谷根千 桜と気まぐれ!

1日1回は感動しよー!をモットーに本音と建前を織り交ぜながら書くぞー!

船に乗れ!

2009年11月17日 23時46分07秒 | 活字から広がる
協奏曲は合奏曲の一種だと思っていましたが、合奏はみんなで協力して音楽を作っていくイメージ、協奏はソリストとオケがぶつかり合って音楽を作っていくイメージ。
音楽の作り方が違うんだそうだ。
そして合奏協奏曲という形式もあるんだってさ!
バロックではよくあった形式でビバルディとかコレルリがよく書いたらしい。
コレルリのクリスマス協奏曲ってコンチェルトグロッソって書いてあったから、正しくはクリスマス合奏協奏曲になるわけだ。
ブランデンブルグ協奏曲もブランデンブルグ合奏協奏曲、、、、なんか変。

急に知恵づいたのは勉強したからじゃありません。
先日2日で一気に読んだ小説に書いてあったのです。

「船に乗れ!」藤谷 治
3冊完結で副題がそれぞれ「合奏と協奏」「独奏」「合奏協奏曲」とついています。
三流音大付属高校を舞台にした小説という理由だけで読み始めたのですが、これが面白い!!
はっきり言って「のだめ」の数倍面白いです。
これいつか映像になるな。

読み始めてから知ったのですが主人公はチェリストなんです。
作者は音楽高校出ていますので音楽描写がとてもリアルです。
大人から楽器始めた人はつい数年前に経験した演奏上の悩みが追体験できるので、そうなんだよね感が一杯あります。
そうなのか!と勉強にもなりますよ。

楽器に詳しくなくても「のだめ」が楽しめたように、この小説も基本は青春小説なので十分楽しめるはずです。
高校生の純粋な恋愛と意のままにならない結果、友愛、将来の不安など3冊ありますのでてんこ盛り!
それと、主人公はニーチェを愛していて哲学の話もよく出てくるのですが、ソクラテスがなぜ自ら進んで毒をあおったのか?彼が何を考えていたのかこの本の中で先生が解説するシーンでやっと理解できました。
哲学書なんて一冊も読んだことなかったもんね。

「レガート!レガートってのはペダルを踏むって事じゃねぇぞ」
「芸術は芸術家が気ままに作ったものじゃないんだ。次の仕事に困らないようにせっぱつまって作られたんだ。しかもそんな苦労はこの音楽からはこれっぽっちも聴こえてきやしねぇ」

主人公のおじいさんの言葉、いい味出しています。


学園祭でのブランデン5番の場面と、その翌日屋上でのフルート演奏の場面が切なくて好きです。

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6 コメント

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Unknown (まかべ)
2009-11-18 08:45:47
この本、ずっと読みたくて先日図書館でリクエストして借りましたよ~。でも毎日すごく眠くて夜フトンに入るとすぐ寝ちゃって・・・(苦笑)、結局1巻のちょびっとしか読めずに返しました(他の館から借りている本だったので延長不可なんです)。はらしまさんが面白い!というのだから、面白いんでしょうね。買って読みますわ!(笑)
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最高に面白かったです (木曽のあばら屋)
2009-11-19 21:43:26
こんにちは。はじめまして。
「船に乗れ!」良かったですね~。
第3部の後半からは、柄にもなく泣けてきそうでした。
それにしても辛口の青春小説。
「努力は報われるとは限らない」
「起きてしまったことは取り返しがつかない、やりなおしなんかできない」
と言ってるわけですよね。
それにもかかわらずなぜこんなに面白く、考えさせられるのだろう・・・。
現在、読み返し咀嚼中です。
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Unknown (tanaka)
2009-11-19 22:30:40
はらしまさんのお薦めは当たり多しですからね。

これ、読んでみます!
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はらしま (まかべさんへ)
2009-11-19 23:15:14
読み始めの辺りは主人公の少年むかつく性格してますよね~。
実は私も少年の頃そんな少年だったりして。

読み進めるとどの人物も魅力的で本が閉じられなくなりますよ。
なので、時間の余裕のある時に読む事をお勧めします。
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はらしま (木曽のあばら屋さんへ)
2009-11-19 23:36:18
はじめまして。
面白いハンドルネームですね?
お住まいと全く関係ないし...

少しだけブログ見させて頂きました。
最近の読書はけっこう私と重なってますね。
面白いと思った本も重なっています。

でも一番面白かったのはプロフィールに書かれているご家族のエピソードです(^^)

これからもよろしくお願いします。

この本ですが、純粋に真実だけを追い求める年代があったことを思い出させてくれますね。
現実と折り合いつける苦しさを味わったり、言葉を交わさなくても通じる鋭い感受性を持っていた年代でした。
大人になって心が強くなるという事は、鈍感になるって事でもあるんでしょうね。
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はらしま (tanakaさんへ)
2009-11-19 23:44:13
絶対お勧めです。
tanakaさんの場合事情が違うと思いますが、共感できる所あると思いますよ。

「弦を鳴らすんじゃなくて楽器を鳴らせ」
ここ数年私が言われている事です。
思わず心でハイとこたえてしまいました(^^)

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