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【スペイン北朝鮮大使館襲撃】

2019-04-11 22:01:53 | 日記

       北朝鮮、「自由朝鮮」が臨時政府樹立を宣言…金正恩体制崩壊を狙いテロ活動、米国も関与か


犯行声明出した「自由朝鮮」リーダーはエール大卒エリート。

2019-04-11 21:48:31 | 日記

【スペイン北朝鮮大使館襲撃】

犯行声明出した「自由朝鮮」リーダーはエール大卒エリート。

狙いは何か

 

「われわれは行動により北朝鮮内の革命同志とともに金正恩政権を根元から揺さぶるだろう」

「われわれは金氏一家の世襲を断つ信念で結集した国内外の組織だ」

2月末にハノイで開かれた米朝首脳会談のわずか5日前に発生した、スペイン・マドリードの北朝鮮大使館襲撃事件。

この白昼堂々の、映画さながらの事件への関与を認めた「自由朝鮮」という組織は3月28日、自らのホームページ上でこう強い決意を述べた。

金正男の長男を保護

 

2月27、28両日に開かれた米朝首脳会談のわずか5日前に、スペイン・マドリードで北朝鮮大使館襲撃事件が発生した。

REUTERS/Leah Millis

その言葉通り、北朝鮮の金正恩政権の打倒を掲げるこの謎の組織は、活動を活発化させている。

2017年2月にマレーシアで殺害された金正男氏の息子・ハンソル氏の救出保護から始まり、

最近では北朝鮮の駐イタリア大使代理の失踪や、

マレーシアの北朝鮮大使館外壁にハングルで書かれた「金正恩打倒」「自由朝鮮」という落書きへの関与も取りざたされている。

何者かが金日成主席と金正日総書記の肖像画を壁から取り外し、床に投げ付ける動画なども3月中に公開した。

「自由朝鮮」とは、いったいどんな組織で、リーダーは何者なのか。

その問いに向き合う前に、スペインの高等裁判所が3月26日に正式に公表した北朝鮮大使館襲撃事件の捜査状況をみておきたい。

犯罪の捜査権限を持つ高等裁判所の予審判事が公表した資料によると、襲撃は2月22日午後4時34分、マドリード北西部アラバカ地域の閑静な住宅街にある北朝鮮大使館で起きた。

