カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

極端な韓国の「左右」対立

2015年03月17日 07時37分59秒 | アジア

極端な左右対立で知られる韓国。

この場合北朝鮮はあまりにも情報が少なく、論外としておきます。

なぜ真剣に話し合わないのか、と不思議に思うのですが、

  1. とにかく相手の話を聞かない独善性
  2. 自分が絶対的に「正しい」「善」だと一途(いちず)に信じる単純さ
  3. 時代遅れの差別意識・序列意識が消えない後進性
こういうのを巧みに利用するのが、中国共産党で、言うまでもありませんが
  1. ここぞという処で相手の話を聞いてやると独善性はますます元気に
  2. 絶対「善」に賛同することで中国が韓国の味方であると装う
  3. 中国流の差別意識・序列意識は歴史的に朝鮮半島に行き渡っており、「わかってくれる」と韓国には好感度を与える
あとで後悔したときはもう手遅れですが、韓国が軍事政権からようやく民主化してまだ20年程度では、これはやむを得ないのでしょうか。朝鮮半島の南側では今、あやうい中途半端な状態が続いています。
 

「左右葛藤」 - 韓国と北朝鮮の「代理戦争」

左派政権の民主党が勝利し、金大中(キム・デジュン。15代)大統領が誕生したのです。当たり前ですね。破綻した経済の前に、どんな言い訳が通用するものですか。

金大中元大統領。尊敬すべきところもありますが、彼は絵に措いたような左派の人です。

韓国で左派というのは、基本的に北朝鮮寄りの、言わば「親北」性向を意味します。敵の敵は味方だと言うけれど、軍事政権の独裁と戦いながら民主化を渇望していた彼らが、軍事政権最大の敵である北朝鮮と親しくなったのは、笑うべきでしょうか、泣くべきでしょうか?

そんな彼の政権に守られ、それまで影を潜めていた親北勢力が、一気に台頭することとなります。とくに、韓国の教育現場を握っていた「全教組(日本の日教組みたいな組織)」により、小学生たちが「叩き殺そう」を叫んでいたあの学校こそが、国民の反共思想を薄める最強のフィルターになってしまいます。公営放送の社長任命が政治権力によって左右される韓国のシステム上、放送局も例外ではありませんでした。敵対勢力が真っ先に狙ってくるのは軍事施設ではありません。学校とマスコミです。どこの国でも同じですから、覚えておいてくださいね。

北朝鮮とは同じ民族ではないか! 仲良くしようぜ!……簡単に言うと、そういう雰囲気になりました。一変という言葉がピッタリです。北朝鮮のサッカー選手が「俺たちは他人じゃないだろう」と言っただけでテレビニュースは大騒ぎです。うれしい!感動した! と。

もちろん、今まで反共思想を信奉してきた人たちが、「ああそうですか」と素直に引き下がるはずはありません。

1950年の朝鮮戦争の影響もあり、韓国では「反共」の暴走で、数百~数十万人規模の民間人虐殺が行われてきました。済州島43事件、保導連盟事件、山浦・咸陽・居昌での連続民間人虐殺、518光州民主化運動、などなど。(注釈1★)

いまさら、引き返せる立場ではなかったのです。危機感に包まれていた保守勢力は、再起を図りました。彼らは、左派政権が掲げていた政策が次々と失敗した隙を狙いました。北朝鮮を支援する「陽射政策(太陽政策)」がこれといった成果を出せないでいたこと、そして内需増進のつもりで乱発したクレジットカードによる個人破産の急増、いわゆる「カード大乱」などで、国民の間でも左派政権への支持は揺らいでいました。

こうして、今でも続いている「左」対「右」の図式が成立したのですが、これがまた、いかにも韓国らしいものです。「左右葛藤」、即ち左派と右派、リベラルと保守勢力の葛藤はどこの国にもいつの時代にもあるものですが、韓国では左右葛藤というものが韓国と北朝鮮の「代理戦争」になってしまったのです。

韓国は北朝鮮を「国」として認めていません。韓国の領土は「韓半島(朝鮮半島)とその島々」となっており、北朝鮮はどちらかというと違法占拠集団なのです。左派政権の時代、この国土に関連した法を見直すべきだという意見もありましたが、それは北朝鮮を国として認めるという意味であり、さすがに実現されませんでした。

