お祭りと名高かった「国別対抗戦」に出ることになった羽生選手。
しかし、出るからには羽生選手はいつものごとく、真剣勝負でいきたいようです。
まずは、こちらの宣伝動画をどうぞ。
→ http://www.dailymotion.com/video/x2lswt5_0406-16%E6%97%A5%E3%81%8B%E3%82%89%E9%96%8B%E5%B9%95_sport
この動画の中で、「もう2位は嫌なので」とハッキリと言う羽生選手。(笑)
いいぞ、羽生選手!
偽りやねつ造情報が大量に羽生ファンに向けて流されてくる中で、正直でストレートな言葉を出している羽生選手の「映像」を見ると、ホッとするわ!
特に、その羽生選手の期待に応えるために全力を尽くす責任を負っているはずの、そして羽生選手側から多額のお金を払ってもらっているはずの、 責任あるはずの人に向かって、特にハッキリと言ってあげたほうがいいのでは?
そうでないと、後々大変なことになる気がしますよ、私は。
もう、今日信頼できるのは、羽生選手が自らの口できちんと語っている 「映像証拠つきの」 発言だけですね。 怖い時代です。
世界選手権が銀メダルに終わり、悔しさ全開、惜しみなくその本音を披露してきた、羽生選手。(笑)
羽生選手のエキシビション直前のインタビュー動画
私は今まで、羽生選手の、このカッコ悪いのも平気でさらけ出せちゃったり、やるべき時にはテレもなく決めることができる、その一途さと正直さと素直さが、とてもイイぞ!と思ってきたんですけどね。(笑)
さて、どんな理由があろうとも、間違った情報や嘘を意図的に繰り返し流した人、流してくる人を、信用し続けることの出来る人は、ほとんどいないと思います。
人間、弱いと、辛い真実を見据えることが出来ずに、自分の空想や理想だけを信じるようになったりします。
しかし、正直者は、神様に愛されると言われます。
結局最後には、なんだかんだと一番強いのは、自分の心の中の、色んな側面をきちんと認めることのできる、正直な人だと私は思っています。
だから、これからも正直に素直に頑張れ!羽生選手!! (注: 身体に無理をし続けろ、という意味ではありません。)
「自分の中の、8分の7以上は、悔しい気持ちでいっぱい」 と答えた羽生選手。
つまり、87.5%以上は、悔しい気持ちでいっぱいだけど、90%以上ではないという、微妙なラインなのかしら?と思っていたら、他のインタビューでは、普通に「9割以上は悔しい」「90%以上は悔しさで」等と答えていて、特にその微妙なラインに、深い意味はなかったようです。
それとも、悔しさが微増した結果なのかな? (笑)
今シーズン、かつての本田武史選手の世界選手権での悲劇→引退劇を思い出し、なんども頭をよぎっては、辛かった私です。
とりあえず、同じような悲劇にはならず、大ダメージは避けられた様子。
ただそのことだけでも、まずは感謝です!
表彰台での羽生選手を見ながら、心の底から安堵したような、本当に明るい声で、実に嬉しそうに話す本田さんの声を聞いて、
本田さんもきっと、本当は相当心配していたんだろうな、と思いました。
本田さん、羽生選手を見ながら、自分の過去を思い出していた、ハラハラのシーズンだったんじゃないかと・・・
だからその安堵に満ちた声を聞いて、なんか私も二重に嬉しくなった、そんな世界選手権の最後でした。
見ただけですぐに、足腰周りの筋肉がかなり落ちてしまったと解るほど、明らかに痩せていた羽生選手。
表彰台にすら乗れない可能性だって十分にあったというのに、ここまでやれて、しかも、最もファントムらしい演技でした。
4回転の失敗はもちろん残念に間違いないけれども、私は嬉しかったですね。
ところが、これよりさらに凄い演技を目指して、またもや頑張ってくれるって・・・?!
