2012年 6月30日(土)
【アランヴェール様からのお仕事】
午前11時。携帯に電話が鳴ります。
電話の声: もしもし、こちら
京都のアランヴェールホテルです。
お世話になります。
山田 : あ、はいはい。ゴタです。
こちらこそ、お世話になります。
ホテル : さっそくですが、今から、4~5時間、
外国の方の案内をお願いできますか?
山田 : え? 今から?・・・
前回の失敗は、返事をぐずぐずしたこと。
今回は、ふたつ返事。
何、返事はひとつ。
山田 : はい、わかりました。
今、大阪ですので、
お時間を2時間見て下さい。
ホテル : わかりました。
お客様は、中型タクシーをご希望ですので、
よろしくお願いします。
山田 : 了解しました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ヘッポコタクシーの先輩に頼んでみた。
先輩 : あー、悪いね。午後1時から、
5時間じゃ、午後6時に終了だよね。
実はうしろがあって、
午後4時入庫なんだよ。
他を当たってくれよ。
山田 : いないよ。先輩だけが、頼りなんだよ。
何とかならないの~?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
12時20分。 京阪七条駅。
(あれ?まだタクシーが来ていない。
ここに先輩の紹介の
個人タクシーさんが来ることに
なっているんだけど・・・)
ここで、山田、
領収証に貼る収入印紙が
ないことに気づき、
文房具屋へ。
山田 : すみません。小切手を下さい?
お店の方 : え?収入印紙のこと?
山田 : あ、そうそう、そうとも言う。
お店の方 : いや、こうしか、
言わないよ。何枚いるの?
山田 : 1枚。それで、判子があれば、
ほしいんですが・・・
山田なんですけど。
お店の方 : ああ、今の印紙に押すんだね。
じゃ、うちは山田だから、
買わなくても、これをお使いなさい。
山田 : おお、ありがたい。
ついでに、水があればなあ。
お店の方 : はいはい。
ヾ(@^▽^@)ノ
4・5時間のタクシー代込みガイド料金は、
30000円未満なので、
印紙はいらないのですが、延長されても、
OKの準備。これがプロだ。ワハハハ・・・
何か、むなしい・・
店を出ると、交差点を南向きに
黒塗りのタクシーが止まっていました。
(ははーん、あれが、そうだな。)
山田 : ゴタです。よろしくお願いします。
個人桃山さん: よろしくお願いします。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
12時40分。 アランヴェールホテル着
ロビーにお客様。男性2名さま。
お名前は、ジーウェルさま。オーストラリアからの
お客様です。
ジーウ
ェルさん : How do you do ? I!m Zeawell.
(ジーウェルです。よろしく。)
山田 : How do you do ?
I'm your guide,Yamada.
It's great pleasure,Mr.Zeawell.
( ガイドの山田です。
よろしくお願いします。)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ジーウェルさんの奥方は日本人だそうで、
横浜で、仕事をしていたおりに、知り合った
とのこと。
山田 : Where does she live in Japan ?
(日本って、どこに住んではるの?)
ジーウェ
ルさん : Oh, no. we're now livin'
in Australia.
( え、ちゃいますって。
オーストラリアでんがな。)
山田 : Oh...yeah, that's what you said.
(ああ、そうどしたなあ。)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ジーウ
ェルさん : Mr, Yamada, We're interested
in samurai and ninja.
Please take us somewhere you'd think good.
( なあ、山田はん。わっしら、サムライとか、
忍者に興味もってまんねん。
適当なとこへ、案内しとおくれやすな。)
( サムライと忍者? どこ行ったら、エエねん。)
ない脳みそを振り絞る。
その脳味噌のお告げは
「・・・二条陣屋じゃ~。」
ほんまかいな。ドライバーさんに聞いてみたら、
改装工事中で、見ることが出来ない
という。まあ、とりあえず、二条城へ、
出発ーっダッシュ(走り出す様)
※※※※※※※※※※
念のため、京都市観光協会に問い合わせたところ、
確かに、9月まで、工事のため、入場不可とのこと。
山田 : Looks like there's no choice but
go to Iga-Ueno or Koka-ninja village.
( 伊賀か甲賀の忍者村まで、
行かなあかんかもよ。)
お客
さま : How far ?
(遠いんでっか?)
