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羽生選手が、フリー後の記者会見(さいたま世界選手権2019)で答えた内容と動画

2019-04-03 | 羽生結弦選手・注目発言

 

表彰台3人の記者会見動画です。こちらからどうぞ  

こちらの毎日新聞より

冒頭の4回転ループから4回転サルコウに公式練習からこだわっていた。

良いジャンプが結構、跳べていたので、感覚は悪くなかったです。曲(がかかっている中)で跳べないという不安が一番だった。ループが跳べてもサルコウが跳べない、ループを跳べなかったらサルコウが跳べる、ということが練習では結構あった。ただ、今回はループにかなり集中しないといけないと思っていたので、ループが跳べたら、サルコウを跳ぶというのは決めていました。
 

どのようなイメージを持っていたのか。
 

とにかく良いイメージを置いていくというか、スケートリンクの中に自分が降りたイメージをすり込んでという(イメージ)。なんかホログラムみたいな感じですかね。で、そのホログラムの中に自分の体を突っ込んでいって同じように、跳ぶというふうに。普通の感覚ではないかもしれないんですけど、ちょっとした自分のやり方として、そういう感覚でやりました。
 

公式練習のイメージはどうだったのか。
 

感覚の良いジャンプと感覚の悪いジャンプの差がすごく激しくて、なかなか感覚の良いジャンプに曲がかかった状態で入れない、または冒頭からシミュレーションをした時に入れないというのがすごくあった。周りからどういう目でみられようと関係なく、自分が絶対に納得できるまでやろうと思った。

サルコウに対する思いは。
 

いや、なんか…うーん… なかなかエッジ系のジャンプは、合わせるのが大変。本当にトウ系のジャンプを確率よく、効率よく跳べるかというのを感じている。点数的には、はっきり言ってループは3番目の難易度となっているけど、実際に今跳んでいるのなんて、ジュニアも含めて僕ともう1人くらいですかね。
 今回の大会ではループを1本しか跳んでいないわけですし、難易度を考えたら点数的にどうなんだろうというのはちょっと思います。でも、それは僕の強みですし、ループって降りた時にすごい流れるんですよね。その流れを大事にしたいという気持ちは強くある。やっぱりそれを磨きつつ、確率がよくなるトウジャンプというのも増やしていきたいと思いました。

 

 日本開催ということで本当に見に来てくださった方々にもたくさん背中を押していただけました。結果としては2位で、悔しい気持ちもあるんですけど、やっぱりここにいる2人の選手と戦い合えたことに、そして「さらに強くなりたい」と思わせていただけたこと、それにすごく感謝しています。リスペクトしてやまない2人のスケーターにこれからも近づいていけるような、もっと進化して追いついていけるようなスケーターになりたいと思いました。ありがとうございました。

 

 すごく集中して、自分の芯を持って練習できたと思うし、演技でもそういうことを感じながら滑ることはできた。結果としてチャンピオンではないので、もうそういうふうには言えないかな、と今は思う。ループについては成功することができて、それは良かったかな。だけど振り返ってみると、もっといいジャンプができたなと、今は貪欲に思っている。やっぱりクオリティーを上げていって、いろんな面で進化していけたら。

北京五輪についての思いは。

 羽生選手:僕自身も来季にむけてのプランがあるわけではない。もちろん、五輪は2回勝つことができた。やっぱり五輪は素晴らしいものだと思っているし、五輪こそが、競技者、フィギュアスケートのスポーツとして一番目指すべきものだと思っている。それ(金メダル)をとってこそ、チャンピオンと言えるんじゃないかなと僕は思っているので。誰が(2022年の)北京五輪でチャンピオンになるのかを楽しみにしながら、これから過ごしていきたいと思う。

 ループを跳ぶことに、恐怖心や変わったことはあったか。

  羽生選手:トリプルアクセル(の練習)を始めるまでに痛み止めなしで始めた。それは完治させるというか、薬がない状態で跳ばないといけないという使命感というか。ゆっくりだったが、痛み止めを飲まずにやっていた。

     ただ、4回転をやっていくにあたってやはりランディング(着地)で痛いというのはどうしてもあった。もちろんあの時よりは足首は強くなっていると思いますし、ループを跳べる状態にはなっているので、強くはなっていると思う。

     ただあまりにも五輪前にけがをしてしまい、その前に積み重ねていたものが大きくて。(グランプリシリーズの)ロシア杯でけがをしてしまった時は正直、前の時より大きく痛めてしまうようになってきているので、いろいろ気をつけないといけないなとは思った。

