勝又壽良の経済時評
日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。
2018-12-29 05:00:00
韓国、「文政権死に体」不支持51.6%と過半超え「国政遂行能力?」
奢れる者久しからずとは、平家物語の一節だ。韓国政界もこれを地でいっている。
昨年5月、朴槿惠政権の不名誉な弾劾の後を受け、文在寅大統領は颯爽と登場した。
国民の和解を訴えて、「国民のための政治」を宣言した。
就任直後から高い支持率を得たが、やったことは3点ある。
「積弊(保守党政権)の一掃」、
「大幅な最低賃金引き上げ」、
「反日政策の総仕上げ」である。
いずれも、破滅的な結果をもたらした。
1.「積弊(保守党政権)の一掃」は、国内の政治的な対立激化をもたらしている。
2.「大幅な最低賃金引き上げ」は、失業率を高めて国内経済を不況に追い込んでいる。
3.「反日政策の総仕上げ」は、日韓関係を根本から破壊し修復不可能な状態に陥れた。
これまで、支持率を押し上げていた南北融和ムードは、韓国が北朝鮮の金正恩氏に利用されただけというムードが強まり、逆に支持率を下げる要員になっている。
今や、世論調査での不支持率が、支持率を7ポイントも上回るほどの不人気政権である。
与党「共に民主党」も支持率が下落し、「限界線」に接近している。
『中央日報』(12月28日付)は、「50%超えた文大統領への否定的評価、国政動力の低下も」と題する記事を掲載した。
(1)
「世論調査機関リアルメーターは、27日、最新の世論調査結果を発表した。
支持率は43.8%(前週比-3.3ポイント)
不支持率は51.6%。(前週比+5.5ポイン)
リアルメーターの調査で、否定的な評価が肯定的な評価を上回ったのは、政権発足後初めて。
肯定的な評価と否定的な評価の差が、誤差範囲外(7.8%)に広がった」
大統領選における文氏の得票率は41%である。
世論調査の支持率は43.8%だ。この調子で支持率が下落すれば、来年最初の調査で41%のラインを割り込みそうだ。
不支持率が過半を超えており、若者や自営業者の支持率低下が大きく影響している。いずれも、最賃大幅引上げの犠牲になっている人たちだ。
(2)
「与党は大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%とみている。
今回の調査で民主党の支持率は1.7ポイント下落した36.3%と、臨界点に近づいている。
民主党関係者は「いわゆる『コンクリート支持率』が崩れる場合、国政運営動力の確保に支障が生じるとみている」と懸念を表した」
与党は、大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%に引いている。
今回の調査で与党は36.3%であり、首が皮一つでつながっている状況である。ここまで支持率の落勢が強まると、与党も新年早々の調査で、想定下限線を割り込むであろう。
政権に就いた直後の「共に民主党」は、積弊一掃で保守党を徹底的に潰す戦略に出た。
前政権に関係した人々を告発して逮捕させ、刑務所に送った。そのやり口は、北朝鮮並の「粛清」である。
無実であることの証として、死を以て抗議する自殺者が5名も出ている。
残酷な仕打ちをしたものだ。次の大統領選で保守党が勝てば、今度は「共に民主党」が被告席に立たされる。
因果応報とは言うが、韓国政治の前近代性を物語っている。
(3)
「政界は支持率自体より『速度』が尋常でないと見ている。
9月末に65.3%だったが、大きな悪材料なく3カ月間で20ポイント以上も下落したのは異例という分析だ。
カ・サンジュ檀国大政治学教授は、『景気に敏感な自営業者と非正規職労働者の離脱が目立つ』と語った」
これほど無策の政権も珍しい。多くの学者を政権幹部に登用した。口は達者でも実務能力はゼロ。
学会の論文発表のような「最賃大幅引上げ論」を発表し、得意満面であった。
多くの論理的な反対を受けたが、一切無視し強行した。
その結果が、現在の破綻に瀕する韓国経済である。
もはや、どうにもならない所まで突っ込んでしまった。国内で暴動が起っても不思議でない。それほど矛楯に満ちた政権なのだ。
