勝又壽良
Sent: Thursday, April 25, 2019 5:00 AM
「日韓断交」を待つ強かな文在寅、反日煽って選挙で勝利が目標
日韓は友好関係でない
日韓断交を待つ文政権
GDPの急減速は必至
長い目で韓国衰退待つ
韓国の文在寅大統領は、山積する日韓問題解決に動き出そうとしません。
じっと無関心を装っています。
韓国大法院(最高裁)の旧徴用工への賠償問題は、日韓基本条約で解決済み。
日本が、さらなる賠償責任を負うのは筋違いです。
文氏は、司法の判断であるので、韓国政府がタッチすべきでないという形式論を振りかざすだけです。
この問題は、過去にも韓国の裁判所で取り上げられ、韓国政府に賠償金支払いを命じています。
こういう経緯から言っても、韓国政府に支払い責任があります。日本は日韓基本条約締結の際、「経済協力金」で支払っているのです。
文氏は、韓国大法院の判決ですべての責任は日本企業にあるとしています。
弁護士出身の文氏が言う言葉ではありません。国際法をどのように理解しているのか。
文氏の法律知識が、試されてもいるのです。
日韓は、こうした旧徴用工賠償金問題を筆頭に多くの問題を抱えています。日韓慰安婦問題の実質的破棄、海上自衛隊哨戒機をめぐる問題などいずれも未解決のままです。
日韓は友好関係でない
日韓は、米国を介して友好国の関係にあります。
だが、韓国は日本をもはや友好国扱いしないという事態が持ち上がっています。
韓国国防部が、海上自衛隊哨戒機に対して「敵機」同様の警報を出すと通告しました。
日章旗を付けた海上自衛隊哨戒機へ、レーザー光線を投射して警告するというのです。
ことの経緯は、次の通りです。
昨年12月20日、日本海で海上自衛隊哨戒機に対して韓国駆逐艦が、何の予告もなく追跡レーダー照射した問題が発端となりました。
韓国側はこの事実を頑強に否定し、逆に日本側が韓国艦艇を低空で威嚇したとして、非難の矛先を日本に向け双方が非難の応酬となりました。
日本側は低空による威嚇飛行はしていない。国際法に則った飛行であると指摘、過去にも他国から非難されたことはないと主張しました。
だが、韓国は証拠なるものを提示して日本を批判しました。
この韓国側の証拠なる映像は、日本の公開した映像をねつ造して、あたかも証拠のように見せかけたもので批判を呼びました。
ところが最近、新たに判明した事実があります。韓国紙『ハンギョレ』(4月22日付け)が報じたものです。
国防部関係者は、「1月23日、駐韓日本大使館武官を呼び、日本の哨戒機が再び近接飛行で韓国の艦艇を脅かした場合、追跡レーダーを稼動する前に警告通信をすると警告した」と明らかにしました。
どこまでが近接飛行に該当するかは説明しなかったのですが、日本の哨戒機が韓国の艦艇から3海里(約5.5キロメートル)以内に接近すれば警告通信をするとのことです。
日本は、友好国に向けた韓国の火気管制レーダー稼動は、国際慣例にも反するとして撤回を要求しました。
韓国国防部は、主張を譲らなかったと伝えられています。
日韓はこの事実から、国防関係で友好国関係でなくなったことが分かります。
日章旗をつけた海上自衛隊哨戒機でも火器管制レーダーを浴びせられる事態は異常と言うべきでしょう。
韓国政府がここまで日本に対して「敵対的行為」に出てきた結果、日本側は今後、どのような対応をするのでしょうか。
日本政府が4月23日に発表した今年の『外交青書』では、次のように指摘しました。
日韓関係が「韓国側の否定的動きが相次ぎ、非常に厳しい状況に直面している」と主張しました。その具体的な事例として、次の4点を上げています。
1)韓国最高裁(大法院)の旧徴用賠償判決
2)和解・癒やし財団(日韓慰安婦問題)の解散発表
3)海上自衛艦の旭日旗掲揚問題
4)海上自衛隊哨戒機の低空飛行問題
日韓断交を待つ文政権
この4つの問題を上げただけで、日韓関係が冷却化していることは疑いもありません。
ここで、1)の旧徴用工賠償で韓国側が日本企業の在韓資産を差し押さえる事態になった時、何が起るのかです。
まさに、「パンドラの箱」を開ける事態となります。
日本政府はこれまで、韓国政府に話合いを申入れてきましたが、応じていません。
話合いもせずに、強硬手段に出た場合、日本は「断交」という最悪手段をとる可能性も取り沙汰されています。
実は、文政権はそれを待っている節があります。
韓国国内を「反日」一色に染めてしまい、国内失政による文政権批判をかわす。
来年の総選挙で与党勝利に導き、次期大統領選でも現政権の継承を実現する構想です。
これにより、南北統一に向けた「一国二制度」に持ち込むという青写真です。
文政権は、南北統一を最大の政治目標に掲げています。
韓国大統領府は、これを実現すべき布陣となっています。
「86世代」という特殊グループで固めているのです。1960年代生まれ、1980年代に学生時代を送った学生運動家上がりを、秘書官として大量に採用しています。
大統領府秘書官の60%以上が「86世代」で占めています。
これら人々は、これまで在野で行政の未経験者です。
その未経験者が、政治を司っているところに最大の危険性があるのです。日本では考えられない人事で、「アマチュア政治」と批判を受けているのです。
韓国大統領府のスタッフは500人体制で、米国のホワイトハウスに比べて100人以上多く、また秘書室の予算は現政権ではじめて900億ウォン(約89億円)を上回っています。
