中国、米国との首脳会談に尻込み? 米朝会談の失敗見て:朝日新聞 2019年3月9日
朝日新聞が、米WSJから引用して報道しています。
WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)は有料記事が多いので知られていますが、そこを無料で済ませています(笑)。
ご存知の通り
2019/02/27-28にベトナムのハノイで行なわれた第2回目米朝首脳会談(トランプー金正恩)は物別れに終わっています。
これをよく知っている中国は、同時に行なわれている米中協議で消極的になり、次回の米中協議は、3月中ではなく4月以降にずれ込むことになりそうです。
- アメリカ:事前交渉で大筋を決めておく形式
- 北・中国:実際の会談時に大筋を決める形式
北朝鮮はまだ後者にこだわっているようで、交渉自体にだます要素がたくさん残っているのでしょう。ベトナムでの決裂を知っている中国としては「またまた実際の交渉でアメリカ側が拒否する可能性がある」と見ていることになります。交渉形式の衝突ですね。
全体主義国家が、多国間交渉よりも2カ国間交渉を好む理由が見えてきたようです。北朝鮮はもちろん全体主義国家ですが、アメリカもトランプになってからそれに近くなり、今回もまた2カ国間交渉にもちこんでおりますが、それがうまくいかなかったのです。
ところで、記事での表現ですが
- 朝日新聞では「中国が尻込み」
- WSJ日本語版では「中国当局者は、両国の確実な合意案がまとまらないうちに首脳会談を行うことを躊躇」「中国指導部に動揺」「行き詰まり」
としていて
中国が事前に合意できていないことに気が付いているようで、結論を実際の会談へ持ち込もうとしています。
これを
「ごまかし」と考えているのがアメリカ
「ごまかし」と考えていないのが中国
ただし
北朝鮮が、「制裁の全部解除」を要求したか、「制裁の一部解除」を要求したか、については双方が好き勝手なことを言っていますので、どちらも信用できません。
しかし、もしも衛星写真などの分析が正しいとするならば、北朝鮮が「交渉しながらだます」という中国伝来の伝統を守っていることになります。
米中貿易交渉行き詰まり、米朝会談決裂が伏線:WSJ 2019 年 3 月 9 日
さてさて、皆様はどう思われますか。