徴用工への賠償は国内問題に 対応迫られる韓国政府
12/20(木) 23:06配信
産経新聞
【ソウル=名村隆寛】
戦時中に日本企業に徴用されたと主張する韓国人と遺族が、韓国政府に補償金の支払いを求めた提訴は、1965年の日韓請求権協定で日本政府から3億ドルの無償資金を受け取った韓国政府に補償責任があると主張している。
日韓間での請求権問題は同協定で解決済みだ。
韓国政府を訴えるのは自由で、個人への補償は韓国政府がすべきことである。
韓国政府は過去、申請した一部の者に「慰労金」などとし金を支払ってもいる。
韓国最高裁は10月30日、請求権協定で元徴用工らの個人請求権は消滅していないとし、日本企業に賠償を命じた。
日本政府は「日韓関係の法的基盤を根本から覆す」と韓国に適正な措置を求めている。
しかし、以後、同様の最高裁判決2件でも日本企業は敗訴した。
今回、提訴を進めた「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」は日韓関係悪化にも触れ「韓国政府が請求権協定に対し必要な対策を発表するときが来た」とし、
韓国政府に日韓合意への過程の明示を求めている。
同遺族会によれば、今回の原告団に日本企業を相手取った訴訟の原告は含まれないが、韓国政府に対する訴訟に加わる意向を示す者もいるという。
遺族会は日本企業を相手取った訴訟も支援している。
つまり、補償が第一で、線引きはあいまいなのだ。
徴用工判決が外交問題化する一方、韓国では国内問題化している。
当然の事態に文在寅(ムン・ジェイン)政権は対応を迫られている。