谷根千 桜と気まぐれ!

1日1回は感動しよー!をモットーに本音と建前を織り交ぜながら書くぞー!

ルワンダと日本人

2010年10月29日 01時59分26秒 | 活字から広がる
ルワンダという国を僕は数年前まで知りませんでした。
「ホテルルワンダ」という映画で初めて知ったのです。
15年ほど前に民族間の内戦で80万人が虐殺された事もこの映画で知りました。
アフリカ大陸の内陸にあり、主要産品はコーヒー、鉱物資源。
以前はアフリカの中でも最貧国だったのですが、近年アフリカの奇跡といわれる程の発展を遂げているらしいです。

奇跡の原動力は国民自身の努力もあるでしょうし、海外へ逃れた人々が成功して投資を行っているという理由もあります。
しかし、国民や投資家が安心して活動できるのは信用に足る国家あってこそです。そして信用できる国家とはまず財政が破綻していない事が絶対条件なのです。
安定した家計あってこそ家族が好きな事が出来るのと同じことですね。

45年前、ルワンダの財政を立て直したのは世界銀行から派遣されたある日本人でした。
服部正也。その後日本人初の世界銀行副総裁になった方です。

「ルワンダ中央銀行総裁日記」 中公新書

最近復刊された本で、僕のおすすめです。
国家財政は現代日本で危ぶまれていますが、なぜ危ぶまれているのでしょうか?
評論家によっては危機ではないと言う人もいます。
そもそも本当に危機なのか、それさえ実は自分で判断できずにテレビや雑誌に振り回されているのでは?
国家財政とは何か?どうあるべきなのかを知りたい人にはおすすめです。

財務はなかなか一般には馴染みが無く、特に国家財政は企業財務にはない特殊なファクタを含みます。
この本ではマイナス状態から国家財政システムをつくらざるを得なかった服部総裁の奮闘が、専門知識が無い素人でもわかるように読みやすく書かれていますのでよい教本にもなります。
(高度化した先進国の中央銀行の仕事とは違うのでしょうけれど、本質的には役割は同じはず。日銀は本質的な役割を忘れているのではないだろうかと思います。)


やっと先進国の仲間入り果たした時代に、世界を舞台に活躍した金融マンがいた事に僕はとても感銘を受けました。
そして、こんな昔に日本人の世界銀行副総裁(総裁はアメリカ人がなると慣習で決まっている)が誕生していた事にも!
世界銀行の前副総裁が日本人であったことは知っていました。
西水美恵子さんという方で、ある雑誌の連載を毎月楽しみに読んでいましたから。
てっきり彼女が日本人初の世界銀行副総裁だと思っていました。

彼女も相当すごい活躍していたのですが長くなるのでまた今度の機会に。
西水さんは主に東南アジアの途上国担当、服部さんはアフリカで非常に大きな貢献をしたという事に、
同じ日本人として誇りに感じます。
さぁ貢献するぞーと熱い心を持つのも大事ですが、自分の仕事としてこなしてゆく事のほうが結果を出せるのではないかと思います。

ハーバード大学に日本人留学生が一人しかいないというニュースを聞きましたが、留学に限らず海外へ出ていきたいと思う10代が非常に少ないそうです。
そんな事聞くと、これから、世界を舞台に貢献する日本人は将来出ないのではないかと危惧します。
文化面で世界に評価される日本人は出るでしょう。
しかしスポーツや芸能では衣食住に困っている人は救えません。
そして、どんなにお金持ちであっても個人の篤志家が救える対象は限られています。
私は残念がらせいぜい少額の寄付位しか出来ませんが、同じ日本人から服部さんや西水さんのような方が出てくれることを望んでいます。

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