新年あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします。
昨年の秋くらいから小屋の飼育スペースに余裕が出てきたため
3か月ほどかけて少しずつ飼育種を増やしてきました。
令和四年、最初の記事はホラサビクワガタです。
ホラサビクワガタは、1属1種のホラサビクワガタ属に位置し
市場では「ペルフォラトゥスサビクワガタ」と総称されていますが
以下の2亜種からなります。
Foraminis perforatus perforatus (Ritsema,1885)
分布:マレー半島,スマトラなど
Foraminis perforatus sabanus (Nagai,1994)
分布:ボルネオ
今回の飼育種は後者のsabanusになります(以下サバナス)
藤田宏著「世界のクワガタムシ大図鑑・6」によると
サバナスの体長は、オス16.3〜24.9㎜・メス15.7㎜ですが
手元の飼育個体はそれより遥かに大きく
オスは27㎜台、メスも17㎜ほどあります。
飼育個体とはいえ、あまりにも差があるため
そのうち野外でもこのクラスの個体がみつかるのではないかと思います。
ホラサビクワガタは非常に特徴的なクワガタで
例えば、オスの大アゴは左右非対称、頭部には角のような突起
その突起下には円形のホール(穴・洞)があります。
それらは、それぞれに役割があるはずなのですが
現時点で詳しい資料を見つけることはできていません。
↓ 左右非対称の大アゴと頭部の突起
↓ 大アゴは閉じるとうまくかみ合う
↓ ポカリと開いたホール
↓ ホールに付着物はさほどなく、空間は保たれてみえる
↓ 腹面から
↓ メス腹面 ホールらしきものは見当たらない
↓ メスの符節がホールに引っかかるとオスは攻撃〜逃避行動をとった
↓ 頭部の突起はホールを保護するためか?
また、サバナスの体色は体表が湿った状態ではあずき色となり
乾燥するにしたがって黄土色系に変色します。
例えば、体色が黄土色の時
ティッシュを濡らして体表を湿らすとすぐさまあずき色になりますが
放置すると短時間で黄土色に戻ります。
野外ではその時の天候や環境に合わせて体色を変化させることで隠蔽し
捕食者には見えていても、捕食の対象から外されるための戦略ではないかと想像します。
加えて湿度調整の役割や
もしかしたら、体表には肉眼では見えない菌類も共生しているのかもしれません。
↓ 体表に目に見えた微毛はみあたらない
↓ 変色が始まる
↓ 体表を湿らせる ↓ 1分経過
↓ 2分経過 ↓ 4分経過
↓ 脚部・触覚まで変色する
↓ メスも同様に変色する
↓ 前胸後方左右には凹みを持ち、側縁と脚部には刺毛がある
これらペアの羽化日は不明ですが
2021年12月下旬時点でテネラルな状態は過ぎているように見えるものの
ゼリーを与えても動きは鈍く、本格的に活動するにはまだ少し時間がかかりそうです。
↓ 後食はまだ積極的ではない ゼリーの液が付いた部位は変色
↓ 管理温度は他種との関係で18〜20度
最後に
はじめて手にしたサバナスはとんでもなく奇怪で、衝撃的でした。
正に「ホラサビクワガタ」です。
見れば見るほど不思議な形ですが
もしかしたら、飼育することで新しい発見があるかもしれません。
参考文献: 藤田宏,2010.世界のクワガタムシ大図鑑・6.むし社.
大変ご無沙汰しております。
ホラサビクワガタ、非常におもしろいですね。是非、生態を観察していただきたいです。私のブログは、中々更新してないですが、チラホラとインビタビリスも羽化してきてます。
こよみさんのところで、ブルークツヤの雄の羽化、楽しみにしております。本年もよろしくお願い致します。
今年もよろしくお願いいたします。
ご無沙汰しています。
ホラサビは本当に不思議な形で面白いです。
週末から産卵セット内に同居させて様子を見ているところです。
たくさん増えて成虫をまとめ飼いしたら何かわかるような気もしています。
インビタ羽化おめでとうございます!
ブルークは春までに羽化してくれると思います。使用したマットは、以前お送りしたマットに赤枯れを40%ほど混ぜたもので、生存率も生育もよいようです。
同じマットでコツヤも育っています。