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韓国経済、減速鮮明に 半導体にも陰り

2018-12-29 16:40:41 | 日記
韓国経済、減速鮮明に 半導体にも陰り

「文ノミクス」内憂外患 主要産業総崩れの様相

朝鮮半島 2018/12/28 20:07日本経済新聞 電子版

【ソウル=鈴木壮太郎】

韓国経済の減速が鮮明だ。好調だった半導体産業が失速しつつあり、自動車など他の主要産業も2019年にかけて低迷が続く懸念が強い。

外需に陰りがみえるなか、国内では文在寅(ムン・ジェイン)大統領が進める分配重視政策の副作用が目立つ。

内憂外患の「文ノミクス」の軌道修正を求める声が韓国世論で強まっている。

韓国統計庁が28日発表した11月の産業活動動向では、鉱工業生産が前月比1.7%減と2カ月ぶりにマイナスに転じた。

主力の半導体は同5.2%減だった。半導体の生産は5月にマイナスに転じて以来、低迷が続く。

設備投資も半導体向けの落ち込みが響き、前年同月比で10%減少した。

半導体の変調は、主力のメモリー需要をけん引してきたデータセンター投資の鈍化が主因だ。好不調を繰り返す「シリコンサイクル」が消え、需要が伸び続ける「スーパーサイクル」に入ったとの楽観論は後退。

好業績を謳歌してきたサムスン電子とSKハイニックスは10~12月期に減益に転じるとの見方が強い。


半導体以外の見通しも暗い。シンクタンクの現代経済研究院によると、主要産業の景況は19年に軒並み悪化する見込みだ。

文政権が5月に発足した17年には、鉄鋼や自動車の景況は「回復期」にあったが、19年は「沈滞」に逆戻りする。

18年には好況だった「情報通信」(電機産業)も、19年は後退局面に入る。景況が上向くのは受注が底入れする造船ぐらいだ。

半導体と並ぶ主力産業の自動車は国際競争力の低下が著しい。

最大手の現代自動車は7~9月期の連結営業利益が前年同期比で8割近く減り、過去最低水準となった。

寡占状態の韓国内で稼いだ利益を海外市場の開拓に注ぎ込むという戦略は、主戦場の中国市場で現地メーカーが台頭し、通用しなくなっている。

国内も労使対立で生産コスト上昇に直面する。

文政権が「所得主導の成長」路線の看板政策として18年1月に実施した最低賃金の大幅引き上げも、景気を冷え込ませた要因だ。

所得増を消費につなげて景気を浮揚させる狙いだったが、最低賃金の引き上げが前年比16.4%と大きすぎたため、

コンビニや飲食店など零細自営業者の経営を圧迫。人件費抑制のための人員削減が広がり、狙いとは裏腹に雇用や消費の悪化を招いた。

韓国政府は17日、18年の成長率見通しを従来の2.9%から2.6~2.7%に下方修正し、19年も横ばいと予想した。

現代経済研究院は19年の成長率を2.5%と厳しく予想、「景気は下降局面」と判断する。SK証券の金孝津(キム・ヒョジン)資産戦略チーム長も「来年はより厳しい状況になる」と予測する。

