さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ニイニイゼミ

2022-07-10 22:19:35 | 昆虫

*2022年7月8日撮影

 猛暑が続くと思っていたら、6月の末には、ここ東北の南部も梅雨が明けたのだそうです。
 普通よりひと月近くも早い梅雨明けです。

 猛暑の中、会津の鶴ヶ城公園にニイニイゼミの声が聞こえています。
 やかましいアブラゼミやミンミンゼミはまだですが、しっとりとチーと鳴くニイニイゼミが例年より多いような気がします。

 草むらの中に、羽化したてのニイニイゼミを発見しました。
 初めての出会いに興奮しながら撮影した写真です。





*2022年7月8日撮影

 これは少し角度を変えて、腹側を撮影してみました。
 朝の9時頃ですが、翅の模様などもしっかりして、もうほとんど成虫として出来上がっているようです。
 まもなく飛び立つのでしょうか。

 ニイニイゼミがとりついているのは、アカネという草でたよりない細い茎です。
 地上20cmくらいの低い位置で羽化しています。





*2022年7月6日撮影

 ニイニイゼミに限らずセミは声はよく聞くのですが、姿を発見するのは至難のわざ。
 なんとか姿を見たいものだと、声がするとおぼしき付近を探すのですが、見つけられないのが普通です。

 それに比べて、抜け殻は草の中や木の枝に容易に見つけることができます。
 まだアブラゼミやミンミンゼミは出てこないので、今見つけるセミの抜け殻はたいていニイニイゼミです。

 ニイニイゼミの抜け殻は、小さくて丸くて目が大きいのが特徴ですが、なんといっても泥だらけであることによって、ニイニイゼミであることを示しています。
 この抜け殻も細い草の葉にとりついていました。





*2022年7月8日撮影

 さて最後にこの写真は何でしょうか。
 ヒヨドリが何かを咥えています。
 親鳥が子鳥のためにエサを運んでいるところかなあと思って撮影しました。
 よく見ると、咥えられているエサはなんとニイニイゼミです。
 ちゃんと伝わるといいのですが、あまりよく分からないかもしれません。

 こんな形でニイニイゼミを紹介するのも珍しいことかなあと思います。
 野鳥のエサとして食べられていることは、個体数が増えている証と見ていいのでしょうか。

ウラギンヒョウモン(蝶)

2022-06-25 22:05:24 | 昆虫

*2022年6月25日撮影

 6月も終わり近く梅雨のさなかですが、今日は晴れて猛暑となりました。
 しかし今年の春を冷静に考えると、どうも一般的に気温が低かったように思います。
 雨の量はそれほど多いわけではなかったのですが、雲が多く風の冷たい日が多かったように思います。

 ここ数日急に暑くなったせいか、トンボや蝶の姿が増えてきました。
 それでも例年よりはかなり少なめだと私は思います。

 一例として、会津の鶴ヶ城公園に毎年たくさん見られたクロイトトンボを、今年は全く見ません。
 2022年の一大異変です。

 それはそれとして、今日はウラギンヒョウモンを撮影できました。
 少し小さめのヒョウモン蝶の一種です。減少傾向にあり、あまり見かけない蝶ということになりつつあります。





*2022年6月25日撮影

 ヒョウモン蝶というのはもちろん、黒点が多数ある「豹紋」模様の蝶です。
 ウラギンというのは、この写真のように、翅の裏側に銀白色の白点模様があることによります。

 同じように翅の裏側に銀白色の模様がある蝶は、オオウラギンヒョウモン、ギンボシヒョウモン、ウラギンスジヒョウモンなど、いろいろあって、じつは判別も難しかったりします。





*2022年6月25日撮影

 ただでさえややこしいヒョウモン蝶の世界ですが、日本のウラギンヒョウモンはじつは数種類に分かれるということが、近年の研究で分かってきました。
 DNA鑑定をきっかけとして、長い時間をかけた実態観察や繁殖実験があったと聞きます。
 こうした研究に携わる人々に尊敬と感謝の拍手を贈りたいと思います。

 この研究の成果として広く受け入れられているのは、サトウラギンヒョウモンとヤマウラギンヒョウモンの2種です。
 そのほかヒメウラギンヒョウモンなども提唱されているのですが、地域限定であったりして、まだ「研究中」扱いのようです。





*2022年6月25日撮影

 さて、サトウラギンヒョウモンとヤマウラギンヒョウモンは、それぞれ生息地のイメージから名付けられたのだと思いますが、実際には里にも山にも両種とも生息するとされていて、判別はなかなか難しいようです。
 前翅の後ろ側の形が、凹んでいるのがサト〜で、凹んでいないのがヤマ〜。
 後翅の裏側の色が濃緑色で濃い色がサト〜、黄緑色で明るい色がヤマ〜。
 という2点が、素人にも分かりやすい識別点だそうです。

 ちなみに今回撮影した蝶はそれぞれ別の蝶ですが、前翅のくびれがないという点でヤマ〜のようなのが最初の写真と3番目の写真。
 2番目の写真の蝶は、サト〜のような色合いです。
 4番目の写真の蝶は、前翅がくびれているように見えるので、サト〜でしょうか。