     リハビリも含めて、7月からループをやるようになって変わったことは、やっぱりできなくなってしまっていたこと。足の筋力が落ち、そうやっているうちにループジャンプが小さくなってしまった。足のけがをしやすくなっていた。結果的にけがをしたことによって、もっと大きく跳ばないといけない、もっと力強く踏み切って跳ばないといけないなというふうに変われたと思うし、前よりもうまくなれたと思う。

 

次は4回転アクセルか。

 羽生選手:もちろんアクセルを跳びたいですね。試合で跳ばないと意味が無いと僕は常々思っていますし、やっぱりアイスショーとかで練習していて跳べるようになったとしても、試合で決めて公式の記録にならないと意味がないと思います。アクセル、やっていきたいですね。

 

 

 

こちらは、24日(日)のエキシビション前に行われた、スモールメダルセレモニーの動画です。(羽生選手、ネイサン選手、ゾウ選手)

こちらをどうぞ。

 

 

 

 

さて、このインタビューで、ハッキリと羽生選手も言っていますけど、自分の後で、「ぷーの雪崩(なだれ)が起きる」=「ウォーミングアップが出来ない」って断言していますよね。

そして、「しかもアウェイ(※ライバルの国の会場だということ)」という悪条件が重なった状態でも、自分で完全にコントロールしてノーミスの演技をしたという点で、羽生選手はネイサン選手を尊敬する気持ちが強くなった、と。

それはつまり、もし自分が、このネイサン選手と同じ環境に追い込まれたら、演技に集中するのがどれだけ大変か、羽生選手はよくわかっているからこそ、でもあります。

プーさんを異常なまでに大量に投げ込むことで、「ウォーミングアップが出来ない」状態に後続の選手を追い込むことが、本当に「神聖な」リンクでの、「本気の勝負の場」としてふさわしいのかどうか。この状態がエスカレートしている現実を、神様は、どうご覧になっているか。

「本来の勝負」と全く違う手段で、相手に不要なプレッシャーをかけるような「邪道」「裏ワザ」は、神様は余裕で見抜いておられると私は思います。

今回、投げ込みをプレミアム席に限定されていたのは、投げ込まれる数を減らして、回収の時間を減らして、後続選手への運営を円滑にするためだっただろうと思います。

だけど、その結果、一部の羽生ファンは、違う席の人たちが持ち込んだぬいぐるみをプレミアム席に配って投げ込みを依頼するなどという「ルール破り」を駆使して、結果的に、あれほどまでにネイサン選手の演技開始を遅らせたわけです。

今回の大会で「フラワーガールが足りなかった」などという主張も、もし本来のルール通りの、「プレミアム席限定」だけが行っていたのなら、そんなに数が投げ込まれるはずもなく、フラワーガールが大勢必要になるはずもないのだから、もしルール通りに羽生ファンが守っていたら、ここまで問題にはならなかったと思います。

正直、私は会場で見ていて、あまりの異常な数に私は驚いたし、何より今回酷かったのは、日本開催だったというのに、ラッピングもしない「むきだしのぬいぐるみ」が大量に投げ込まれたこと。そんな状態で滑るのは、本当は後続の選手は危ないに決まっているし、そんなことは誰よりも、羽生選手本人が一番わかっていると思います。

片付けが遅くなって時間がかかり、ちっとも後ろの順番のネイサン選手が演技開始できないことに、見ていて申し訳なさを感じました。

私が他選手のファンで、特に羽生選手の後続となった選手のファンだったら、内心かなり怒っているし、不愉快極まりないと思います。

本来スケートリンクは、練習の時は、ごみ一つ落ちていても危ないし、物の投げ込み禁止なんて当たり前のこと。

怪我で苦しんでいる羽生選手を本気で応援する羽生ファンなら、当たり前のように、何が選手にとって怪我につながるのかを、真剣に考えなければならないと私は思います。それこそが、本当の競技や選手への「愛」だろうと…。 

そして、羽生選手はご自分でも言っているように、「裏技」「魔法」といった「邪道」を使うのではなく、「技術力」と「真の芸術性」という2大「正攻法」での正々堂々とした真っ向勝負が好きな人です。 