犯行グループの主犯格であるエイドリアン・ホン・チャン氏(以下、ホン氏)が企業家に扮し、大使館代理大使のユン・ソクソ氏への面会に来た。

ホン氏はアラブ首長国連邦(UAE)とカナダにオフィスを構え、北朝鮮への投資に興味を示す企業家として、その2週間前にユン氏と会っていた。

ホン氏がドアベルを鳴らし、ユン氏の到着を待っている間に外にいた他の犯行集団9人が大使館に侵入。

集団はナイフやマチェーテ(山刀)、鉄の棒、模造銃を所持し、大使館職員らに暴行を加えて動けないようにするため、手錠や結束バンドで手足を縛った。

犯行グループは大使館員に対し、自らを「北朝鮮解放のための人権団体や人権運動のメンバー」と名乗った。

FBIに奪った資料を提出

エイドリアン・ホン

「自由朝鮮」の代表、エイドリアン・ホン・チャン氏。

出典:「朝鮮インスティチュート」ホームページ

裁判所の資料によると、ユン氏は「殴られ、洗面所に力ずくで連れていかれた」という。

抵抗するユン氏に、犯行グループは手錠に加え、頭に袋を被せ、首には銃器を当てた。

だが、ここで予期せぬことが起きた。ロッカールームに隠れていた別の大使館職員の妻が1階の窓から脱出したのだ。

助けを求める彼女を見た通行人が警察に通報。

地元警察が騒ぎを聞きつけて駆け付けると、金正恩氏のバッジを付けたホン氏が外交官になりすまして応対。

「何も問題は起きていない。通常通りだ」と述べたという。

スペインの全国紙エルパイスなど現地メディアは当初、その騒ぎ発覚後すぐに逃走したと報じていた。

しかし、裁判所の資料では、同22日午後9時40分ごろ、犯行グループ10人のうち8人は、大使館の車3台を奪って逃走したという。

ホン氏と残りの1人は配車アプリ「ウーバー」で予約したレンタカーを使って逃走したが、その際、ホン氏は何と「オズワルド・トランプ」との名前で事前登録していた。

10人は大使館からコンピューター2台やハードディスク・ドライブ2個、ペンドライブ数個、携帯電話1台を奪った後、4つのグループに分かれてスペインから脱出し、ポルトガルの首都リスボンに向かった。

主犯格のホン氏はリスボンから飛行機に乗り、翌2月23日に米ニュージャージー州のニューアーク国際空港に到着。

その4日後の2月27日に米連邦捜査局(FBI)と接触し、事件の情報提供に加え、大使館で得たとされるオーディオ(視聴覚)資料を差し出したという。

これに対し、北朝鮮は3月31日、FBIが関与していたとの「うわさ」を注視していると述べている。

スペインの予審判事はホン氏と韓国系アメリカ国籍のサム・リュウ氏の2人に対して国際逮捕状を出した。不法監禁、強盗、脅迫、窃盗など6つの罪を問うている。

声明では襲撃の正当性を主張

 

金正男氏はマレーシア・クアラルンプール空港で殺害された。

GettyImages

今回の犯行グループの目的として主に4つが考えられる。

1つ目として、スペインの捜査当局が指摘していることだが、

2月末の米朝首脳会談に向け、2019年になってアメリカとの実務協議担当者として登場した、

キム・ヒョクチョル氏に関する情報を得るためだ。キム氏は2017年9月までスペイン大使を務めていた。

しかし、北朝鮮によるたび重なる弾道ミサイルの発射や核実験に対し、国際世論の批判や反発が強まる中、スペイン外務省は当時のキム大使を国外退去処分とした。

2つ目の目的としては、裁判所の資料によると、今回の犯行グループの主な目的はユン氏を説得し、亡命させることだったという。

しかし、ユン氏が説得に応じなかったため、暴行に及んだとみられる。

エルパイス紙の報道によると、スペイン警察は事件後、大使館のそばでホン氏が偽名を使って作ったイタリアの免許証を発見した。

実は、北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア代理大使夫妻が2018年11月に大使館から姿を消して行方不明となっているが、亡命したとみられている。

スペイン捜査当局は、この事件にもホン氏が関与しているとみて、捜査を進めている。

「自由朝鮮」の前身として知られる亡命政府団体の「千里馬(チョンリマ)民防衛」は、2017年2月にマレーシアで金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された後、

正男氏の息子のハンソル氏とその母親、妹の3人をマカオから安全な場所に移動させたことで、一躍世界の耳目を集めた。

自由朝鮮は日本時間の3月27日朝、北朝鮮大使館襲撃事件への関与を認める声明の中で、

今回の事件は「攻撃(アタック)」ではなく、「大使館に招かれた」と述べて、正当性を訴えている(自由朝鮮の主張が本当であるならば、ユン氏が亡命を考えてホン氏を招いたものの、土壇場で寝返って固辞した可能性がある)。

その声明で、「北朝鮮の現政権によって営まれている世界中の大使館は、国民の利益と国際的な規範に尽くすという合法的な政府による伝統的な外交、商業、文化の拠点とは違う」と主張。

「北朝鮮の大使館が不法な麻薬取引や武器密売のハブのほか、グローバルなサイバー攻撃や窃盗、暗殺、誘拐の活動拠点になっている」と指摘している。


追い込まれた金正恩委員長…北朝鮮経済が揺れている

2019-04-11 21:30:11 | 日記

追い込まれた金正恩委員長…北朝鮮経済が揺れている

4/11(木) 16:43配信    

    