 しかし同じ場所に入り乱れて飛んでいた蝶が、別種のものが混じっていると言うのも変なことのように思えます。
 やっぱり難しいですね。これらの蝶はどちらなのでしょうか。

アシブトハナアブ

2022-05-08 21:29:01 | 昆虫

*2022年5月8日撮影

 ゴールデンウィークももう終わりです。
 今年は寒い日の多い連休でした。今日も晴れたのですが、肌寒い1日でした。

 蝶が飛び始め、ハチやアブも飛び始めました。
 写真はアシブトハナアブというアブです。
 タンポポの花の上にいるところを横から撮影したので、後ろ足が太いのが見えると思います。
 人で言えば太ももにあたる部分が太いので、アシブトの名がついています。
 アブやハチはみんなそうじゃないかと思う人もいると思いますが、じつはこういうふうに後ろ足が太いのは特別なのです。





*2022年5月4日撮影

 大きなギシギシの葉に止まっているアシブトハナアブです。
 背中の2本の縦縞や、腹部の黄色い模様などが独特で、一度覚えると見間違えることのないアブです。





*2022年5月4日撮影

 花にとりついているアシブトハナアブ。
 この花は、菜の花に似ていますが、ハルザキヤマガラシという花です。
 田の畔などに群生して、遠目には菜の花のように見えますが、草丈や花のつき方が違います。





*2022年4月24日撮影

 4月のタンポポの咲き初めの頃に撮影した、アシブトハナアブです。
 アシブトハナアブはけっこう春の初めから姿を見せます。
 夏の間もいるのでしょうが、あまり目立ちません。秋になるとまたよく見かけるようになります。
 春に見かける個体は少し小さくて、秋に見かける個体は少し大きいように思っています。
 私のたんなる感想です。

アカボシゴマダラ(蝶)

2021-10-28 22:33:37 | 昆虫

*2021年10月28日撮影

 今日は晴れるものと期待していたら、曇り時々雨で、晴れた時間はほんのわずかでした。

 今日は珍しい蝶を見ました。
 写真のアカボシゴマダラです。
 アカボシゴマダラという蝶は、本来奄美諸島のみに分布するとされている蝶です。
 それが近年関東を中心に分布を拡大しているようなのです。





*2021年10月21日撮影

 これは在来のアカボシゴマダラではなくて、中国から持ち込まれた外来種のアカボシゴマダラなのです。
 外来種の例に漏れずこれも繁殖力が強いため、しだいに分布が拡大されています。
 ここ、福島県の会津でも発見しました、という報告です。

 奄美の在来種は生息環境の減少などにより、個体数を減らしているとのこと。
 在来種を守るために、外来種の拡大をとめる手立てはあるのか?
 難題です。

 

オオヨコバイ

2021-10-18 21:49:42 | 昆虫

*2021年10月18日撮影

 もう10月後半、高い山には雪が降ったと冬の便りが聞こえてくるようになりました。
 気温も急に寒くなって、そろそろ冬支度を考える時期のようです。

 秋晴れの良い天気に恵まれた今日ですが、寒い1日でした。
 川沿いのクズの茂みにオオヨコバイがたくさんいました。
 写真のオオヨコバイは、右側の色の薄くて大きいほうが雌で、左の色が濃くて小さい方が雄だと思います。
 雄が雌の方にせまっている図だと思っています。





*2021年10月18日撮影

 これは交尾中でしょうか。
 上になっているのが雌で、下にいるのが雄のようです。
 まだ、求愛中なのでしょうか。

 オオヨコバイは体長1cm以下の小さな昆虫です。
 それでも他のヨコバイ類よりは大きいので、オオヨコバイと呼ばれます。





*2021年10月15日撮影

 セイタカアワダチソウに群がっていたオオヨコバイです。
 下側の2頭は、上が雌で下が雄のようです。オオヨコバイの雄は、雌の下側から近づいて体を震わせて求愛するのだそうです。
 下側のペアと離れて上の方にいる1頭は雌だと思いますが、おしりに丸い水滴をつけています。
 オオヨコバイは植物の汁を吸って生きていますが、排泄物もこんなに美しい水滴になるのでしょうか。
 よくよく見るとこの雌の影にも雄が隠れているように見えます。

 ヨコバイという名は「横這」と書き、人が近付いたりすると、すっと横に動いて葉の裏や茎の裏に隠れることから名付けられたとされています。
 この「横に這う」動きはじつにすばやくて、しっかり見ていないとぱっと消えたと思わされます。





*2021年10月15日撮影

 上にいる雌のオオヨコバイは、やはり透明な水滴を排泄しているように見えます。
 見た目も美しいオオヨコバイですが、排泄物(?)も美しいということにしておきたいと思います。
 下にいる雄は求愛中。

 オオヨコバイは、カメムシ目ヨコバイ科に属していて、大きな分類ではカメムシの仲間ですが、一番近い仲間はセミです。
 体の大きさは随分違いますが、姿形はなんとなく似ているように見えます。