「才能とは、情熱と努力を持続できることである」 と、 同じ羽生さんでも、将棋の天才と呼ばれるほうの「羽生さん」(ハブさん)が言ったそうですが、
全くその点において、羽生選手は疑いようもないほどの、強烈な才能のお人ですね。
しかし一方で、別の視点からも見てみたいです。
羽生選手は、「義務がある」という意識を今回ハッキリ、口にしています。
http://www.nikkansports.com/sports/news/1453716.html
「義務」という言葉には、逆の選択肢はない、という意味がある。
羽生選手には、その情熱も並外れたものがあると思うけれども、その責任感もすごく強いです。
羽生選手が、本音というか、その「意識」を語ってくれて、良かったと、私は思いました。
銀座に出てきた巨大広告の羽生選手像を見れば、諸事情で、羽生選手に逃げ場などそもそもないのだな、と「普通に」解ります。
でも、他でもない、コーチであるオーサー氏自らが、2月と3月に、羽生選手に出場しない選択肢を全く与えない、逃げ場をも作らせないほどの内容の情報を発信していますね。なぜでしょうね。
その内容は、現実とはほど遠く、実際は、羽生選手は大変な状態だったというのに。
直ちに出された日本側からの、それに対する否定情報は、それが完全に真実でしたね。
オーサー氏は、2010年の世界選手権で、キム・ヨナ選手が、直前の五輪で金メダルを取った後で、それこそ引退しても良いはずのところを、その本当の理由は明かしていないものの、無理やり説得して出したことを自分の著書の中でしっかりと書いています。
私はいまだかつて、世界選手権で、あれほどやる気のない、いい加減な態度で出てきた選手を見たことはなかったし、それ以上に、それが露骨に見えるような演技で、さらにあれだけ失敗しておきながら、フリーで1位をとるという異常事態も、見たことがなかったです。
どんな裏事情があれば、あんな嫌そうな五輪金メダリストを、無理やりに出場させなければならない事情が出来るのだろうか、と思って呆れました。
彼女が、「出たくなかった」「スケートが嫌に」なってしまっていたのは、見れば明らかでしたし、それは引退会見の時にも、しっかりと彼女の口から、ちょっと冗談めかしつつではありましたが、しっかりと語られました。 その寂しそうな、疲れたような笑顔が、悲しいほどに印象的でした。
私は浅田選手のファンですけれども、アンチ・キムヨナ選手だったわけでもなければ、特にアンチ韓国なわけでもありません。
2008年の世界選手権頃までは、浅田真央選手の次に、キム・ヨナ選手の、その独特の演技や、真剣に努力する姿が好きだったし、浅田真央選手とキム・ヨナ選手の、ふたりの個性の異なる選手の演技を見るのは、本当にとても楽しかったんです。
そういう人、大勢いたと思います。
だから彼女の引退会見の発言をを聞いた時・・・ 私は、思わず涙が出ましたね。
寂しそうな、疲れたような表情を浮かべた彼女が言った言葉は、「本当はずいぶん前から、スケートを見るのも嫌になっていました。」 でした。 (私は韓国語がわかりませんので、翻訳されたものを信頼してみます。)
この「ずいぶん前」は、明らかに、2010年の世界選手権時が、含まれていると私は思っています。 あれを見ていた人は、それを誰も疑わないのでは?
ああ、なんという悲劇・・・!
なんという、悲劇の連鎖なのか!と。
才能ある選手たちが、「フィギュアスケートを嫌になる」 ようになっていく事態。
どう考えても、何かが完全に、間違っている証拠です。
その、悲劇の連鎖が、羽生選手にまで及ぶのだけは、絶対にごめんです、という気分です。
私は、羽生選手には、間違ってもあの状態には陥ってほしくなかった。
でも、昨年、「スケートを滑る喜びを忘れていた」と羽生選手はその本音を語りながら振り返り、グランプリ・ファイナルで、その気持ちが久しぶりに復活したと、羽生選手は言いました。
さて、あれほどまでに、滑る喜びにあふれていたはずの羽生選手が、それを一時的にでも忘れてしまう状態にまで陥った、本当の原因は何だったのでしょうか?
今シーズンを、「ここまで奮い立たせたきた自分を、誉めてあげたい」と言った、羽生選手。
つまり、羽生選手でも、「無理に奮い立たせなければ」 出来ないほどの状態だった、と、この言葉からよく解ります。
本当に、お疲れ様でした!
・・・って、羽生選手の決断により、まだ終わってないけどね!
