リオデジャネイロ(ブラジル)五輪 2016/08/05-21 の直前ですが、すでにサッカーなど一部の競技が始まっています。
このような時にブラジルの現状を概観しておくことには、若干程度の意義があるでしょう。
準備の問題
陽気なブラジル人ですが経済不況も重なり、決して楽観的にはなれません。北京オリンピックほどではなくても、無数の不安材料があります。
ブラジルの原油の多くは海底油田で輸出国でもあるようですが、超過分の輸入は避けられず、原油価格が暴落したとはいえ支払いには苦労しているとのこと。〔2016年1月22日〕
オリンピックの準備は、形式的には何とか間に合うのでしょうが、不備だらけで実質が伴わず、機能不全に陥ったり事故が起らないか心配です。
▲財政難で警官配置は?〔産経新聞 2016.6.19〕
給与未払いなどがあり、テロ対策が手薄にならないのか、大いに不安がつのります。半月の期間中、何もなければいいのですが、過激派が何を考えているかは、誰にもわかりません。
▲地下鉄4号線の工事〔読売新聞 2016年07月01日〕
観光客が増えるため、地元の人たちに多くの不便が発生するのかも知れません。
▲畳のない柔道会場〔東スポWeb 2016年08月03日〕
体操競技のリオ五輪アリーナは完成していたらしいのですが、最後の仕上げに入っている柔道・レスリング会場であるカリオカアリーナでは、写真撮影が禁止だそうで、見ただけの印象では、畳さえまだ完備していないらしい。例によって、ぎりぎりの突貫工事でしょうが、間に合うのかどうか。
▲道路の渋滞〔サンパウロ新聞2016年8月4日〕
恐れていましたが、「道路のオリンピック専用車線」ができたおかげで、大渋滞が発生したり、違反車両が続出して316人に罰金と混乱が続きます。
治安の問題
わざわざ遠く日本からブラジルを訪れる観光客がいて結構なことですが、「リオが外国である」ことを意識し、いつ災害・事故・事件にあっても大丈夫なように周到な準備をしておきましょう。
▲強盗・窃盗被害〔YouTube 2016/08/02〕
いくら時差ぼけだとはいえ、「リオも日本も同じ」という先入観はいけません。外国にいることを再認識しましょう。
金目のもの〔時計や余計な装飾品〕を身に付けないのも大切。第二の財布・第三の紙入れも必要。つまり「取られてもいい」見せかけ・引っかけ用の「三徳」を用意しておかねばならないのでしょうが、それにしても情けない話です・・・・・・。〔財布・紙入れ・三徳〕
選手村でも盗難が相次ぐなど、やりきれません。デンマーク選手団が盗難に遭ったり(AFP=時事 2016年8月4日)、セーリング日本代表チームが工具を盗まれたり(スポーツ報知 2016年7月31日)、日本人観光客が強盗に遭ったり、踏んだり蹴ったりですね。
▲ブラジル大統領弾劾裁判〔産経新聞 2016.6.8〕
リオ五輪開催中にでも、その決着があるようです。現在職務停止中のリセフ大統領が、最悪の場合、失職する可能性があり、大統領の開会式や閉会式への参加は、なさそうです。
競技について
▲メダル獲得予想〔日経BP 2016/04/20〕
少し古い予測記事ですが、この他にも各国のメダル数を予測しているところがたくさん見られます。それぞれカケの対象になっているのかも知れませんが、これだけはやってみないと分りません。
特に今回は、薬物疑惑でロシア選手の多くが参加できないようですから、いくら精度がいい予想とはいえ、ロシアが上位を占めていた分野では、波乱が発生するかも知れません。
- ロシア関係者が「かつてドーピング疑惑があった米国選手が参加しており不公平だ」と述べているようです。
- しかし「ロシアが国家ぐるみで薬物隠蔽工作をしたための制裁措置」のに対して、「アメリカが国家ぐるみとは言えない」のであり、同列に論じてはいけません。
こういう、事情を無視した「口先だけの公平感」の発露は、中国やロシア特有ですので、だまされないようにしましょうね。
▲特集番組
