駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

「離島防衛のリアル」

2021年02月17日 | TVウォッチング
2月17日(水) 本日のJOG=45分
とても興味深い番組を観た。
先週放送の、NHKBS1スペシャル「自衛隊が体験した 離島防衛のリアル」である。
3年前に発足したばかりの自衛隊の特殊部隊を、NHKが1年間密着ロケしたというドキュメンタリーだ。
その生死をかけた戦いを想定した厳しい訓練や、米国軍との合同演習などの一般人にとっては知られざる光景が見られた。

島国日本。我が国には6,800に上る離島がある。
その防衛のために我が国が動き出したのはごく最近のこと。それまでは、お花畑思想により、戦争放棄を謳った以上は他国がその島を盗りにくる危機などはあり得ないと決め込んで、何も考えずにいた。
しかし、近年の近隣国による、空・海ともに異常な侵犯が頻繁に発生する事態を重く見て、2018年3月に陸上総隊直轄の新編部隊「水陸機動団」が創設されました。

部隊発足のきっかけとして、次のような外国船による数々の事件が大きく関わっている。
1999年の北朝鮮の不審船による能登半島沖不審船事件、2001年にも北朝鮮による九州南西海域工作船事件で銃撃戦が起きている。
さらに記憶に新しい、2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事件により、はっきりと中国が尖閣を奪いに来ていることが鮮明になる。


さらについ最近の「海警法」が制定されて、それは確実になった。

「水陸機動団」の任務は、離島が占領された際に上陸し、島奪還作戦を行うという隊員の命を懸けた厳しい内容である。
勿論、想定するのは尖閣列島である。実際、中国は奪いに来ている。だが盗られる前に我が国は武力で防ぐことは憲法上できない。よって、奪われた島を奪還するしかないのである。
しかし、盗る方も当然その先まで周到に想定し準備するわけで、もはや我が国と比べ圧倒的な兵力を持ってしまった中国は、太平洋戦争における米国のようなもので、「水陸機動団」の少数精鋭の優秀な若者たちを無駄死にさせることになりはしないかと気を揉むのだ。
あくまでこれは戦争なので、仮に奪還が成功したとしても、少数精鋭部隊は圧倒的な武力の前では二度目三度目の攻撃に対抗できないのではないか、という疑念が当然ある。

そこで頼りにするしかないのが、同盟国米国である。
米国は実際に頼りになるのかどうか疑わしいが、米国軍と自衛隊の間ではしっかりと絆を深めているようだ。
カメラがとらえた、2019年に行われた米国での合同実地訓練の模様が見られた。



法律上日本ではできないため米国で実施された訓練は、実戦さながらに作戦を立てての上陸奪還を「水陸機動団」が行い、仮想敵国役を米軍が行った。



我が国としては、奪還後に米国軍の強力な後押しがあって、はじめて作戦が成功するのだ。

番組の〆にはこんな話があった。
中国には同盟国がない。日本は米国と同盟関係にあるが、米国頼み一本ではなくて、QUAD(クワッド=日米豪印4か国の枠組み)というような現地での地域同盟国によって中国一国に対抗していくことができるよう、さらに取り込んでいくことが必要である。実際に、中国を脅威と見ている各国ともに意識が変わってきている、ということだった。
法整備や軍備増強を急ぐより、外交により政治的な地域同盟を急ぐことが、やはり一番必要なようだ。

コメント
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