国別対抗戦の、会見の動画ニュース → http://www.dailymotion.com/video/x2labsz_2015-03-31-%E5%9B%BD%E5%88%A5%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9_sport?start=3
世界選手権を終えて、2位になったことで、悔しさいっぱいの羽生選手の動画。 → http://www.dailymotion.com/video/x2lgcm1_2015-04-01-%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E8%A6%9A%E6%82%9F%E3%81%A8%E3%81%AF_sport?start=19
テレビ朝日が報道した、羽生選手の覚悟についての番組。 →http://www.dailymotion.com/video/x2lbqqe_150401-%E5%88%9D%E5%87%BA%E5%A0%B4%E3%81%B8_sport
「自分の限界もそろそろ考えないと」って言っている羽生選手の言葉、カットされていて前後の文脈がわからないので、羽生選手の言葉は、できるだけカットしないで全部流してほしいですね。
ところで、これは私の考え方ですけれども、選手とコーチは、きちんとした「お金」を、それも多額を介した「有償の関係」であるゆえに、それに見合う成果や成績を出せるか出せないか、そういった結果が、「信頼」以外にも、常に厳しく問われる関係だと、私は思っています。
それは明らかに、「無償の愛」や、家族、友人などといった「無償の関係」とは根本的に違うわけです。
(中には、高橋大輔選手と、一緒に生活して、金銭度外視でその生活の面倒を全部見ていた歌子コーチみたいな例外もありますが。)
真剣だからこそ、ぶつかり合うことも多々あるはずで、そんなことは何かに真剣に打ち込んだことがあれば、普通に解るのではないでしょうか。
だから、色々な理由でコーチや先生を変更するのは、フィギュアスケートに限らず、向上を目指す世界では、どこの世界でもよくあることで、 周囲が騒ぐようなことではないし、何が合わなくてとか、何にぶつかって、とか、目指す目的の違いや、その他の諸事情など、傍から見たら到底わからないようなことで色々あるのが人間関係というものだと私は思っています。
選手の言うことより、コーチの言うことのほうを信頼している人というのは、私に言わせれば、コーチのファンです。
それ自体は、何も問題ありませんけれども、紛らわしいので、できればそう名乗ってほしいですね。
それから、荒川静香さんなどは、トリノ五輪の本当に直前数か月前に、コーチを思い切って変えたことが勝因となって金メダルにつながったのは、ご本人の証言としても、有名な話です。
浅田選手がバンクーバーで銀メダルに終わったのが、コーチをタラソワ氏に変えたせいだなどという「嘘」を、巧みに信じ込まされてしまった人々が、「チーム・ブライアン」という本のせいで、羽生ファンの中にかなり多くいるようですけど、私に言わせれば、それを言った人が勝手に、「自分の都合で」「自分に有利なように」 そう説明しているだけです。
その人は当時、自分の側の一番痛いところを、タラソワ氏に散々つかれていたので。
タラソワ氏と浅田選手の組み合わせだったからこその超難度構成であり、高い芸術性でもあり、浅田選手の高い才能を誰よりも評価していたコーチと組んだからこそ、妥協なき3度のトリプル・アクセルの挑戦と、その成功記録が、歴史に残っているのです。
少なくともタラソワ氏は、自分の見ている選手たちの欠点をファンの前でわざわざ指摘して、自分がいかにそれを直すのに貢献したかを、謙虚を装いつつ自慢げに書くような、そしてそれを書いた本で金儲けするような感性は持ち合わせていないでしょう。
その結果、選手のファンだったはずの人たちが、選手を信頼しないで、よりコーチを信頼し、絶賛するファンが増えていく、なんていう異常な現象は、私は今まで、見たことがなかったです。
あのバンクーバー五輪女子シングルの結果に猛烈に批判的だったロシアの人たち・・・ 特にあの時、何が起きているのかよく解っていて、「真の女王は真央だ」と、公に向けて繰り返し発言し続けたプルシェンコ選手は、そのような誤った説明に対しては、相当怒るのではないかな、と想像されますが。
