土曜日は恒例の公民館英語の日だった。
コロナ禍のなか出席者は少ない。
十二月はクリスマスの季節なので例年のように今年も
クリスマスにまつわる話題に話が集中する。
今年は「クリスマスの思い出」というテーマで語って
もらうことにした。
一人一話ずつ、なるべく英語で、無理な人は日本語
まじりでも良いことを条件にした。
病院で働いているNさんは、ご主人を亡くされ、お子さん
は成長して家を離れている。
毎年この時期になると職場からクリスマス・ケーキを
贈られる。家に持って帰るが一人身なので食べきれません
という話であった。
ケーキの話が出たついでにSさんも続ける。
彼女は小学生のお孫さんがいるのだが、今の子らは
学校の給食でケーキとチキンが出されるのだという。
我々の子供の頃はミカンが一個ついたくらいの質素な
ものだった。
時代ですね、とみんななうなずいていた。
最後に自分のことになるが、私は定年退職後に就いた第二の
職場である学習塾に十三年間勤めていた。
塾の社長というか経営者から毎年クリスマスの時期になると
我々講師の一人一人にケーキが送られるというのが恒例に
なっていた。
家に持って帰って開けると中にカードが入っていて「お疲れ
さまです。日頃生徒の指導に~云々」とねぎらいと感謝の言葉が
記されていたものだった。
十二月というのははまさに冬季講習の真っ最中で多忙な日々であった。
あの頃のケーキの味がなつかしいこの頃である。