中央日報日本語版

毎年、北西から季節風が強く吹く12月-3月には北朝鮮の難破船が日本の海岸に押し流される。

日本海上保安庁によると、昨年、北朝鮮の漂流漁船は200件を超え、過去最多だった。

1年前(130件)に比べて70%増えた。

こうした悲劇は水産物の輸出が黄金の卵を産んだからだ。

北朝鮮の漁獲量は2011年の69万トンから2016年には100万トンに増え、うち90%が1億5000万ドルで中国に輸出された。

北朝鮮漁民は古い木造漁船に乗って大和堆漁場など遠海での「漁労戦闘」に向かう。
 

不思議なことに1月15日以降、北朝鮮の幽霊船舶に関する日本メディアの報道が途絶えた。

強い北西風にもかかわらず80日以上も難破船が流されてこないという。

専門家は2つの背景があるとみている。

まず、対北朝鮮制裁で水産物の販路が封鎖されたのだ。

輸出拠点だった琿春と丹東からは北朝鮮の海産物が消え、密輸されても安値で取引されるという。

選別作業がないうえ、鮮度など品質も落ちるからだ。

また石油の輸入が減り、漁船用燃油の供給も難しくなった。

対北朝鮮制裁が死の操業を遮断したのだ。
 

北朝鮮の金正恩キム・ジョンウン)国務委員長は2011年12月の執権後、成功をつかんできた。

核・ミサイル武力を完成させ、経済は「ゴルディロックス相場」を維持してきた。

李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵パク・クネ)保守政権は「北朝鮮経済は近いうちに崩壊する」という幻想の中で時間を送った。

しかし中国という変数を看過した。

むしろ無煙炭の対中輸出が急増し、北朝鮮は類例のない好況を迎えた。

1トン70ドル水準だった国際相場が2011年201ドル~2014年110ドルに上がるとプラス経済成長を繰り返した。

無煙炭値が90.9ドルに落ちた2015年に限り成長率が-1.1%と後退した。
 

北朝鮮経済構造は毎年、無煙炭輸出10億-13億ドル、衣類賃加工輸出7億ドル、海外派遣労働者10万人の賃金3億ドル、水産物輸出1億5000万ドルなどの大きな塊りで構成されている。

このように稼いだ外貨で石油、食糧、生活必需品を輸入してきた。

北朝鮮貿易には特異な点が見られる。

輸出する時は国際相場より安く売り、輸入する時は高く買う。

その差がキックバック(賄賂)だ。

売上高の7-10%のこうした差額が北朝鮮の党・軍部に流れて潤滑油の役割をする。

危機状況に向かう食料不足問題は北朝鮮内部の文書でも確認される。

最近、インドネシア駐在のアン・グァンイル北朝鮮大使(ASEAN大使兼任)が東南アジア地域の北朝鮮公館などに伝えた文書によると、昨年の北朝鮮の食糧収穫は495万1000トンだった。

これは2017年に比べて50万3000トン少ない。

アン大使はその原因に高温と干ばつ・洪水、対北朝鮮制裁を挙げた。

また「急いで他国から食料輸入措置を取るなどの努力をしているが、今年の不足量は148万6000トンにのぼる」と伝えた。

アン大使「現食糧状況の危険性を正確に理解し、時期性保障のために最善を尽くすべき」を呼びかけ「4月中に実現しなければいけない」と強調した。
 

米朝交渉の難航と経済問題、さらに北朝鮮体制の根幹を揺るがそうという動きまでが水面上に浮上し、金正恩委員長の悩みはさらに深まるしかない状況だ。

ハノイ米朝首脳会談の5日前の2月22日に発生した在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件の背後として知られる団体「自由朝鮮」が反金正恩の旗幟を掲げて本格的な活動を予告したのだ。

 

報復カードに手をかける日本政府…民間では「断交」まで議論

2019-04-11 20:51:06 | 日記

敵に油を提供する反逆政権は打倒せよ

 

2019年04月10日 00:00  
 

統一日報

 

 

 

