羽生選手、久しぶりの試合、まずはショートお疲れ様でした!
さいたま世界選手権2019の羽生選手のSP「秋によせて」の演技動画(公式)です
なんとなく顔が青白いというか、目の下にクマが出来ているような印象を受けたので、ちょっと疲れているか休めていないかかなぁ…という気がしました。
6分間練習は、ご本人も後のインタビューで仰っていたように、最後の2本を跳ばなくても良かったのでは、と思いました。直後の1番滑走でしたし、4回転サルコウは練習では本当に完璧なジャンプばかりでしたからね。
6分間練習でスペースが見つからずにジャンプを跳び損ねたことが何回もあったようですが、私はあえて「入りの確認」などだけで体力温存のため回避したのかと途中までは思っていました。(そのほうが疲労がたまらなくて良いかと思ったのですけど)
でも、いつもはもうちょっと早く切り上げる羽生選手が、終了直前6秒までジャンプに挑んだのを見て、(それは成功したけど) 傍から見ていてジャンプの美しさは比類ないレベルだったのに、完璧を目指しすぎてちょっと焦っているかな、とは思いました。
(ラインスタンプでこの「秋によせて」の衣装のものが「完璧にします!」になっていたのが気になっていました…)
サルコウは本当に残念でしたけど、その後はスピンなどは驚異的に美しく、「羽生選手のスピンは博物館に保存したい」などという海外評価の記事が出ていましたけど、確かにそのくらい美しかったです。白鳥みたいなドーナツスピンと、ステップ直前のシットスピンは本当に凄く印象的です。
ジョニーさんのスピンの美しさや表現方法に惹かれて、それを目指した羽生選手の「原点」「こだわり」はきちんと表現されていたと思いますし、さすがだと思いました。練習でとはいえ、Y字バランス(スパイラル)まで披露して下さっていましたし。
「頭真っ白」になったとはいえ、その後の要素が崩れなかったのは凄かったです。確かにちょっと一生懸命感が出ていて、情緒的な「Otonal」というよりもは、かなり必死&全力な演技になっていましたけど(笑)、それもまた羽生選手のスケート人生の一面の真実を表していたようで、面白いと言えば面白いです。
自分では意図しなかった点も含めて、毎回の演技には色んな意味があると思うので、どうぞ気にしすぎずに前を向いて下さい。(笑)
こちらは、最終グループの6分間練習から含めた全員の演技動画(公式)です、
アメリカ勢は3人とも好調でしたね。羽生選手が、フィギュアスケート選手としてU.S.スポーツアカデミーの「アスリートオブザイヤー」をとったのは、彼らにはすごく嬉しいことだったのでは?と思います。やる気に満ちていますよね。(全米選手権のスコアはボーナス爆上げ「国内採点」過ぎて、国際大会では全く参考にならないですが!(笑))
羽生選手は、高いレベルのネイサン選手と競うのは「楽しい」と明言していたので、その辺の精神構造はさすがだと思いました。(笑) ただ勝ってほしいだけの一部のファンとは違う。 ネイサン選手も、羽生選手の影響のおかげで自分はここまでできるようになったと語っていましたね。
宇野選手の予想より低いスコアに羽生選手も驚いていましたけど、最初のジャンプの転倒(+回転不足)以外は、演技としてはむしろ良い印象だっただけに…。
色々言われることを覚悟で次の4回転の後続ジャンプを2回転にしたと宇野選手は言っていたので、「色々言われている」ことがかなり気になっているのだなと、今回宇野選手の本音が垣間見えた気がしました。
そして、男子SP全体の感想をちょっと:
うーん、全体に4回転の回転抜けや転倒の多い印象でしたけど、会場、暑すぎです!
氷がとけているようには見えなかったけど、柔らかかったとネイサン選手が言っていましたね。氷の質は素晴らしいと語っていましたけど。
3回転しか跳ばなくて済むジェイソン選手が2位になれちゃう採点方法はやはり、いくら他の技が上手くても、私はどうかと思っていますし、改めて強く思いました。
4回転数種類を練習していて、うち1本失敗しただけの選手たちが10点近くを簡単に失って何もしなかったのと同じになるような採点制度、一方で全く挑まない選手たちが3回転だけで4回転跳んだ並みのスコアが得られるような採点制度は、精神面を考えたら、競技としては私は大いに疑問です。4回転跳ぶために練習と訓練に費やす時間、抱える身体的リスク、恐怖、痛み、その他本番でかかる極度のプレッシャーその他を考えたら、それを全て回避している選手が他の練習に磨きをかけられるなんて当たり前ですから。 これは女子の3Aや4回転についても、全く同じ感想ですけどね。
もう男子は、3回転しか跳ばない選手たちは絶対にトップグループには入れない、みたいなルールでも作った方が良いのではないかとさえ思いました。バンクーバー五輪時代と比べて4回転跳べる選手が比較にならないほど多くなっているのに、4回転の練習を頑張る選手たちがここまで報われなくなる採点制度は疑問です。
ネイサン選手は、本人比ではジャンプはややつまり気味に見え、決して良かった方とは私は思いませんでしたけど、最終滑走だったから、それまでの最高得点者が90点代半ば、3回転のみのジェイソン選手、という状態で滑るのは精神的には今までにないほど非常に楽だったことでしょう…
羽生選手も宇野選手も、インタビューがかなり辛そうでしたね。あれだけのものすごい多数の日本国旗がずらりと並んだら、見てるこっちでさえも圧倒されて(うわー!)と思いました。5年前の世界選手権より、そして平昌五輪より、遥かにものすごかったですよね。(笑)
ついでに会場も暑すぎて、だるかったほど! あれはちょっとどうかと。平昌五輪会場と温度があまりにも違います。気温が上がったのは影響したのでしょうけれども。
そういった難しい状況の中では、よく頑張っていらっしゃると思います。
ショート終了後の、元アイスダンスのキャシー・リードさんからのインタビューに答える羽生選手。
自分のショートの演技(結果)にものすごく怒っているので、この感情を、フリーの演技には上手く生かしたい、と羽生選手は語っています。
最後までどうか油断なく…♪
よく休んで、落ち着いて ファイト!(笑)