在野の人たちを救済している感じです。
GDPの急減速は必至
こうした「アマチュア政治」が跋扈しているので、すでに経済政策は破綻しています。
韓国の財政法では、補正予算編成に厳しい枠をはめています。
それにも関わらず、文政権就任後、満2年にもならない間に3回もの補正予算を組み、景気の下支えを行なう羽目に陥っています。
これで分るように、経済問題が最大の鬼門になっています。元凶は、最低賃金の大幅引上げです。もはや言及する必要もない問題です。
実は、きょう(4月25日)は、1~3月期のGDP速報値の発表があります。
前期比の伸び率は0.3%、年率換算で1.21%との予想も出ています。
半導体価格が半分になり、設備投資もマイナスであるうえ、昨年10~12月期が前期比で1%と高かった反動が見込まれています。
この予想に近い低い成長率になれば、国内からは不満の声が殺到するでしょう。文政権は、なんと弁解するのか。そちらに興味が湧きます。
文政権は、景気減速の元凶が最低賃金の大幅引上げにある以上、この問題に手を付けるでしょうか。
その望みはありません。
文政権の最大支持基盤は、大企業労組と市民団体です。
大企業労組には最賃大幅引上を、市民団体には脱原発で報いています。
一種の「契約関係」ですから、最賃も脱原発も撤回しないでしょう。
こうして韓国経済は、キリモミ状態に陥っています。
GDPが落込めば、財政出動でカバーする積もりです。
文政権の最大の政治目標は、南北統一への準備です。
それには、労組と市民団体の支持を取り付けねばなりません。
「反日」という起爆剤が不可欠なのです。
日本と対立すればするほど、文政権は安泰で次期政権も与党候補が大統領になれると踏んでいます。
韓国は、日韓関係が悪化すれば、経済的に行き詰まる恐れが強まります。
経済界は、日韓和解へ動き出そうというとしています。
日韓両国は、互いに3大貿易相手国の一つです。
しかし、日韓貿易では日本が圧倒的に黒字を計上し、韓国が赤字になっています。
韓国は、日本から部品や素材を輸入し、それを加工して輸出するのです。
この関係から言って、日本が韓国へ輸出規制する事態になれば、韓国産業は干し上がります。
長い目で韓国衰退待つ
私は、韓国へ輸出規制せよという強硬論者ではありません。
日本へ弓を引いているのは文在寅政権であり、韓国経済界はその被害者でもあります。
被害者をさらに追い詰めるのは得策でないのです。
遠回りでも、文政権の対日政策を変えさせる最大のテコは、韓国国内で文政権へ非難の声を高める以外になさそうです。
韓国経済界は、文政権に怯えるのでなく対決姿勢を強めるべきでしょう。
韓国最有力紙の『朝鮮日報』が現在、敢然と文政権へ言論戦を挑んでいます。その姿を応援することです。
文政権には、韓国が3回目の経済危機に陥るリスクについて、全く無防備でいます。
韓国の経済危機は、ウォン相場の急落から始ります。その導火線がいくつか出てきました。
4月の経常収支は7年ぶりの赤字が予想されています。
世界貿易の頭打ちがはっきりしてきた現在、韓国は輸出主導経済であるので、その影響をもっとも鋭敏に受けるのです。
ここで問題になるのは、韓国大企業の賃金が高い点です。日本の大企業の5割増しというデータが出てきました。
韓国の中小企業研究院によると、2017年時点で従業員500人以上の大企業の平均月額賃金は535万ウォン(約52万6000円)なのに対し、日本は346万ウォン(約34万円)で韓国が55%も多かったのです。
日本の1人当たり国民所得は韓国を30%以上も上回っています。
このことから分ることは、韓国大企業の内部留保が低いだろうという点です。
ひとたび、韓国に激しい不況が起こったとき、大企業でも抵抗力が弱いことは誰でも想像できるでしょう。
日本のように「失われた20年」に陥るリスクはかなり高くなっています。
韓国には日本のような不動産バブルは起っていませんが、今後の人口減少は日本を上回るスピードで起ります。
昨年の合計特殊出生率は、「0.98」という人類最悪の事態です。
中国はデータを発表しないため確実なことは言えませんが、韓国と同様の動きをしているでしょう。
中国の合計特殊出生率は、1990年に米国を下回っています。これを見ても、中国の世界覇権はあり得ません。
合計特殊出生率は、経済の潜在成長率を計るメルクマールです。
韓国は、もはや絶望的状況に追い込まれました。
特に、文政権になっての落込みが激しく、最賃大幅引上げが韓国衰退のトリガーを引きました。
文氏と与党にその認識のない点が悲劇的ですらあります。
今後の韓国はどのような道を歩むでしょうか。
端的に言えば、韓国経済は自壊の道を辿ると見られます。
数年以内に日本並みのGDP成長率に下落してくるでしょう。
急速な高齢化で社会福祉の負担が急増して、年金破綻が現実問題になります。
そのような事態になった時、韓国政権は保守派に移って、日本との協力を模索するとみております。
過去の反日は、「オール韓国」でした。保守も革新も一本化して「反日」を叫んでいました。
現在は、革新が主体の「反日」に構図が変っています。
保守は、日本経済の強味を知って態度を変えています。
その最たるケースが、韓国最大発行部数の『朝鮮日報』の報道変化です。
反日色がかなり抑制されています。
『中央日報』がまだ、フラフラして時に「反日」の牙を剥く程度です。
韓国経済の落日は、確実に日本へ接近するテコになると見ています。