 多国籍軍による海上遮断が海上封鎖へと変わりつつある。米国沿岸警備隊は、すでに昨年2月から北韓船舶全体(218隻)を監視、制裁対象とした。

 ところで、このような制裁措置にもかかわらず、平壌の油値が上がらない。

制裁措置が完全でないのだ。

一昨年も、韓半島周辺で約370万バレル(約45万トン)の精製油を密輸されたと思われる。

 この状況で、南北経済共同体を主張する文在寅政権が北韓への密輸行為に関連した疑惑が公開された。

 米国の声(VOA)は、北韓に精製油を供給した船舶に韓国船と韓国の港が関連していると報道した。

文在寅政権は、この反逆行為を隠蔽してきた。

 韓国人が関連したら、これは国内法違反で利敵行為だ。

政権がこれに直接間接的に関与したら、そういう反逆政権は、国民の打倒対象だ。

さて、この対北制裁違反行為にSK海運に関する疑惑と韓国の3つの銀行の関与が明らかになっている。

国連の対北制裁違反で韓国当局に抑留しているピ・パイオニア号を所有するダオン・ロジスティックスは、米財務省が公開した北に精製油を供給したルニス号も用船した会社だ。

ダオン・ロジスティクスはSK海運の子会社の「SK B&T」と協業関係だという。

この会社の共同代表は、2015年までに「SK B&T」の代表だった。

SK海運は18年10月の投資専門会社に売却されたが、今もSKが株式を16%保有する。

SKグループは財界で文政権と最も密着していると知られている。

 韓国当局は、制裁対象船舶に厳しい措置を取らず、海洋警察などは南北交流協力法や船舶の出入り運行違反で起訴するという。

写真:釜山に抑留中の韓国船籍のピ・パイアニア号

 

米に閉鎖体質打破される中国、予想される経常赤字は「経済大国」転落

2019-04-11 20:18:51 | 日記

勝又壽良
 

Sent: Monday, April 8, 2019 5:00 AM

米に閉鎖体質打破される中国、予想される経常赤字は「経済大国」転落

 

