故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。
絵のタイトルは、「僕一人で渡れるよ」です。
あんたが渡れるようになった分、私たちは歳をとる。
恒例のお年玉に、いつしかお盆玉が加わる。
あんたの計画は、いつも無茶だ。
妻が吠えています。
今日のタイトルは、「予定の前後」です。
誰かが訪ねて来る。
どこかへ旅に出る。
どちらも楽しい。
だけど、スケジュール調整の前後は、大忙しになります。
やっと、神社の祭りが終わりました。
次は、とんど祭りです。
評議委員の仕事は、多彩ですべてが手作りです。
藁を集め、竹の周りにくくります。
竹を切り、餅を焼くために先端を割ります。
竹は、余るほどあるが、割る道具が売っていません。
金物屋で勧められた割り器(鋳物製)は、一撃で取っ手が取れてしまいます。
これが良いと、わっかのサイズが250mm(通販で1万5千円)の鋼鉄製を見せました。
あんたが、竹の担当と決められました。
年末年始の参拝客のための準備が続きます。
子供への土産として、野菜や果物を採り入れる。
4人の子供に均等に分け入れる。
人気の自家製パンも追加です。
干し柿も頃合いです。
散髪屋にも行かなきゃならない。
冬タイヤに交換した。
行った先でもやることがいっぱい。
墓参りに、酒飲みに、生れたばかりの孫を訪ねます。
家を空けるとなると、畑の草が心配です。
伸びすぎて、電気柵に達する。
刈らなきゃ、鋤かなきゃと連日汗をかきます。
よせばいいのに、世話焼きの後始末と準備に明け暮れる。
どんな方法で移動しようが、疲れる。
スケジュールが埋まらない日々が懐かしい。
来て嬉し 帰って嬉し 孫の顔
2024年11月19日
描かせていただいたこの娘に登場してもらいましょう。
タイトルは、「可愛いね」です。
これからもいっぱい物語が紡がれることでしょう。
今日のタイトルは、「S君のいたずら、その後」です。
11年前、私はある女性の気を引くために、笑える話を書き続けていました。
その中の一つが、2014年5月9日投稿記事、「S君のいたずら」です。
「たまらず、女性は笑い出したのです。夜中におかしくてたまらなくなったのです。
K君がまさぐっていた手は、男にしては柔らかいS君の手だったそうです。
恋の行方はきいておりません。」
(記事より抜粋)
2日前、ある会合で、私はその「笑いだした女性」に会ってしまいました。
遅れていった私の席は、女性たちの間の空席でした。
初めて言葉を交わす隣の女性から旧姓を聞きました。
旧姓が私の記憶に火をつけました。
「S君のいたずら」のマドンナでした。
半世紀前の、女性にとっては墓場まで持っていくであろう話です。
一気にタイムスリップし、その女性は真相を語り始めました。
S君に恋心を抱いていたマドンナは、仕方なくK君のアパートに泊ったそうです。
手を伸ばしたのはS君で、彼は照れ隠しに物語をでっち上げていました。
私を除く、かつてはもてた男と女の昔話を語り合う会合でのことでした。
2024年11月18日
絵のタイトルは、「大崩海岸」です。
波間に見え隠れする岩です。
波に洗われ、貝や海草が付くままです。
岩は何も考えていない。
自然を美しいと思う所以ではないでしょうか。
今日のタイトルは、「何々をしなくてもよい」です。
例えば、寝なきゃと布団に入ります。
眠れません。
テレビを観なきゃ、本を読まなければと始めます。
10分もしないうちに、大あくびです。
「何々をしなくてもよい」を考察することにしました。
考察することが、まずいことの始まりです。
息をしなくてもよい。
無理です。
ご飯を食べなくても、水を飲まなくてもよい。
これも、無理です。
人と話さなくてもよい。
これは、気分次第でできそうです。
周りは、気を使い、やがて放っておかれるでしょう。
嫌なことはしない。
好きなことをやり続ける。
いずれ、寝なきゃ、食べなきゃとなります。
「頑張って」を外しました。
頑張らないんなら、できるかも。
なにか変なんです。
そもそも、やらなきゃと誰が決めたの。
突き詰めれば、自分です、他人ではありません。
決めたのが、自分だからギャップに苦しむ。
決めたのに、どうしてできないのかな。
考えが違う人と話すと、窮屈です。
認知症の二人は盛り上がります。
二人は、違う話題で盛り上がっています。
笑うタイミングも同期しています。
傍で見ている正常な人は、異常な光景に眩暈がしそうです。
母は、「なんでも頑張りなさい」と、三段腹を揺すりながら食べ続けている。
どうして、母はダイエットができないのでしょう。
きっと、何か考えがあるのです。
試しに、母の立場になりいろいろ考えてみました。
夫はあきらめており、医者は危険信号を出さない。
ダイエットへの動機が皆無でした。
考えの違う人の立場になって考えると、自分の至らなさに気づかされました。