内憂外患を映して韓国の総合株価指数(KOSPI)は年初の2500超から下落傾向が続く。

新韓金融投資のアナリストは19年には現在2000強のKOSPIが1850まで下げる可能性があると予想する。

5月の文政権の発足以降、株価が右肩上がりとなった17年からは様変わりだ。

世論の目は厳しい。毎日経済新聞の26日付の世論調査では経済政策への否定的評価が66%に上った。

「文ノミクス」への逆風にもかかわらず、政権は規制緩和や最低賃金の引き上げペースの修正に言及はするものの「所得主導の成長」にはこだわる構えだ。

産業活性化や最低賃金引き上げ凍結など成長重視への転換を求める経済界との溝は広がっている。

韓国ギャラップの21日の世論調査では文政権の不支持率は46%と初めて支持(45%)を上回った。

景気の立て直しへの道が見えないなか、苦しい政権運営が続きそうだ。

韓国、「文政権死に体」不支持51.6%と過半超え「国政遂行能力?」

2018-12-29 14:46:20 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


2018-12-29 05:00:00

韓国、「文政権死に体」不支持51.6%と過半超え「国政遂行能力?」

奢れる者久しからずとは、平家物語の一節だ。韓国政界もこれを地でいっている。

昨年5月、朴槿惠政権の不名誉な弾劾の後を受け、文在寅大統領は颯爽と登場した。

国民の和解を訴えて、「国民のための政治」を宣言した。

就任直後から高い支持率を得たが、やったことは3点ある。

「積弊(保守党政権)の一掃」、

「大幅な最低賃金引き上げ」、

「反日政策の総仕上げ」である。

いずれも、破滅的な結果をもたらした。



1.「積弊(保守党政権)の一掃」は、国内の政治的な対立激化をもたらしている。


2.「大幅な最低賃金引き上げ」は、失業率を高めて国内経済を不況に追い込んでいる。


3.「反日政策の総仕上げ」は、日韓関係を根本から破壊し修復不可能な状態に陥れた。




これまで、支持率を押し上げていた南北融和ムードは、韓国が北朝鮮の金正恩氏に利用されただけというムードが強まり、逆に支持率を下げる要員になっている。


今や、世論調査での不支持率が、支持率を7ポイントも上回るほどの不人気政権である。

与党「共に民主党」も支持率が下落し、「限界線」に接近している。


『中央日報』(12月28日付)は、「50%超えた文大統領への否定的評価、国政動力の低下も」と題する記事を掲載した。

(1)

「世論調査機関リアルメーターは、27日、最新の世論調査結果を発表した。

支持率は43.8%(前週比-3.3ポイント)

不支持率は51.6%。(前週比+5.5ポイン)

リアルメーターの調査で、否定的な評価が肯定的な評価を上回ったのは、政権発足後初めて。

肯定的な評価と否定的な評価の差が、誤差範囲外(7.8%)に広がった」


大統領選における文氏の得票率は41%である。

世論調査の支持率は43.8%だ。この調子で支持率が下落すれば、来年最初の調査で41%のラインを割り込みそうだ。

不支持率が過半を超えており、若者や自営業者の支持率低下が大きく影響している。いずれも、最賃大幅引上げの犠牲になっている人たちだ。

(2)

「与党は大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%とみている。

今回の調査で民主党の支持率は1.7ポイント下落した36.3%と、臨界点に近づいている。

民主党関係者は「いわゆる『コンクリート支持率』が崩れる場合、国政運営動力の確保に支障が生じるとみている」と懸念を表した」


与党は、大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%に引いている。

今回の調査で与党は36.3%であり、首が皮一つでつながっている状況である。ここまで支持率の落勢が強まると、与党も新年早々の調査で、想定下限線を割り込むであろう。

政権に就いた直後の「共に民主党」は、積弊一掃で保守党を徹底的に潰す戦略に出た。

前政権に関係した人々を告発して逮捕させ、刑務所に送った。そのやり口は、北朝鮮並の「粛清」である。

無実であることの証として、死を以て抗議する自殺者が5名も出ている。

残酷な仕打ちをしたものだ。次の大統領選で保守党が勝てば、今度は「共に民主党」が被告席に立たされる。

因果応報とは言うが、韓国政治の前近代性を物語っている。


(3)

「政界は支持率自体より『速度』が尋常でないと見ている。

9月末に65.3%だったが、大きな悪材料なく3カ月間で20ポイント以上も下落したのは異例という分析だ。

カ・サンジュ檀国大政治学教授は、『景気に敏感な自営業者と非正規職労働者の離脱が目立つ』と語った」


これほど無策の政権も珍しい。多くの学者を政権幹部に登用した。口は達者でも実務能力はゼロ。

学会の論文発表のような「最賃大幅引上げ論」を発表し、得意満面であった。

多くの論理的な反対を受けたが、一切無視し強行した。

その結果が、現在の破綻に瀕する韓国経済である。

もはや、どうにもならない所まで突っ込んでしまった。国内で暴動が起っても不思議でない。それほど矛楯に満ちた政権なのだ。