日本でも無数に見られた「内部犯行・組織内犯罪」。
外部による犯行ならば、困難な面はあるとしても、何とか対策がたてられますが、内部犯行となると、「互いの疑心暗鬼」さえ生まれ、組織が乱れ始めます。
内部犯行か外部犯行かが明確にならないまま推移することもあり、組織人としては、いやなものです。
内部犯罪の場合にどう対応するかですが、組織の透明化に走って犯罪を少なくするか、当面の犯人捜しにのみ追われるか、これが分かれ目でしょうか。
たとえば販売店で起こった売上捏造の場合
レジ担当者へ圧力が加えられ、「不審な行動を許さない」との姿勢を示したものですが、「経営の失敗には批判を許さない」まま「レジ担当者のみへしわ寄せ」という姿勢だけなら、いかなる対策を施しても経営は傾き続け、やがてそんな店は淘汰されるのです。経営や組織に関する不信感が、事件の根底にあったと言えます。
今回は
先日2015/03/24に起こったドイツLCC機〔Germanwings〕の墜落事故〔スペイン(バルセロナ)→ドイツ(デュッセルドルフ)の途中フランス南東部で墜落〕についての暫定情報に基づいて書いております。
操縦士2人のうち1人が操縦席から外に出たあと、元の操縦室へ戻れない〔残った1人の副操縦士によって室内へ入るのを拒否された〕まま、副操縦士が意図的に地上へ高速度で墜落させた、つまり自殺行為に走ったのが、墜落の原因ではないか、とされはじめました。副操縦士の家宅捜査から、医者による「搭乗不可能」診断があったという情報もあります。
まだまだ解明作業が進んでいる段階でして,今後どうなるか分りません。
格安航空会社が出る前にも、そして格安航空会社が出てからも
どうしても避けられない航空機事故。
高度な訓練を受けた操縦士による航空機事故発生確率が、何も高度な訓練を受けない運転士による自動車事故発生確率よりも、相当小さいでしょうが、一旦起これば多数の命が奪われるとあって、世間に与える影響は、むしろ大きいと言えます。
特に格安航空会社の出現は、旧来組織の非効率を排する重要なきっかけにもなりましたが、同時に別の深刻な問題も産んでしまい、無駄を許容してでも旧来の体質を維持すべきだとする主張も見られます。料金が安いから危険だと言っていいのかどうか、という基本問題を提起しているのでした。
利用者からすれば、従来の半額以下で利用できるとなれば、ありがたいと思うと同時に、一体今までの高価格は何だったのか、となります。
ぬるま湯に浸かっていたと思われる旧国鉄時代の事故率と、国鉄民営化後の事故率とを、様々な視点から比較する価値は充分にあろうかと思います。手放しで民営化を喜んでいる勢力に洗脳されてはいけないようですね。〔リベラル21など〕
これは郵便局民営化にも通じ、長短両方を含んでいるので、何が「長」で何が「短」なのかを正確に見極め、できるだけ「短」を少なくする必要があるでしょう。美しい作文にとらわれていてはいけません。
今進行中の農協改革、日韓・日中の関係改善にも、もちろん言えることです。
マレーシア航空の事故は
破片も見つからない事故と、ウクライナ上空でロシア側が犯行を認めない事故、など不透明な様相ですが・・・・
今回のドイツ機のフランスでの墜落事故では相当解明が進んでいるようですが、現段階での、私なりの「無責任?」な解決策を提示してみます。
今回の事件の実情と問題点
操縦士2人がいれば
- 片方が異常行動を取ることは簡単ではありませんが、1人になった瞬間はどうでしょうか。邪推すれば、犯人と思われる副操縦士は、自分1人になる機会をうかがっていたのかも知れません。
- 今回、休息を取るためか1人の操縦士が副操縦士を残したまま退室したあと、再び入室しようとしたけれども、入室許可がなく入れなかったらしい。操縦席から入室許可を出した時のみ入れるハイジャック防止策の「裏をかかれた」犯罪ではないかという見方があります。
- 1人になったまま副操縦士が自殺行動と言うべき地上への墜落操縦に走り、乗客を巻き込んで地上へ激突したらしい。
- ハイジャック対策として、操縦席からの許可がなければドアが空かないシステムの弱点を逆用された内部犯行の匂いが強まっています。
では、どんな対策をとればいいのでしょうか。
思いつくのは、2人常駐制度ですね。
これには、
- 操縦士3人がいて、1人は休憩させるもので、常に2人が操縦室にいる仕組み
- もう一つは操縦者は2人のまま、もしも操縦席の2人のうち1人が操縦席の外に出る場合には、必ず交代で乗務員などの1人が中に入る
などが考えられます。後者のほうが費用としては安いでしょうが、それでも無駄な客室乗務員を1人おくか、或いはいつ起こるかわからない交代要員としての客室乗務員〔これは客室乗務員を統括する責任者が妥当か〕を置き、しかもその役割が果たせなくなる恐れがあります。そうでなければ、無駄な別の乗務員を置くことになりかねません。
もう一つは、操縦室への入室許可を、操縦席による許可ではなく、外部からでも操縦席へ入れるパスワードを操縦者だけに与える方式です。
これにも困難がありそうです。つまりハイジャック犯人が、入室パスワードを知っている予備の操縦士を人質にして操縦席へ入る可能性です。
今の「操縦席から入室許可をする」というシステムとは大きく異なり、パスワードを知っておれば誰でも入れるというところに、危険があるのかも知れません。
もう一つは、工事を伴うもので、一番費用がかかるでしょうが、操縦室の2人は絶対に操縦室から出ることができない構造です。休息も手洗いも室内で済ませるというものですね。
このほかにも、いろいろ対策が考えられますが、一体どういうことになるのでしょうか。厳しい訓練に耐えられ、しかも成功する人は限られた人だけですから、どんな対策をしても事件は起こるのでしょうが、ぜひとも最大限の安全性を目指してもらいたいと願っております。
ただし世界中で無数の格安航空機が飛ぶ時代に、かつてのような余裕をもった人員配置は望めないかも知れませんが・・・・・・。
なお今回のイラスト入手先は以下の通りでした。
- その1
- 花子〔ジャストシステム社の描画ソフト〕