虫屋のEEZ!
*EEZ=本来の意味は、排他的経済水域( Exclusive Economic Zone)のこと
排他的=自分や自分の仲間以外の者を退けて受け入れない的なこと
*虫屋=ここでは虫を愛好する者全般のことを意味し、生業を意味しない
みなさんは自分だけの採集ポイント・観察ポイントを持っていますか?
フィールドに出る方ならほとんどの人が自分だけのポイント
或いは自分と信頼する仲間だけの秘密のポイントを持っていると思います。
それは、クワガタムシやカブトムシだけに限りません。
蝶・カミキリ・コガネ・ハナムグリ・水生昆虫などあらゆる種に及び
フィールドに出れば出るほど自分が得意とするエリアや、場所は増える傾向にあります。
そして、地理的なことの他にも経験から得た知見は蓄積され
いつの間にか多くの情報を抱え込みます。
私はこれらのことを、虫屋のEEZ「排他的採集領域」みたいに感じることがあります(以下EEZ)
↓ 近くには秘密の棲息場所があった(キベリハムシ)
このEEZは、自分一人だけで抱え込みの場合は比較的平穏です。
誰かと共有した場合は時にセンシティブなものが入り込み
一旦嫌な方向に向いてしまうと
真実・誤解含めてちょっとしたトラブルを引き起こすこともあり
他の誰かに無断でポイントを教えたとか、ポイントを荒らしたなどという話は
昔からある虫屋のEEZ的な、代表的トラブル話です。
↓ ひっそりこっそりクワガタ探し
↓ 標高1000m超のブナ帯の黒カナブン、おそらく県下分布の最標高
↓ 不意に飛んでくる場所がある、ヨコヤマヒゲナガカミキリ
↓ ○○のニシコルリは相対的に大きいと感覚的に感じている
私は「秘密のポイント」という言葉が好きです。
時には自分の「秘密のポイント」を誰かと共有することもありますし
逆に、誰かに教えてもらった「秘密のポイント」もあり、それは敬意のポイントです。
↓ 敬意のポイントにてライトトラップ成果(全部オオクワガタ)
↓ 絶対誰も探さない場所のマダラクワガタ
↓ ブナ帯のチャイロスズメバチ
↓ カバフキシタバが飛んでくる場所がある
↓ ムラサキシタバ、さすがに大きくキレかった!
↓ ルッキングで見るヒメオオクワガタ
↓ ○月○○ころは金色ミヤマが期待できる
飼育のEEZ!
例えば、ほんの数年前までは検索してもヒットしなかったチャイロマルバネのマットレシピが
この2~3年でいくつかヒットするようになり、それまでやや独占的であった㊙マットも
今ではレシピが愛好家に浸透しつつあり
飼育の排他的な部分が少しずつ解放されてきたように感じます。
↓ 浸透しつつあるチャマルマットのレシピ
↓ チャマル・インビタ・ブルークツヤなどに汎用性あり
↓ 汎用性のあるマットで育ったブルークツヤクワガタ
↓ インビタにも汎用性あり
ツキノワグマのEEZ!
私の行動範囲はツキノワグマのEEZと被ります。
近年ツキノワグマはしれっとEEZを拡大しつつあるようで
各地でクマの目撃情報や、被害報告が増えています。
20年ほど前なら、クマがいるといわれているブナ帯でも実際にクマを見たことはなく
熊に対する恐怖心もほとんどなかったので、一度は近くで見たいと思っていましたが
今は、複数人で入山してもクマの心配は抜けません。
最後に
今回は「虫屋のEEZ」と題して
少し深く、伝わりずらい記事になってしまったかもしれません。
春は手の届くとこまでやってきました。
今年も多くの人にお世話になりながら、虫屋を楽しんでいきたいと思います。