日本のリオ特番を見ていると、もうメダル獲得は決まっているかのような印象を受けますが、実際にやってみると予選敗退なんてことが、しばしばあります。一体あの特番は何だったのか、当日の体調が悪かったのか、と憂鬱になりそうな気がしたものです。そして今回も、ぼちぼちそのような兆候が・・・・・・。
とはいえ、そういう番組を作る側からすれば、4年に1度なので、担当が最初で最後という人もいるでしょうから、それはそれは、引っ張るやら、誇張するやら、おだてるやら、何をするか分りません(笑)。
選手たちが
普段通りの成果を出せないのはなぜか、ですね。
私は「壮行会」なるものにも一因があろうかと思うのです。緊張していなかったのに、役員の株をあげるための儀式によって選手が萎縮してしまうのでは逆効果なんです。
壮行会がやめられないとしても、その内容について真剣に検討してもいいのではありませんか。
高校野球の式典など、挨拶が多すぎる、のですが、これもまた同じ役員のための儀式を演じています。
影の存在であるべき人たちが、自分たちのおかげで「出させてやった」とばかりのぼせ上がるのであり、役員たちの「意味のない儀式」にこそ、選手たちの力を出せなくしている元凶の一つだ、と私は思っています。
そうです、「役人根性」とでもいう、あの組織の長が演じる醜態ですね(笑)。
▲入場券の売れ残り問題〔産経新聞 2016.4.4〕
いつも問題になりますが、切符は完売したのに実際の観客席はガラガラという競技がみられます。
今回もチケットが売れ残っているようで、競技場によっては2割~5割もまだ売れないらしい。
面子だけを重視したためか、組織による大量購入があって闇価格が高騰して誰も買えなくなったからか、原因はわかりません。
特にこの夏、日本で今回心配されるのが
夏の高校野球とリオ五輪、が重なること。
いくら夏休み・お盆休みとはいえ
- 昼は高校野球、夜はオリンピックと忙しく、いつたいいつ寝るのでせうか。
- 「ええ、見たい番組を視聴して、それ以外のところで寝ます」ですか・・・・・・
- それより高校球児が、オリンピック視聴が気になって野球に熱中できない、という心配があります(笑)。
2020年東京オリンピックのこと。
リオ開会式直前のIOC総会で、東京五輪に5競技が新しく加わったようですね。〔NHK 2016年8月4日 4時49分〕
- 野球・ソフトボール
- 空手
- サーフィン
- スケートボード
- スポーツクライミング
オリンピック以外に
話題性のある国際試合をもつ分野で、選手が所属組織との契約のほうを優先することが問題になっています。
米MLBとの関係で、五輪に参加してもケガの保証がない、ドーピングでMLBより更に厳しい、などと高額契約者が言うならば、まだまだ解決すべき問題は残るでしょう。1球団2名以内などの条件付きで合意に達するのではないか、と私は予想しております。
サッカーでも協会内部の不祥事があり、決して楽観できません。今の年齢などによる制限を撤廃するなど、根本的に解決しなければならないと思います。
それに、IOCそのものに招致運動に関して、シドニーやら東京やらで、汚職疑惑があります。
- 協会が赤字になり、開催地も赤字になる、のはマズイでしょうが
- 協会は儲かるけれども開催地での費用がかさんで負担を強いる
などが、誘致希望地の減少につながったり、不祥事に発展するのは、いけません。こちらも根本的に是正する必要があります。
最後に関係がありませんが
MLBマイアミのイチローがMLB3000本安打を前にして、2998本で足踏みしています。普通なら難なく通過するのですが、ベンチスタートが多く、たまに先発で出場してもまったく打てなかったりして、気をもませます。
やはり寄る年波には勝てないのか、50歳までいけるという声も虚しく、また終身雇用かという高信頼性も虚しく、来年の契約さえ心配になってきました。(多分単年契約らしいので)
恐らく今年中にはあと2本は打てるでしょうが、来年どうなるか分りません。
さてさて、皆様はどう思われますか。