時には昔の話を。
先日ウオーキングの途中でヤマモモの木に出会った。
歩いていると地面に小さな薄赤い実が敷き詰められているように落ちていた。
六月の今頃になると実をつける。
これが落ちていると必ず近くにヤマモモの木がある。
と思って見上げると実をいっぱいにつけた少し小ぶりの木が立っていた。
ヤマモモの木には思い出がある。
昔、夫婦で伊豆地方へ旅行したことがあった。
山を散策していてこのヤマモモの木に出会ったのである。
季節はちょうど今頃で、やはり同じように地面いっぱいに実がころがり
落ちていた。
宿に着いてからおかみさんにその話をすると、この辺ではヤマモモのことを
ヤンモと呼ぶんですよ。と言い、さらに「ヤンモをつけたヤンモ酒がありますから
もしよかった飲んでみますか。と言い、台所から出して持ってきてくれた。
ちょうど梅酒のような感じで、酸味は全然なく甘い。色がヤンモの実の色を
そっくり映し出していて実にきれいな薄紅色だった。
翌日は近くに公営の温泉があるというので二人で出かけてみた。
踊り子温泉会館という名前がついていた。
伊豆の山を眺めながら露天風呂にゆっくりと浸かっていたものである。
楽しかった伊豆旅行のひとコマである。