母が言う「なんでも頑張りなさい」は、あきらめる前に母にも葛藤があったようです。
この希望的観測を戒めとして、自らに言い続けていたのです。
想いだけが澱のように残り、時々噴水となって飛び出るのです。
他人の「何々しなきゃ」を紐解くと、自分の縛りから開放されます。
皆が「何々しなきゃ」と苦しんでいる。
宗教だったり、モラルだったり、生きる術や夢などです。
他人ができないことが自分ではできそうに思えます。
その逆もありです。
母は、私になって考え、できるのよと教えてくれたのかもしれません。
2024年11月11日
絵のタイトルは、「幹事」です。
高校の同窓会幹事を、どのくらいやってくれたのでしょう。
いつもありがとう。
今日のタイトルは、「スケジュールが埋まり過ぎ」です。
私たちの年齢になると、「今日は何しよう」と手持無沙汰です。
金持ちじゃないけど、「時間もち」です。
時間があっても、身体や気持ちが前向きでないから、何をするにも面倒くさい。
一日中、パジャマで過ごす。
スケジュールが埋まりました。
自由な時間は、月のうち8日間です。
これでは、現役の時と変わらない。
8日間で、草刈りや準備&片づけをしなければならないから、休みはありません。
この秋は、東京から4組、広島から2組、島の友人たちが2組訪ねてきました。
定年後、名刺を捨てて、アドレスを消去し、隠遁生活のはずでした。
近くの子供たちは、芋ほりを楽しみにしています。
自衛隊の奥様は、10年物の山芋を掘り返して行きました。
よほど、美味しかったんでしょう。
東京の人たちとは近くに住む共通の友人も加え、お茶を飲み酒を酌み交わします。
ゴルフをし、再生した耕作放棄地で収穫をします。
島の暮らしそのものが、おもてなしとなります。
もう行かないだろうと決めていた横浜に出かけます。
滞在期間は、わずかに4日間です。
横浜高島屋の裏の昼からやってる居酒屋で、旧友たちといっぱいです。
年寄りばかりの客は、食べない癖に口だけは肥えていて、
店のお姉さんたちを困らせます。
娘が買った中古マンションの防音工事を指導します。
娘夫婦は、大工に頼まずDIYでやるという。
遺言を頼む予定の司法書士さんに、親の家の相続の相談に乗っていただきます。
片道二日の国道(900Km)旅です。
大変なんですけど、楽しみです。
いくつも峠を越えるので、冬タイヤにしましょう。
時間がくれたご褒美と思い、頑張っています。
お互い先がないと、生き急いでいるような気がします。
2024年11月10日
絵のタイトルは、「良かった」です。
それぞれが辿った道のりの感想です。
そうありたいものです。
東京から妻の友人が今日訪ねてくる。
その人が来るなら会いたいと、さらなる友人が二人加わる。
ファミレスで食事をし、お茶のみのために河岸を替える。
男で言うなら、安酒をたらふく詰め込んだ後に、気に入ったママがいるスナックに移る。
まあ、俗にいう梯子酒です。
今日のタイトルは、「井戸端会議」です。
妻の3人の友人たちが、広島から30分フェリーに乗って我が家にやってくる。
妻も含め4人共、同じ中学校出身です。
午前中に来て料理を皆で用意し、持ち寄ったそれぞれのお気に入りが並び、さあ食べようか。
食べた後は、座敷に移り庭の景色を見ながらお菓子で茶話会です。
妻は、モロヘイヤ入りのパンを焼き、ルバーブジャムを作り、蜜柑とキウイを収穫しました。
誰もが、相手の話を聞きながら相槌を打つ。
不在の亭主のこきおろしから身の回りの面白かったことを話し始める。
どの人も雄弁になります。
罪がない噂話に明け暮れる。
不要と邪魔という理由で、何故だか私は外出することになりました。
いたとしても飾りにもなりません。
口を挟もうにも、糸口が見つからない。
口は開けたが、言葉を発する努力もむなしく、
ハイハイそうなの、良かったねといなされる。
そして、また女たちは話題の連鎖に没頭する。
時々、つままれ放り出される。
「井戸端会議」で、女たちは情報収集します。
都会には、井戸も共同水道も、もうありません。
野菜を洗うことも、洗濯をすることもない。
ファミレスのフリードリンクも飽きてしまうほど美味しくない。
長居をするために、2回も3回も飲んでいるうちに水腹になる。
広島からフェリーに乗って30分かけて来る、誰も歩いていない島も価値は十分です。
話し疲れて、亭主の夕食が心配になるころ散会します。
夕日に照らされる故郷の景色を、束の間堪能しながら、会えてよかったね。
中学までは同じ路線でした。
二十歳を過ぎて、それぞれがアウェーに嫁ぎ、婿取りかのように根が生える。
2024年11月7日
(あとがき)
私は、どこに行きますか。
スナックもなければ、友人と長話もできない。
無趣味の男はパチンコにいって独り時間を潰す。
公認の遊びは、隠れてするときほどワクワクしない。
(筆者の独り言)