プロジェクトは後半戦である。
前半戦は、ひたすら仕掛けを作り続けるのである。
物語の脚本作りと似たような作業の連続である。
大きなフレーム(工程)ワークを作り、大事なことを漏らさないように大きく網(基本構想)を編み、投げ入れる。
それぞれの登場人物(基本計画)に役割(ブロックフロー)を与えていきあらすじ(物の流れ)を確認する。あらすじに、薬味(仕事のつながり)を加えることも忘れないように入れていく。登場人物(基本計画)に笑いや泣き(基本設計)の動きを加えていくのである。
フレームワークにあっているか、打ち合わせ(モチーフの確認)を重ねていく。登場人物に個性(仕様書)をつけていく。個性が生きるよう、仕掛け(将来おこるであろう事柄の予想)をつくるのが楽しい時期である。
仕掛けの工夫が生きるのは、後半戦(工事)である。
後半戦は、ひたすら演じるのである。シナリオにそって、俳優(監督や業者)達は良い演技(工事)ができているか確認作業(プロジェクト遂行)の連続となる。
久しぶりの演技で、登ったり下りたり(説明)、叫んだり(業者との交渉)を始めたばかりである。脚が毎晩つるのである。つっては目が覚めるのである。
俳優たちがシナリオ通りにうまく動いてくれるよう演技指導もしなければならない。俳優たちから、こうしたら良いのではないかと提案(シナリオ変更)を迫られることもある。
仕掛けが生きるのがこの時期である。ト書きのような仕掛け(予想)である。用意していた効果音や小道具(仕掛の練り込み)が演技を光らせる工夫となり、威力を発揮するのである。物語は始まってしまった。あと半分は、ひたすらシナリオ通りに演じきるのみである。
プロジェクトはシナリオ(前半戦)作りに70%の労力を使う。あとは、体力勝負の劇作りに奔走して残った30%の労力を惜しみなく使い切ることである。時間軸は、逆転し30%の期間に凝縮した作業が前半戦である。後半戦は、期間こそ長い(70%)のであるが、なにしろ一粒の汗も残さずかきつくすことである。前半戦に練りに練った仕掛けがいきるのはこれからである。
仕掛け(予想)の良しあしで、釣果(仕上がり)は大きく変化する。
長い永い終わりの見えないような劇作りの後半戦は始まったばかりである。場面ごと、コマどりのような地道な演技をつなぎ合わせていくのが工事である。
体力勝負の後半戦は、苦しくて楽しい時期なのである。
2014年6月27日