数字に滅茶苦茶強いから、採点についても、非常に敏感に感じ取って、いろいろ見極めていることが多いですよね。

しかし、ネイサン選手とゾウ選手は、どちらも疑いようもないほどのジャンプの才能の持ち主でもありますし、この二人には、芸術性もかなりあります。

そして、アクセルとループの技術については、彼らよりも羽生選手の方に軍配が上がり、特に「アクセル」が苦手だったネイサン選手とは、アクセルについては、羽生選手とかなりの差があります。

それをネイサン選手本人も、誰よりもよくわかっているからこそ、「4回転アクセルは自分は挑戦する予定はない」「最初の成功者はきっと結弦」「結弦の4回転アクセル成功をぜひ見てみたい」「楽しみにしている」とまで言ってくれて(そしてこれは本音でしょう)、アクセルが最も得意な羽生選手に最大限の敬意を表して、なおかつ、本当に成功を期待してくれているわけで、これはもう、アクセル大好きで、スポ根大好きだった羽生選手には、嬉しいに決まっていますよね。(笑)

でも、このインタビューで一番面白いのは、松岡修造さんに向かって、自分が試合直前までどれだけ熱くなって練習していたかを語りながら、「熱くなるだけじゃダメだろ!」って、ついに自分で足りないものに気が付いたことを、照れながらも熱く語るラストかな。(笑)

 

 

さて、これよりも一日前、フリーから一夜明けた24日(日)の昼の羽生選手の会見・一問一答は、こんな感じでした。( 上の修造インタビューの方が、こちらよりも後になされたものです。)こちらの記事より

 

――今季、集中して自分のペースで練習できた利点はあったか

 ◆利点はなかったと思います。はっきり言ってしまうと。やっぱり、あのー、今回試合を終えてみて、やはりあのー、練習できなかった2カ月間の重さっていうのはすごく感じましたし、まあ、実際その2カ月間が、えー、それから練習をはじめるにあたって、ものすごく影響を及ぼす期間が長かったので、そうですね……。かなり大変でした。できればけがはしたくないです。はい。

――来季はフル参戦か

 ◆来季はそうですね、フルでやりたいですけど、うん。やっぱり足首の状態をみて、これからいろいろプラン立てをしていかなきゃいけないなというふうには感じております。

――右足首の特別な治療はするか。リハビリか

 ◆いろいろ相談はしているんですけれども、まあ、手術してどうなる問題でもないですし、ほんとに大きく痛めてしまってから、より簡単な衝撃でけがをしてしまう。または同等の衝撃でもより大きくなっていくっていうのが、すごく感じています。なので、もちろん平昌オリンピックの時の前のけがの仕方と、今回のけがの仕方というのはまったく違う方向なんですけど、明らかに今回のほうが治りが遅いですし、状態も悪かったっていうのは、やっぱりその足首の耐久性、これからの足首の寿命みたいなものですかね。そういうものもやっぱり加味したうえで、リスクを負いながら練習しなくてはいけないなっていうことを改めて突きつけられました。

――けがした時にエフゲニー・プルシェンコさん(ロシア)と、(五輪2連覇の)ディック・バトンさん(米国)とハビエル・フェルナンデスさん(スペイン)の言葉が支えになったと。大事にしたり、来季に励みになる言葉は

 ◆まあ、はっきり言ってしまえば全部なんですけどね。ただ、あのー、プルシェンコさんはやっぱり、彼が競技者としてやってきた心得だとか、そういったものをあらためて感じたことによって、あー自分もやっぱり何て言うか、自分がいうのもおこがましいんですけど、同類だなというか。そのー、こだわり、勝ちにこだわる心の覚悟とか、スケートへのその情熱っていうかそういうものが一緒だなあというふうに思って改めて火がついたのと、ハビエルはやっぱり一緒に戦ってくれるというか一緒に背中を押してくれる、本当に素晴らしい友達だなというふうに思いましたし、バトンさんはほんとに「もう彼は好きに滑らせてやれ」とかって言ってくれてましたけど。でもたぶん、まあ今回世界選手権を通してですけれども、このシーズン通して、世界選手権をふくめて通して、えー、自分のために滑るというのはやっぱり素晴らしいスケーターたちと、尊敬しあえるスケーターたちと一緒に戦って、で完璧な演技をしたうえで、やっぱりそこで勝つことっていうのがたぶん一番うれしいですし、それこそが自分のために一番なるんじゃないかなっていうのに気がついたので、ある意味また、うん。原点に戻れたのかなという感じがしました。