最近フィギュアスケートを知った方々で、全く知らなかった人は、参考までにどうぞ。
ところで、1月終わりごろに、それまでの抑え気味だった口調と変わってプルシェンコ選手が、「ユヅルは大変なことになっている。 中国杯は無謀だった!」と強い口調で半分怒りながらテレビで言っていたのを見て、羽生選手の現状をプルシェンコ選手は何か知っていて、結構大変な状態なのかも・・・などとは思っていました。
さて、世界選手権後に、明らかにされてきた、実際の羽生選手の状態は、こちら。 → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150401-00000038-spnannex-spo
これによれば、右足首捻挫だけでなく、同じ箇所の以前からの剥離骨折も治っていなくて、さらに、羽生選手は年末の手術跡の腹部には、融け残った糸の跡が今では炎症が起きていて、そのためにまた軽い手術が必要な状態だとのこと。
しかし、国別対抗戦に出場するため、またもや手術を延期することになっているそうです。 テレビニュースでも言っていましたね。
さらに、2月に読んだロシアの記事(ブログでご紹介済み)から抱いていた、嫌な予感も的中。
羽生選手は、「頭部も含め、今後は定期的にMRI検査を受けなければならない。」ということのようです。
http://www.nikkansports.com/sports/news/1453675.html
これは間違いなく、中国杯で強行出場した影響です。
少し前に紹介したロシアの記事で、「頭部の怪我」の影響を羽生選手が語ったと書いてあったので、表に出ていない何かがあるのだろうとは思っていたけれども、やはり、でした。
でも、これが日本の医療現場での現実的な判断だと思います。
私も交通事故後、MRI検査をやりましたし、「安静にしていなかったら、今後も受け続けなければならなくなる」 と言われましたので。
MRI検査って、受けたことある人は皆知っているだろうけれども、音が超うるさくて、結構ストレスのかかる検査です。
アスリートの羽生選手が、定期的にそんなことをし続けなければならないということは、決して軽くない代償です。
過ぎたことは戻らない。
でも、この教訓を、フィギュアスケート界全体で、絶対に活かしてほしいと思います!
私は、アスリートの怪我については、出てきた情報の中で、一番重いものが、ほぼ真実だと思っています。
身体が資本のアスリートにとって、事実より重い、真実と違う内容の、怪我や病気に関する情報を報道したら、身体が資本のアスリートへの名誉棄損になるし、選手に直ちに否定されるはずなだけでなく、完璧に敗訴する大変な訴訟のリスクを抱えるし、何よりアスリート本人から敬遠されてしまうので、マスコミ側にメリットは何もありません。
右足以外にも、お腹が戻っていないな、というのは、演技を見ていてわかりました。
でも、傷痕とか、筋肉の問題だろうと思っていたので、 さすがにまさか、再び「炎症」を起こしていたとは想像できず !
普通に考えて、手術を延期するなら、炎症を抑えるために抗生剤を使い続けるのでしょうけれども、そうすると身体全体がだるくなったり、免疫力が低下していくのが普通で、その影響が出てくることもある。
手術の糸が解けずに炎症、についての説明の記事 → http://mocosuku.com/2015040311733/
羽生選手の悔しさは、見ていれば、痛いほど伝わってきます。
羽生選手が、大好きな仙台を、陰では号泣しながらも後にして、カナダに行って言葉のわからない中でも、必死で頑張ってきた理由。
羽生選手自身が、過去に何度も言っているように、当時4回転の技術を上げていたフェルナンデス選手に絶対に負けないように、そして、複数の4回転でも負けないほどの技術を得るために、色々な地元への思いを全て飲み込み、前向きにとらえ、海外での慣れない生活に耐えながら、必死で努力してきたのは、確かでしょう。
そしてその結果を持ち帰ることを夢見て、色々な決意をしていたはず。
だからこそ、今回の負けは、相当な悔しさだっただろうと私は思っています。
私は、1位と2位が同じコーチ、などという事態は、本来はあるべきだとは思っていません。