高齢化で経常赤字へ

GDPを粉飾の狙い

中国経済は空洞化へ

軍拡続けば第二ソ連

 米中通商協議は、大詰めを迎えています。

中国は、ほぼ米国の要求を受け入れざるを得ません。

USTR(米通商代表部)代表のライトハイザー氏は、中国がWTO(世界貿易機関)ルールに100%違反していると指摘しています。

このルール違反によって、中国経済はこれまで高い経済成長を遂げてきました。

ルール違反を糺されるとなれば、中国は輸出もこれまでほどの増加を望めません。

となれば、今後の中国経済はどのような姿を描くのでしょうか。

まず、概略だけを申し上げて、各論は後で展開します。

高齢化で経常赤字へ

貿易収支の黒字が減ることは避けられません。

中国は現在、世界最大の貿易黒字を出しています。

各国との比較可能な2017年時点で、中国は4195億ドル。2位はドイツの2813億ドルです。

今後、中国の貿易黒字は減少見込みゆえに、ドイツと接近します。

中国にとって困った問題は、貿易黒字の減少が経常黒字の減少に結びついている点です。

サービス収支や所得収支で、いずれも大赤字を出しているからです。この結果、貿易黒字の減少がストレートに経常黒字の減少、ないし経常赤字になります。

中国が、対外的に「大国」として振る舞えたのは、膨大な経常黒字によって海外への投資余力を持っていたからです。

「一帯一路」計画が登場した当時の経常黒字は、2360億ドル(2014年)、3041億ドル(2015年)と最盛期にありました。

これが、今年は経常赤字に転落する見込みです。「有為転変」の世とは申せ、中国の経常収支は大きく悪化します。

今年の経常赤字は、米中貿易戦争による影響と言うよりも昨年春頃からの予測でした。

趨勢的に貿易黒字の減少と、所得収支赤字やサービス収支赤字の拡大傾向から判断されたものでした。

経済的(ISバランスと言います)には、国内貯蓄の減少が経常黒字の圧縮や赤字の減少を招いたのです。

人口高齢化の影響がそのまま出てきました。

この事実は、きわめて重要です。

実は、「中国経済、恐るるに足らず」という状況に立ち至っているのです。

「張りぼて」と言っても良いでしょう。世界は、虚像に怯えたのです。

中国は、世界最大の人口を擁する国家です。

常識的には、人口構成が若々しいと誤解を受けますが、そうではありません。

「一人っ子政策」によって、総人口に占める生産年齢人口(15~59歳)比率を高め、経済成長を促進しました。

一方では、それが逆効果になって「合計特殊出生率」(一人の女性が生涯に生む子どもの数)を劇的に引き下げました。これが、中国経済の命取りになってきました。

 中国政府は、余りの急落に危機感を覚えて現在、発表を取り止めています。

2015年の合計特殊出生率「1.05」が公的に知りうる最後の数字です。

「一人っ子政策」は2015年に中止されました。

その後は、「二人」までの出産が自由になりました。

2016年は増えたものの、17年と18年は急落しました。

このことから、合計特殊出生率は「1」を割っていると推測されています。

韓国が昨年、「0.98」となって、史上最低と騒がれました。中国も同様の史上最低値に落込んだと見て間違いありません。

 私は、韓国の「人口危機」をしばしば取り上げて警鐘を打っています。

中国も、すでに「人口老成国」に成り下がりました。

このことは、中国が国際的な経済競争において、落伍したという意味です。

中国の経済的な存在を恐れる必要性はなくなったと言えます。

特に、今回の米中貿易戦争は、中国経済にとって決定的な意味を持っています。

習近平氏は、このことを完全に理解しているとは思えません。

「米国が殴ってくれば、中国も殴り返す」という程度の認識であるからです。

GDPを粉飾の狙い

中国の経済力は、もはや成長の限界に達し大きく屈折を始めています。

だが、GDPはそれを率直に表していません。GDPの粉飾問題が起っているのです。

米ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所は3月7日、中国経済は公式統計をGDP規模で約12%下回り、近年は実質成長率が毎年約2%ポイント水増しされてきたとする論文を発表しました。

中国の公式統計に対する根強い懐疑論を改めて裏付けた形です。

論文は、中国の景気減速は政府が認めた以上に深刻だとの懸念も示しました。

公式統計ベースでも、中国経済の2018年の成長率は6.6%と発表され、1990年以来最も低い水準です。

しかし、約2%ポイントの水増しとすれば、昨年の成長率は5%ラインを割って、4.6%に過ぎません。

ここで、ブルッキングス研究所の概略を説明しておきます。

あっちにもある、こっちにもあるというレベルのものではありません。

1927年に現在の体制となり、中道・リベラル派の研究拠点として世界的に著名な存在です。

 中国全体のGDPを推定したところ、2007~08年度までは、国家統計局の調整は妥当なものだったようです。

しかし、「地方政府によるGDPの過大申告が2008年以降、エスカレートしても、国家統計局は相応の下方修正を施していない」と研究報告は指摘しています。

これは地方官僚が大きな権力を持つため、国家統計局の職員が彼らと全面対決することを回避する意図があるからだと報告書はみているのです。以上は、『ロイター』(4月5日付け)が伝えました。

