カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

候補者推薦制

2015年03月12日 08時44分32秒 | 社会

斎藤隆夫の名演説〔2014/12/04 NHKBSプレミアム放送〕によると

戦前の日本で、独走する軍部を批判できない軟弱な国会議員が多い中、堂々と代議士らしく軍部批判ができたのは、ほとんど斎藤隆夫だけらしく、暗殺されなかったのが奇跡と考える人もいるらしい。

斎藤の反軍演説に拍手した同僚議員が、一転して斎藤の議員除名に賛成したのはなぜか。もちろん裏からの軍部の圧力だったと言います。

斎藤が除名されたあと初の衆議院議員選挙が昭和17年(1942年)4月に行なわれ、「候補者推薦制」が設けられたものの、除名されていたため当然推薦を受けられないまま立候補した斎藤がトップ当選したのは、実に皮肉でした。

その後、神戸への空襲があり故郷の豊岡へ疎開した斎藤。

戦後の公職追放を免れた斎藤は、吉田内閣や片山内閣で国務大臣をつとめております

その斎藤隆夫の言葉。 

    • 新日本の建設は、政治の改革から始めねばならぬ
    • 日本は敗戦に依りては亡びない
    • 政治の善悪に依って運命が決まるのである 

は実に重い。

私が一番印象深く感じたことは「候補者推薦制」でした。

昨年2014年の騒動で知ったことですが、中国の香港では現在でも、

  • 日本で70年以上前に設定した政府による候補者推薦制(推薦なしでも立候補は可能)より更にひどい
  • 政府による候補者認定制(認可なしでは立候補が不可能)

をまだ実施しているのですね。

中国共産党は香港での「直接選挙」を認めたものの政府による候補者認定制」を絶対に撤回しようとせず、政府が許可しない人の出馬を禁じると「実質的に中国共産党のいいなりだ」として香港の学生が疑問視したのは当然でした。

国の代表者を選ぶ「総選挙」が認められていないのは

今どき珍しい封建制度ですが、一党独裁の中国なら当然だとはしても、地域トップを住民による直接選挙で選ぶという英断を見せかけながら、ちゃんと「抜け道」を用意していて、中国共産党が認めた候補者でなければならない、というのなら「直接選挙」の意味は全くなく、一党独裁を更に強めたい意志を表明している、と断定できます。

日本でもTPPを想定して今すすめている農協改革でも、いままでさんざん農協を利用してきた自民党ならではの「抜け道」を、必ず想定していることでしょうから、似たようなものですか(笑)。

中国共産党としては

「政府による候補者認定制」を設けないと、無数の人が立候補して混乱すると言いたいところ、その心が中国共産党が香港を思う通りに支配したい、ただそれだけなのは、もうバレバレでした(笑)。

日本では選挙時の供託金制度を設けて、無節操な売名行為となる立候補に対して一定の歯止めにしておりますが、これにさえ批判があります。

しかし中国では

政府が認定しないと立候補さえできないという制度がまだ続いております。

これだけ世界中で経済が結びつく時代になったとは言え、中国だけが「政府が選挙の立候補者を決める」という制度を60年以上たもってきたとは、日本の戦前にあった東条内閣末期を思い出させ、暗い気分になってきます。

香港でこれだけもめても、なおかつ変えようとしない中国。

「内政に干渉するな」と叫びながら、いつも「外国に内政干渉する」中国共産党

堂々と「歴史を否定」する中国共産党が外国に対して「歴史を否定する者がいる」と公言するど厚かましさ! 日本の暴力団が日本の福祉制度を批判するど厚かましさのようなものですね(大笑)。

やはり相当レベルが低そうです(笑)。