今まで、そういうトラブルが原因で、コーチを変えた選手は、沢山いますから。
アイスダンスは、1位と2位のペアが、アメリカとカナダで同じコーチについていて、そんな状態ですが、その演技はどんなに良くても、いや、演技が良ければ良い時ほど、勝負として見るのは非常に難しく、演技は良くても、観ていてかなりシラケる気分になることがあります。
アイスダンスは、人材不足なんでしょうけれども。
でも、この予感は、昨年のグランプリファイナルの時から、ありました。
あの時は、羽生選手が1位だったから羽生選手は笑顔でしたけど、羽生選手の怪我と回復具合と相手の演技によっては、1位と2位が逆転することは、余裕であり得たわけです。
そうなったとき、羽生選手は相当キツイだろうな・・・と、私はそう思いながら見ていました。
チームメイトだからって、カメラや大衆の前で優勝を喜んであげなきゃいけないっていうのも、ちょっとね・・・ 本気で勝負している人には、残酷なことだと私は思っています。
あの、演技後の選手を一か所に集めて、その反応をずっとテレビで映すのって、ちょっと見世物的な印象で、私はあれってどうかな・・・と疑問に思いました。
テレビ側の都合で、選手の気持ちを考えていないように見えますね。
だから、羽生選手が、「自分は心が広くないから悔しい・・・」って言った時、そんな正直な羽生選手で良かったと、本当に心から思いました。
人前で泣きたくなくてもフェルナンデス選手の前で堪えきれずに泣けてしまった羽生選手を見て、色んな思いがあふれたんだろうと思いましたし、下手に感情を無理して隠す羽生選手より、私は好きですね。
本気で真剣にやっていればいるほど、それは本来、当たり前のことでしょうって私は思っています。
かつての、2大ロシアの天才と言われた、プルシェンコ選手とヤグディン選手は、どちらも気が強いだけでなく、最初は同じコーチだったために、その関係が壮絶なことになっていたことは有名です。
それで途中でヤグディン選手がコーチを変えたけれども、リンク外のにらみ合いというか、火花のバチバチ具合はものすごくて、見ていてかなり怖かったほどだったと記憶しています。
でも、それだけ彼らは本気だったわけです。
そして、そんな二人の対決演技を見ながら、逆に心が燃えていたはずの羽生選手。(笑)
私は、町田選手と羽生選手なら たとえ本気でも、あの二人ほど怖くならなくて済むだろうと思っていたのは、町田選手がかなりの 「理性派」でもありましたし、お互いに互いの、自分にはない強みを尊敬しあっていたから、です。
間違っても、コーチが一緒等の直接的利害関係が生じてしまうような関係ではありませんでしたし、純粋なライバルになれると思ったから、喜んでいたのですが。
インタビューを聞いている印象では、羽生選手はフェルナンデス選手より、デニス・テン選手のほうの実力を評価していて、本音ではライバル視していた印象ですね。 「ビクビクしながら見ている」などと笑いながら答えています。 羽生選手、素直だな!(笑)
↓ デニス・テン選手のことを、プルシェンコ選手のライバルだった、「アレクセイ・ヤグディン選手と似ている所がある」、などと答えた、羽生選手。(笑)
他にも、羽生選手が悔しくて仕方ない理由は、1位になれなかったことで、日本の出場枠「3枠」を落としてしまったことがあるだろうと思われます。
これは決して2位になった羽生選手のせいではないですが、もし羽生選手が1位だったら3枠とれたのであれば、責任感の強い羽生選手は絶対に悔しく思っているでしょう。
実際問題、男子シングルの人材豊富な日本が、世界選手権に出られるのがたったの2枠というのは、
世界選手権の出場枠争いが、日本でどれだけ大変だったかよく骨身にしみている羽生選手には、腹立たしいことだろうと思います。
今回の国別対抗戦出場決定は、他の日本男子シングル選手たちの、ボロボロの身体状況を考えると、本当はトップ選手である羽生選手には選択の余地など与えられていなかったようにも見えるし、
拒否権も一応あったんだけど、この会見や記事のように、あえて羽生選手が出場を決めたようにも見えます。
羽生選手は、責任や義務を感じたら、全ての状況を前向きにとらえ直して、自分の中で消化して乗り越えていくタイプだと思うので。
「世界ランキング1位なので」 とか、「気力は有り余るぐらいある」 と、闘志に燃えた顔で答えた羽生選手。