ドライバーさんに、甲賀忍者屋敷は、
ここから距離がどのくらいか聞いてみた。
ドライ
バーさん : え?そら、遠いでっせ。
高速で、1時間半ですわ。
けどな、悪いけど、行けませんで。
きょうの、このタクシー契約は
市内観光の料金でっさかい。
山田 : それを行くのが、
桃山タクシーじゃないですか。
ドライ
バーさん : あ、あんた何ちゅーこと、言いますのや。
山田 ; まあ、心配いりません。
きょうは、市内観光だけにしときます。
ヾ(@^▽^@)ノ
本日の観光コースは、お客様の、
「日本刀と甲冑を見たい」
というご要望にこたえるため、
ない脳みそで、
考えを打ち出した結果、下記のとおりに決定。
【 二条城~金閣寺~
京都ハンディクラフトセンター、東寺】
つまり、日本刀も甲冑も、
おみやげ品を見てねー、というわけ。
【二条城】
何と、まだ、唐門は修復中。
( さっさと、修復せんか!
サボるな!・・オレと一緒や。)
山田 : Look at the carriage
porch in front of us.
There are beautiful sculptures.
( 正面、車寄せなんですけど、
彫刻がありますねん。)
お客さま : Umm, good,
(ああ、いいね。)
この彫刻と同じような彫刻が、
唐門に施されている、
と言おうとしたのだが、止めた。
見ることができない門のことを
説明しても、仕方がない。
※※※※※※※※※※※※※
あ、しまった。靴の脱ぎ方を
説明していなかったので、
お客さま、土足で、板の上を歩いて
いたところを、係員に叱られた。
山田 : I'm sorry.
(すんません。)
日本人の係員に英語であやまるアホなガイド。
※※※※※※※※※※※※※※※
二の丸御殿の中。 廊下がうぐいす張りなので、
キュッキュと音が鳴ります。
これが何と、楽しいらしく、しばらく、
わざと、キュッキュと鳴らして、お戯れ。
お客さま : This is what you call
the nightingale hallway, isn't it ?
(これがうぐいす張りっちゅー廊下か。)
山田 : Exactly !
(はーい。)
※※※※※※※※※※※※※※※※
庭に出ました。
山田 : Let's look at the back of the hall way
from under how it looks like
so that you'd know the devices that
make squeaking noise !
( ちょっと、床の下を覗いてみましょう。
どうなっているのか。)
見ると、二股の釘が、打ち付けられています。
一応、これが、うぐいす張りの音の
正体だということになっていますが、
真相は定かではありません。
そもそも、単に、建物が古くなったので、
廊下がきしみだしただけのことだとも
言われています。
私めも、先輩から、
そのように聞いております。
あはは。なのに、お客さまとおつきあいして、
不思議がるこの私は、何者だ!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
本丸へは、行きませんでした。
山田 : Thunder destroyed the main building
called Tenshu or the donjon.
So you wouldn't look at anything but
some wooden ordinary residences.
( 落雷で天守が焼失したので、
何にも見られません。普通の家しか。)
お客
さま: Alright then,
we'll believe you !
Let's skip it !
(じゃ、あんたを信じて、パスしましょ!)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
清流園で、ドライバーさんに、連絡。
本日は、駐車場料節約のため、車は別の場所で
待機しています。
あと、もう一回、休憩所を出るときに、
電話を入れます。これで、600円の節約。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【上七軒】
金閣寺への途中、西陣から、西へ進みます。
山田 : Do you happen to know
the Nishijin weaving ?
(もしかして、西陣織り知ってはります?)
お客
様 : Oh,yes.Nishijin textile !
(ああ、西陣織りね。)
山田 : The textile industry was once a
main business around here.
(西陣織りが栄えた場所なんですがね。)
Look at that building !
(あ、このビル!)
You can see how the
Nishijin textile is
processed and weaved to Kimono
by demonstrators in this building.
(このビルで、西陣織りの制作過程を
見ることができますよ。)
お客
さま : Uh...
(さよか。)
ヾ(@^▽^@)ノ
興味なさそうでした。
それより、
舞姑さんのお話を聞いてこられました。
ちょうど、五花街のひとつ、
上七軒にさしかかるころでした。
ドライバーさんが、気を利かせて、
その花街の路地を通り抜けて下さいました。
上七軒のお茶屋には、その印として、
お団子のデザインのついた提灯を軒先に
掲げています。
秀吉が、お茶会にとき、
立ち寄って、
食べた団子が、とても、気に入って、
舞姑の呼べるお茶屋を許可したということから、
そういうデザインになっています。
山田 : The lantern suggests that the house is
the ochaya where you enjoy
wine and dine with
maiko and geiko sided.
