トニオ・クレーガー(20)
—————————【20】——————————————————
;und er war so geartet, daß er solche
Erfahrungen wohl vermerkte, sie* gleichsam
innerlich aufschrieb und gewissermaßen seine
Freude daran hatte, ohne sich freilich für
seine Person danach zu richten und praktischen
Nutzen daraus zu ziehen.
——————————(訳)————————————————————
:そしてトニオは、このような経験をしっかりと
心に刻んでいた.いわば、その経験を精神的内面に
記してそのことを、ある意味、喜んでいたのだった.
もっともそれは彼個人の用になるものではないし、
実用に役立つというものでもなかったのだが.
——————————《語句》———————————————————
geartet:(過去分詞)
<arten (自)(完了sein) [文語]
[nach + 3格]~に似てくる
(形) […のような]性質をもつ、持つようになる
gut geartet sein 行儀がよい
er war so geartet, daß ~ :彼は、
~のような性質をもっていた
~のような素質をもっていた
~のようになっていた、
~のように育っていた.
die Erfahrung:(弱n) 経験
vermerkte:(過去形) <vermerken (他)[4格 + 場所]
⁴…に書き留める、メモする
⁴…を受け止める、しかと認める、気づく
wohl:(副) ❶よく、じゅうぶんに、元気に、
❷快適に、心地よく、
❸おそらく、たぶん、きっと
*) sie :このsie は die Erfahrung (経験) [4格]
aufschrieb:(過去形) <auf/schreiben (他)
(忘れないように)書き留める、メモする
schreiben-schrieb-geschrieben 書く
gewissermaßen:(副) ある意味で、ある程度;
(sozusagen) いわば、ほとんど
Er ist gewissermaßen ihr Freund.
彼はいわば彼女の彼氏なんだ.
gleichsam:(副) いわば、ほとんど、あたかも
innerlich:(形) ❶内部の、内側の
❷内面の、心の中の
❸内面的な、精神的な
freilich:(副) たしかに~ではあるがしかし
(文全体にかかる)もっとも~ではあるが.
Das was freilich richtig aber man hätte
es behutsamer ausdrü
それは確かに正しかったのだが
richten:(他) (ある方向へ) 向ける
praktischen:<praktisch (形) 実用的な、実際的な
die Person:(弱en) 人物、個人、人となり
der Nutzen:(単数使用) 有用、有益、利得
Nutzen daraus zu ziehen それで利益を引き出せる
ohne というわけでもなかった
ohne praktischen Nutzen daraus zu ziehen.
そこから実際的な利得が生じるというわけもなく
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