でも、会見によれば、「足の状態は良くない」「でも、このままでは終わりたくない」という、負けず嫌いから、出場を決めたように羽生選手は語っています。
世界選手権が終わったとたん、「身体が良くなってきたから」 ではないわけです。
羽生選手は以前、よく言っていました。 「本番で100%を出したければ、120%を練習で出来ていないとダメだ」 と。
羽生選手は、本番における爆発力は並外れて凄く、他の選手たちから、「練習で100%、本番でも100%」が出せると言われ、そこが驚かれてきました。
でもやはり、そこが限界です。
身体が本調子でなく、練習で80%や50%程度なのに、本番では100%を期待するのは、「非・現実的」であり、「夢物語」 「ファンタジーの世界」 だと私は思っています。
今回、羽生選手の公式練習を見ていた限りでは、その視点からしたら、羽生選手はすごくよくやったように見えました。
4回転トーループは、今までの羽生選手ではありえないほどの失敗をしていましたから、そういう体の状態だったとファンなら見ていれば良く解るし、だからこそ、本番で転倒するのは、ファンから見ても、当然の予想の範囲内です。
(むしろ、あの状態でありながら、アクセルもループもルッツも綺麗に決まったことが、羽生選手の凄さを表しています。)
羽生選手は、昨年夏までは、4回転サルコウはもちろん、4回転ループも、4回転ルッツも跳べるようになり、後半に4回転を入れる準備までして、
プログラムも驚異的な美しさに仕上げて、絶対的な強さで勝とうとしていました。
その努力は本当に尊敬に値するし、実際に夏に公開された練習映像は、それはもう素晴らしかったと私は思っているし、そういう努力を近くで見てきて、よく解っていたからこそ、フェルナンデス選手は自分が優勝してなお、「ユヅルがぼくの中ではチャンピョンだ」とまで言ってくれたわけですし、そのように言ってあげることが可能だったのだろうと思います。
でも、今季の羽生選手は、その頑張りすぎが原因で怪我につながり、激動のシーズンとなり、今の身体状況になっています。
「怪我の自転車操業」なる状態 になっていったら、どんな人間でも、本来のベストの状態を発揮できる可能性はかなり低くなります。
もし気力だけで勝敗が決まるのなら、羽生選手は間違いなく、フィギュアスケート界の絶対王者だろうと、私は思っています。
でも、現実は、「気力」だけで勝敗が決まるようなことはなく、怪我や病気、故障で身体が動かなければ、普段から実力が自分より下だったり、努力具合が下の選手にさえ負けてしまうことが起こり得るのは、非情ですけれども、勝負の世界では当然です。
また、他にも優れた演技をした選手がいるにも関わらず、
身体がどんな状態であっても、あるいは、どんな演技内容であっても、あるいはどんなにやる気のなさが明白な演技内容であっても異常な高得点が出るという異常状態が起きたとしたら、
(事実、過去には起きたことがありましたが)
その結果とは裏腹に、一番大事な 「信用」 「信頼」 というのを失っていきます。
私は、長い目で見ると、これは一番の悲劇だと思っています。
それなのに、「なんとかマジック」などと言って、情報等を操ったりしながら、不思議な勝利を実現させようとしたり、それが可能だと思い込ませようとする人がたまにいるようで驚きますが、私が思うに、マジックは所詮マジックでしかない。
魔法は所詮、どこまでいっても魔法でしかなく、実力でも現実でも真実でもないため、いずれその魔法は解け、信頼を失ってしまいます。
そこには、当然のことながら、本当の喜びなどはついてこないはずです。
一時的な、刹那的な、偽りの喜びはあるかもしれないけれども。
羽生選手には、どちらの悲劇や罠にも陥らない、「正々堂々とした」「真の」 王者になってもらいたいし、絶対になれると思って応援しています。
でも、無理しろという意味ではありません。
そして、別に、肩書が王者じゃなくても、私は全然かまいません。
アスリートのカッコよさは、生きざまにこそ、表れてくると思っているので。
「オペラ座の怪人」のファントムは、奇術を駆使して様々な作戦をとり、なんとしてもクリスティーヌの心を得ようとしますが、それこそ、洗脳が解けるようにして、最後にはクリスティーヌに、