地方政府が、国家統計局職員を威嚇してまで偽データを提出したところに、中国全体の「国家主義=GDP万能主義」が表面化していった証拠とみられます。

2010年、日本をGDPで抜いて世界2位の座を占めました。

2009年以降は、GDPにゲタを履かせたのです。

この勢いに乗って、「世界覇権」獲得へとエスカレートしたのでしょう。愚かな話です。

習近平氏は、GDPを知りつつ、さらに不動産バブルでGDPを押し上げる作戦を立てたのです。

結局、これが墓穴を掘ってしまったのです。

「一人っ子政策」廃止の議論は、2010年以前に出ていました。

この廃止の時期を誤り2015年まで延ばしてしまい、合計特殊出生率回復のチャンスを失ったと言えましょう。

GDP統計のカラクリと、不動産バブルに依存した経済政策に傾斜していく時期が、妙に一致するのです。

その裏で、習近平氏が国家主席2期10年の任期制を外させる。

余りにも符節が合いすぎています。GDP?統計は、習近平氏の国家主席の任期延長の材料に利用されたと見られるのです。

中国経済は空洞化へ

中国経済は、GDP?統計に象徴されるように空洞化が進行しています。ここまで書いて来たことを要約して、確認したいと思います。

第一は、合計特殊出生率の急低下によって、今後の生産年齢人口比率の急低下が見込まれることです。

人口高齢化がいやが上にも促進されます。

この結果、中国政府系シンクタンク、中国社会科学院は2027年に人口減に転ずると予測しています。

既にピークを過ぎたとの分析もあります。

働き盛りの年代は減り始め、習近平指導部は景気低迷に加え人口減少の難題に直面しています。

 第二は、人口高齢化が貯蓄率の低下をもたらします。

年金受給世帯の増加は、必然的に貯蓄率を引下げます。

これが、国際収支の経常収支面にマイナス効果として表れます。

次に、中国と日本の対GDP比の経常収支黒字率を上げます。

 対GDP比の経常収支黒字率

       中国    日本

2013年 1.54%  0.89%

  14年 2.24%  0.76%

  15年 2.71%  3.10%

  16年 1.80%  3.94%

  17年 1.37%  4.03%

  18年 0.73%  3.62%  (IMF予測)

 中国が、日本と比べて劣勢にあることは明白です。

中国が、一帯一路で日本の経常黒字を狙って「ニーハオ」と笑顔浮かべて接近してきた理由はすべてここにあります。

中国経済は、日本へ急速に接近することなしに、生存できないと言っても過言ではないでしょう。

これもすべて、人口政策の失敗がもたらした面が大きいのです。

以上のように、中国経済は空洞化が進んでいます。

それでも、「人口世界一」という誤ったイメージで、安全保障上の危険対象国と見られています。それには、経済実態を無視した軍拡が理由です。

 軍拡続けば第二ソ連

米国のペンス副大統領は4月3日、インド太平洋地域における中国の台頭でもたらされる安全保障上の課題に注意を払うよう、北大西洋条約機構(NATO)に呼び掛けました。

ペンス氏は、ワシントンで開かれたシンクタンク主催のNATO創設70周年記念フォーラムで演説し、同地域の平和と安定を維持するために、NATOが米国に協力するよう期待すると述べたものです。

 ペンス副大統領は講演で、NATOが向こう数十年で直面する最大の課題は中国の台頭だと語りました。

 また、NATO加盟国は、南シナ海とインド太平洋地域における最近の「航行の自由作戦」に対して、フランスとイギリスが加わったことに感謝を示した。

副大統領は、「私たちは協働することで、自由で開かれたインド太平洋を維持できる。

各国の利益追求には、隣国への尊敬と公平があり、それぞれ社会、信条、伝統を並列して繁栄できる。

人々が神から与えられた自由を行使し、夢を追い求めることができる」と主張しました。

以上は、『大紀元』4月6日付けが伝えたものです。

ペンス副大統領の演説は、中国が世界の普遍的価値観に挑戦する無法国家という位置づけです。

確かに、そういう面がきわめて強く警戒すべき国家です。

しかし、すでに私が指摘したように経済基盤は脆弱です。

自由主義国家が中国を平和的に経済封鎖するならば、容易に瓦解する経済です。

米国が、TPP(環太平洋経済連携協定)へ復帰すれば、中国は米国市場から切り離されて生存できなくなる運命なのです。

米中貿易戦争だけで、国内は恐怖感に満ちあふれています。

その中国が、片意地張って軍拡に励んでいます。

経済実態は、GDPで粉飾せざるを得ないほど弱体化しているのです。

軍拡に耐えられない時期が必ず来るでしょう。

第二の「ソ連」と同じ運命が待っているように思えるのです。