*2023年4月24日撮影
明日からはゴールデンウィークの連休です。
4月に入っても妙に朝晩が寒い日が続きました。ようやく今日から、日中は暑いくらいの気温になりました。
天気というものは人間の都合とは関わりなく、予測不能の変化をするものと、つくづく思います。
カラスノエンドウが花盛りです。
雑草の茂っているところには、もれなく生えているような気がします。
*2023年4月21日撮影
エンドウの名がついているので、いわゆるエンドウマメの一種です。
サヤエンドウのような実がつくのですが、食用のサヤエンドウよりは小さくて、熟すと種子もサヤも黒くなります。
この黒い実がカラスにたとえられて、カラスノエンドウというわけです。
別名はヤハズエンドウといい、こちらの方が植物学界では標準的な呼び名とされているようです。
しかし、一般的にはカラスノエンドウという名のほうが普通に使われています。
*2023年4月23日撮影
これはカラスノエンドウに似た草ですが、花が小さくて白っぽいので違いはすぐ分かります。
白紫色の小さな花は、葉の根元から伸びた柄に、ふつう4個づつ付きます。
花だけでなく草丈も含めて全体的に小さいので、カラスに対比してスズメというわけで、スズメノエンドウと名付けられました。
ちなみに、カラスノエンドウの花は紅紫色で、葉の根元に1個から3個付きます。
2023年4月23日撮影
カラスノエンドウとスズメノエンドウは、しばしば混在していて、当然のようにカラスノエンドウは目立ちますが、スズメノエンドウはよくよく見ないと目につきません。
なのでスズメノエンドウはあまり世に知られていません。
2023年4月24日撮影
そしてもうひとつ、カラスノエンドウに似た草がこれ。
花はスズメノエンドウよりは大きくて、薄い紫色をしています。
それでも、カラスノエンドウよりはずいぶん小さくて、花の色もカラスノエンドウよりは地味な色をしています。
カラスとスズメの間だから、カスマグサだという、冗談のような名付けがされました。
エンドウマメの仲間なのに、エンドウという名が付けられなかったのは、どういうことでしょうか。
*2023年4月24日撮影
カスマグサはカラスノエンドウやスズメノエンドウと混在することもありますが、単独で群生することが多いようです。
そもそもカスマグサは他の2種よりずっと少なくて、なかなか目にしない植物だと思います。
この写真のカスマグサの花はみなつぼみです。
これはこれで、風情があります。
*2023年4月21日撮影
カスマグサの花は、葉の根元から伸びた柄に1個から3個付きます。
花の付き方はカラスノエンドウと似ています。
カラスノエンドウよりは柄が長いところが違います。
*2023年4月21日撮影
この3種の野生のエンドウは、食用のエンドウマメと近縁種で、いずれも食べることができます。
カラスノエンドウは3〜5cmのサヤの中に10個ほどの豆ができ、スズメノエンドウは1cmくらいのサヤの中に2個の豆、カマスグサは1.5cmくらいのサヤの中に4個の豆ができます。
エンドウマメと同じように、まだ熟さない緑色のうちに茹でて食べるわけですが、味の方は保証の限りではありません。
これらエンドウマメ類は、中央アジアを原産地としていて、各種の豆類の中から現在のエンドウマメにつながる種が選ばれて、栽培と品種改良が進められたと考えられます。
カラスノエンドウなど3種は、残念ながら選ばれなかったというわけですね。