

「距離のある観察者の視点からのものではない」
道を歩き
その道も自分もリビングプロセスであると知る内側からの体感
道も
自分も
歩くのも
それを知るのも
ファウンテンのように回転舞台のように展開し続ける全て無限の
なんというものなのだろうなあ、これは

私たちは多分横に並んで腰かけて暗い夜空を一緒に見ていた。
ぽつぽつと話す私の物語を聞きながら、彼女は星座を描く見えない線を時折指差した。
(あなたも人です、私も人です)
と、聞こえないことばが確かに聞こえてきた。
そうして気が付いたら私のパラボラアンテナは(無理もない理由により機能を損なうまでうつむいていたのだけれど)うまく受け取れるように角度が調整され、空を見上げるように上を向いた。
夜の暗さも星の位置も何も変わっていないけれど、もうそんなに寒くない気がした。
そしてこの人と、繋いでくれた友人と、そういう形で私を生きのびさせる世界に感謝して、同時にいつもなら私とともにあったその心地を忘れていたことに気がついた。
一人で孤立して穴を掘っているとそうなるのはわかっていたはずなのに。
重要な知恵や情報もたくさんもらったのだけれど、今すぐに消化できそうにないし、それはゆっくり整理することにする。
けれど気前よく分け与えられた愛は即効。
今夜は暖かさに包まれて安らかに眠る。

そろそろノブコさんにあいたいなと思いながら洗濯物を干し終えた。
今日は日差しがきらきらだから、早めに山を歩いてこよう。
明るくなった森をゆっくり歩いてからベンチに腰かけたら、あらあなた、と通りかかったノブコさんが声をかけてきた。
ふたりでベンチに座ってひなたぼっこしながらおしゃべりした。
ドラッグストアでヨーグルト買っていくわ、という彼女につきあって真似して同じヨーグルトを買った。
レジで支払う時前後に並んだら、いいから一緒にここに置きなさいって言うのを笑いながら断った。
なんかうれしかったよ。