「You deceived me ! 」(あなたは私をだましたのよ!) 「I gave (you) my mind blindly !」 (私はあなたに盲目的に心を捧げてしまった) と悲しげに、涙ながらに、憎々しげに叫ばれてしまいます。
しかし、この話の救いは、自分の間違いに気が付き、愛とは何なのかを初めて悟ったファントムが、自ら身を引く決意をして、クリスティーヌとラウルを、自由にさせる決意をすること。
偽りの関係の中では、偽りの夢を見ることは出来るけれども、本当の喜びは得られなかったファントム。
真実を直視でき、受け入れた時に、逆にファントムが本当の喜びを知ることができた姿が描かれて、仮面まで捨てることが出来るようになるところです。
「It's over now, the Music of the night --------!! 」 (夜(闇)の音楽は、今、これで終わりだ!)と渾身の思いを込めて叫び歌う、ミュージカルでの、ラストのファントムは、万感の思いが込められていて、そのものすごい声量とも相まって、鳥肌レベルで感動的なまでにカッコよく素晴らしかったです。
(注: 役者や解釈、演出の違いによっても少しずつ異なることもあります。)
・・・闇の世界が奏でる狂騒曲なんてものは、羽生ファントムによって、本当の意味で、「It's over now!」なのだと、是非とも高らかに終了宣言をしてもらいたいですね。
さて次に紹介するのは、羽生選手はもちろん、織田さん、荒川静香さん、高橋大輔さんたちが選んだ、支えになった「応援歌」を取り上げた番組の動画です。
それぞれの選手たちの、心の内の葛藤がどこにあったのかがよく解る、なかなかいい企画。
織田さんが、結婚してお子さんが出来た後の方が、試合でも強さを発揮できるようになっていたのは、私には強く印象に残っています。
本当に「パパになって強くなった」 タイプだったな、と。 ・・・でも、この歌詞でここまで号泣するとは、さすが織田さん。(笑) お子さんが大事なんですね。
そして、羽生選手が選んだのは、「パンダライオン」の「夢に描くキセキ」。 ( 以前も紹介しました。)
その中でも、羽生選手を支えてきた言葉は、「君のいた街も立ち上がるさ。 全力の君とほら、同じように。」 の部分だそう。
ここは私も聞いていて、パンダライオンさんが羽生選手へ、その心情を深く思いやりながら、まさに「全力で応援する気持ちで」 書いてくれた、渾身の歌詞だなと感じますね。
羽生選手の前のコーチ・阿部奈々美先生の旦那様の 吉田年伸さんは、羽生選手のスケート靴の研磨職人で、今でも羽生選手は、カナダから靴を送って、ブレードを研磨してもらうほど、羽生選手とは信頼関係が厚い間柄だと言います。
その技術で、羽生選手のスケートを影からずっと支え続けて下さっている、一人です。
その吉田さんが、以前顔出しで出演された番組で、羽生選手はカナダに行く2012年の春に、そのお店の奥で、
吉田さんの前で、「本当はカナダに行きたくないんだ」 と言って、号泣し続けた、というエピソードを話して下さったことがありました。
その番組を覚えている方も多いかと。
羽生選手が、どんな気持ちでカナダへ渡ったのか、少し考えてみると、色々と見えてくるものもあるかもしれませんね。
そして、昨年初めて導入された、ソチ五輪の団体戦というのは、選手たちの体力を消耗させ、個人戦における、男子シングル選手たちの、演技の軒並み失敗の遠因になっていたと私は思うし、(それだけではありませんけれども)、
その過度の負担により、プルシェンコ選手のあの棄権にもつながったと思うし、何より、羽生選手の男子シングルフリーでの、ジャンプ失敗の遠因にもなったのではないかと、私は個人的には思っています。
日本スケート連盟は、きちんと長期的視野に立って、「現実的な」 選手たちの活躍のさせ方を、真剣に考えて頂けたら・・・ と思います。
羽生選手の今後の道が、神様の視点から見て、一番良い方向へと向かい、守られていきますように、お祈りしています。
出場して演技する以上は、その演技を、楽しみにしています!
しかし、もし身体にこれ以上の異変があったら、どうかその時は、思い切って身体を大事にして下さい!
どうかいつでも、あるいは、いかなる過程にあっても、未来から見た時に、最も後悔のない選択をしていくことが出来ますように・・・!!
羽生選手が納得のいく、最高の「オペラ座の怪人」の終幕となりますように・・・!!