北朝鮮も同じです。韓国政府というものを認めていません。南も北も、お互いを傀儡(かいらい)政府だと主張しています。南と北、どちらかを選んで政治的に肩を持つことは、もう一方の存在を否定することになってしまうのです。お互いが必死になっている背景の一つですね。

左派政権は、最低支持率5%という驚異の記録を叩きだした盧武鉉(ノ・ムヒョン。16代)元大統領を最後に、終わりを告げました。

しかし、左右葛藤は今でも続いています。というか、終わる気配がありません。右派の人は、何か気に入らないことがあれば「あいつは従北(親北よりレベルアップした表現)だ」と言います。左派の人は何か気に入らないことがあれば「独裁だ」と言います。

左派政権の時に学校で左派教育を受けた学生たちが、今の20代、30代です。もうすぐ社会の中心になるでしょう。彼らは、思想的に50~60代とはあまりにも違います。ただならぬ地域感情(地域ごとに支持する思想がほぼ決まっている)と相まって、左右葛藤が韓国から消えることはないでしょう。

:P.33-36 シンシアリー「韓国人による恥韓論」扶養社扶桑社2014年6月10日初版第7刷発行


(注釈1★)それぞれの詳細は次をどうぞ。日本人にはあまりおなじみではなさそうですので、引用しておきました。

引用が長くなりましたが

金大中のあとを受け継いだ同じ左派大統領盧武鉉が晩年に5%の支持率に至ったとは、鳩山由紀夫内閣の支持率急降下〔70%→20%程度〕も真っ青というところ。

いずれも、朝鮮戦争前後の、混乱の時代にあり、共産党勢力に危機感を持っていた韓国軍とその暴走を示す残虐な虐殺事件でした。

中国共産党が、

文化大革命〔1966-1967〕や天安門事件〔1989〕について、自らの汚点には絶対に触れさせまいと関連発言やその調査さえ厳しく禁じているのに似て、韓国でも過去の汚点を解明しようとする意図が見られず、歴史をひた隠しにしています。そういった中国・韓国が自国の恥部を封印しながら日本に「歴史認識」を唱えるのが、落語のようにおもしろい今日この頃です(大笑)。

こんな絵を描いてみました。あたっているかどうか・・・・

上図真ん中の金大中〔大統領在任 1998-2003〕。

大統領になる前は、軍事政権を非難し民主化を主張していましたが、この人が大統領になるや、民主政治とは正反対の北朝鮮に接近しました。これは一体どういうことでしょうか。

自分の今までの主張「民主化」よりも「民族統一」を優先しようと試みたとすれば、その後の失敗も考慮して、今後50年以上は朝鮮半島に民主政治が定着しないでしょう。北朝鮮を経済援助しさえすれば何とか民主化が進むと思っていたのだとすると、あまりにもみじめなダマされ方で、オレオレ詐欺に引っかかった善良な人だったのでしょうか。

金大中が大統領になる直前、北朝鮮金正日の側近中の側近だった黄長(ファン・ジャンヨプ)が中国経由で韓国へ亡命しました〔1997年〕。

北朝鮮としては、黄長〔1923-2010〕が知っている北朝鮮の隅々までを韓国へ漏らされてはまずいと判断し、突然、「にせ南北対話ムード」を演出しはじめ、金大中との良好な関係の邪魔になるとして黄長を軟禁状態にさせました。金大中のあとを受けた大統領盧武鉉〔1946-2009 在任は2003-2008〕の時代が終わりかけて黄長の影響力がなくなったと判断した頃には、対話ムードから一転して、再び対立関係へ戻りました。

黄長(ファン・ジャンヨプ)による北朝鮮関連の秘密漏洩を抑えるためとはいえ、カラス以上に悪賢く韓国を欺し続けた狡猾な瀬戸際外交でした。

 著者シンシアリーの主張することで一番よく理解できたのが

  • 朝鮮半島での南北対立
  • 「韓国内での左右対立」が「南北対立の代理戦争化」している
ということでした。今までの私の理解が正しいことをうまく表現していて、納得できたからです。やはり日本人が声を上げないと、日韓関係は好転しないと思われます。