(提灯のある家がお茶屋でっせ。
芸妓あそびするところですわ。)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【金閣寺】
山田 : Here we are at the Kinkakuji.
Let's get off the car and go !
(ああ、着きました。行こ 行こ !)
山門の前。
右手にどでかんと、大きな石。そこに、
「世界遺産」
と刻まれています。
山田 : The temple was registered as
the world cultural heritage in 1994.
(世界遺産になりましてん、1994年に。)
お客様、お写真。
写しましょう、と言ったら、
「No, that's not necessary.
We're already too old 」
(年寄り写しても、しゃあないし、ええよ。)
さあ、お年は、いくつぐらいの方でしょう。
一見、60歳前後で、まだお若い
ようでしたが・・・。
山田 : Go ahead please !
(どうぞ!)
お客さま : Oh, great !
(わっ、すご !)
金箔は昭和62年の改修工事で、
7億4000万円かかっています。
長らく英語から遠ざかっているので、
7億・・・が言えない。
とっさに、手のひらに0000、・・・
1万。0000・・1億。7を書いて、
7、0000、0000・・変換・・・
700、000、000・・・
山田 : Seven hundred and
forty million・・(ホッとする山田)・・
yen was used for the recent repair.
( 近年、7億4000万円
かけて工事がなされました。)
あ、しまった。いらっしゃいませーん。
お客様はあちらで、お写真。
聞いていてくださったのは、別の外国の方。
別の方 : Waoo gorgeous !
(すんごいのネ!)
※※※※※※※※※※※※
【換金】
金閣寺をあとにします。
さて、お客様、換金をしたいと仰せです。
大旨、この手の換金は、
京都駅の中央郵便局か、
烏丸四条のシティバンクが無難。
たとえ、三井住友であっても、
換金不可となるのが、海外のカードです。
烏丸四条のシティバンクへ。
ここで、雨がパラついてきました。
(あらー、雨だ。 下雨了。 )
お客様、無事、換金完了。
現在時刻、午後3時55分。
東寺は、午後4時30分に閉門。
ということは、万一、交通渋滞に
巻き込まれると、
見学不可となるおそれがあります。
ドライ
バーさん : どうします?
高台寺の八坂の塔に変更しましょうか?
山田 : 雨だしねえ。
車で、乗り入れは難しいでしょ?
ドライ
バーさん : そうですね。時間によっては、
乗り入れができるんですが、
今の時間帯ですと、
東山通りから歩いて頂くことになります。
ヾ(@^▽^@)ノ
そういうわけで、35分で、
東寺に到着する、という賭に出た。
そして、無事。15分で到着。
【東寺】
山田 : Let's go !
(行くでぇ!)
さっそく、五重の塔まで、まっしぐら。
山田 : As we saw at Kyoto Handicraft Center
the book of five rings
by Miyamoto Musashi, the five are
equivalent to those five stories.
( 京都ハンディクラフトセンターに
あった宮本武蔵の五輪の書は
この五層と一致しています。)
お客様 : Oh !
(へえ。)
山田 : The five stories are looked as earth,
water, fire, wind and
emptiness, respectively.
(五層は、それぞれ、土、水、
火、風、空を表しています。)
高さ、55mで、日本一高い五重の塔だ
といったら、「ノー」、という。
聞けば、どこやらにある塔は、
標高の高い山中に立っていて、
それが日本一だという。好きにして~。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ホテルに戻る途中、「明日は是非、
忍者屋敷を見たいと言います。
ドライバーさんに、伊賀の忍者村と
甲賀の忍者村とでは、どちらが
いいか、聞いてみた。
答は、甲賀。なぜなら、彦根城を追加すると、
忍者屋敷と武家屋敷
という要望にこたえることになるから。
な~るほど。でも、OKの返事がありません。
きょうと同じ料金じゃ、だめのようです。
タクシーの貸切料金は観光バスと違って、市内観光用のもの。
市外走行の場合、原則として、
メーター走行することになっています。
「そんなこと言わず、たのんますがな。
そんなん、いいなや。たのみますわ。・・。」
距離が300kmを超えるというので、
交渉勝負は決着がつきませんでした。
でも、明日のお迎えは、
午前10時に決定しました。
さあ、山田、どうする?
山田の宿題 : 今夜中に、
行ってくれるタクシーを探すこと。
※※※※※※※※※ 山田錦
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