日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。
2018-12-29 05:00:00
韓国、「文政権死に体」不支持51.6%と過半超え「国政遂行能力?」
奢れる者久しからずとは、平家物語の一節だ。韓国政界もこれを地でいっている。
昨年5月、朴槿惠政権の不名誉な弾劾の後を受け、文在寅大統領は颯爽と登場した。
国民の和解を訴えて、「国民のための政治」を宣言した。
就任直後から高い支持率を得たが、やったことは3点ある。
「積弊(保守党政権)の一掃」、
「大幅な最低賃金引き上げ」、
「反日政策の総仕上げ」である。
いずれも、破滅的な結果をもたらした。
1.「積弊(保守党政権)の一掃」は、国内の政治的な対立激化をもたらしている。
2.「大幅な最低賃金引き上げ」は、失業率を高めて国内経済を不況に追い込んでいる。
3.「反日政策の総仕上げ」は、日韓関係を根本から破壊し修復不可能な状態に陥れた。
これまで、支持率を押し上げていた南北融和ムードは、韓国が北朝鮮の金正恩氏に利用されただけというムードが強まり、逆に支持率を下げる要員になっている。
今や、世論調査での不支持率が、支持率を7ポイントも上回るほどの不人気政権である。
与党「共に民主党」も支持率が下落し、「限界線」に接近している。
『中央日報』(12月28日付)は、「50%超えた文大統領への否定的評価、国政動力の低下も」と題する記事を掲載した。
(1)
「世論調査機関リアルメーターは、27日、最新の世論調査結果を発表した。
支持率は43.8%(前週比-3.3ポイント)
不支持率は51.6%。(前週比+5.5ポイン)
リアルメーターの調査で、否定的な評価が肯定的な評価を上回ったのは、政権発足後初めて。
肯定的な評価と否定的な評価の差が、誤差範囲外(7.8%)に広がった」
大統領選における文氏の得票率は41%である。
世論調査の支持率は43.8%だ。この調子で支持率が下落すれば、来年最初の調査で41%のラインを割り込みそうだ。
不支持率が過半を超えており、若者や自営業者の支持率低下が大きく影響している。いずれも、最賃大幅引上げの犠牲になっている人たちだ。
(2)
「与党は大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%とみている。
今回の調査で民主党の支持率は1.7ポイント下落した36.3%と、臨界点に近づいている。
民主党関係者は「いわゆる『コンクリート支持率』が崩れる場合、国政運営動力の確保に支障が生じるとみている」と懸念を表した」
与党は、大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%に引いている。
今回の調査で与党は36.3%であり、首が皮一つでつながっている状況である。ここまで支持率の落勢が強まると、与党も新年早々の調査で、想定下限線を割り込むであろう。
政権に就いた直後の「共に民主党」は、積弊一掃で保守党を徹底的に潰す戦略に出た。
前政権に関係した人々を告発して逮捕させ、刑務所に送った。そのやり口は、北朝鮮並の「粛清」である。
無実であることの証として、死を以て抗議する自殺者が5名も出ている。
残酷な仕打ちをしたものだ。次の大統領選で保守党が勝てば、今度は「共に民主党」が被告席に立たされる。
因果応報とは言うが、韓国政治の前近代性を物語っている。
(3)
「政界は支持率自体より『速度』が尋常でないと見ている。
9月末に65.3%だったが、大きな悪材料なく3カ月間で20ポイント以上も下落したのは異例という分析だ。
カ・サンジュ檀国大政治学教授は、『景気に敏感な自営業者と非正規職労働者の離脱が目立つ』と語った」
これほど無策の政権も珍しい。多くの学者を政権幹部に登用した。口は達者でも実務能力はゼロ。
学会の論文発表のような「最賃大幅引上げ論」を発表し、得意満面であった。
多くの論理的な反対を受けたが、一切無視し強行した。
その結果が、現在の破綻に瀕する韓国経済である。
もはや、どうにもならない所まで突っ込んでしまった。国内で暴動が起っても不思議でない。それほど矛楯に満ちた政権なのだ。