――4回転について。来季プログラムに入れ込むとしたら、どのあたりまでか。

     ◆状況次第ですよね。まあ、それもはっきりと明言は難しいです。あのー、ほんとに若い頃みたいにがんがん練習すれば跳べるっていうようなジャンプではないですし、もちろんルッツに関してはすでに跳べていたジャンプではあって、えー、まあ筋力的にもだいぶ戻ってきてはいますし、強くもなっているので、たぶん1週間2週間ほど練習したら何回かに1回かは、何十回に1回かは跳べるような確率には戻ると思います。ただ、それをやることによってのそのリスク。僕の場合は、失敗するというよりも、けがをするリスクっていうのをかなり多く考えなくてはいけないので、そのリスクを踏まえたうえで練習をしていかなくちゃいけないのかなということで、ちょっと明言は難しいです。ただ、やる気ではいます。はい。全部。はい。

――負傷した右足首。前回よりも治りが遅いというが、オリンピックであれだけの演技ができた。今回も大丈夫という気持ちは

 ◆あのー、ショートは若干ありましたね。あのー、そのー、オリンピックの前はあまり練習が積めなかったんですね。で筋力もしっかり戻っていなかったですし、体力も戻っていなくて。でどちらかというと、体力をあり余らせた状態で試合に向けなきゃいけないという感じがあり、そうやって公式練習を組んでいたんですけど、今回はしっかり追い込んでこられた。ある意味痛みはしっかり止めてますけど、痛みを止めた上で、追い込みきれてきたうえでの演技だったので、ちょっと体力を余らせすぎたかなっていう感じがあって。で最初のミスにつながったのかなというふうには分析しました。なのである意味、今回ショートのあと1日あったことで、またトレーニングとして再開できたと思ってますし、そのトレーニングができたからこそ、次の日にしっかり足がしまった状態で、もちろんみなさんの声援の仕方っていうのもものすごく感じてはいたんですけれども、体の状態もちょっと疲れた状態として、いいバランスになったのかなというふうには感じました。

――ショートの日にイチロー選手が引退したが、イチロー選手について

 ◆いやあ、えーっとお……、うーん……。さみしいなっていうのが率直な感想ですかね。もちろん、本当に世界のレジェンドなんで、もう何回も素晴らしいバッティングセンスや、あのー、盗塁とか走塁のセンス、べーランのセンス……。へへへ。あの方。もうほんと語り出したらとまらないんですけど、でもほんとになんか……、いろんな言葉で僕も支えられましたし、いろんな言葉にいろいろ影響を受けて練習方法を変えたり、トレーニング方法も変えたりしてきたので、やっぱ素晴らしい方だなって改めて思うと同時に、これからもなんか言葉っていうのはいろいろな媒体で残っているので、それをまた研究しつつ、自分にも生かせたらいいなというふうにも改めて思いました。

――子ども新聞サミットのアンケートで好きなスポーツ選手の1位

   ◆ありがとうございます。はい。

――子どもたちへメッセージを

 ◆えっとー、まずオリンピックであのー活躍できて、多分あのー、スケートを見たいと思って見てる方々じゃなくて、オリンピックとして見てくださった方がたくさんいたのでそういう結果になったのかなと自分では思っていて。やっぱりでもオリンピックの印象ってすごくものすごく強いのでこれからもやっぱチャンピオンらしく滑りたいなと思いますし、それと同時にえーもっと貪欲に、もっと強くなっていく、向上心を持っていくというところも見ていただけたらなと思ってます。

――平昌五輪後、ちょっとだけ現役を続けると。あふれるモチベーションはある

 ◆いやあ、ほんとなんか、うーん……。正直な話をすると、平昌後、結構ふわふわしてたんですよね。でシーズン始まる前もけっこうふわふわしてて、なんか目的がきっちり定まってなかったのかなという感じがしてました。あのー、まあでもやんなきゃいけない。なんかやんなきゃいけないんだなあ、って思いながらなんかスケートをやってて、今こうやってさっきも言ったように、自分の原点がこのシーズン通して見えましたし、なんか、やっぱスポーツって楽しいなって。へへへっ。この強い相手を見たときに沸き立つようなあのー、なんだろう、ぞわっとするような感覚。もっと味わいつつそのうえで勝ちたいなって思えたので、それのためにアクセルも今はあるという感じですかね。すみません。語りすぎました。

――イチローさんの一言で、印象にのこってる言葉。一言お願いします

 ◆えー。あー。(少し考えて)あー、言いたいこといっぱいありすぎてまったく浮かばない……。すみません。ありがとうございました。