、と語っていましたので、今回のルール変更もあって、どんな演技を見せてくれるようになるのかも、楽しみですね。
羽生選手の渾身の「Hope&Legacy」 は、改めて見ても、やはりフリーの世界最高得点を記録している演技なだけはありましたけど、
ヘルシンキ世界選手権や、グランプリファイナル4連覇だった当時の、羽生選手の演技とはまた違った、さらなる成長のわかる演技、表現面がさらに向上した演技を見せてくれて、とても嬉しかったですね…!
しかし、今見ると、この演技がさらに、この1週間後に出てくる「春よ、来い」の演技にもつながっているのだな、とわかりましたね!
また今後、CSテレ朝ちゃんねる2で、この長野のアイスショーが3日間分放送される予定です…!
これは、と思うものがあったら、今後もこのページに追加していきます!