好きな食べ物の一つに豆腐がある。
好きな順に並べるとベストテンに入るくらいだし良く食べもする。
夏でも冬でも煮て食べる。一緒にに似る食材が何もないときでも
缶詰の鰯や鮭なんかと一緒に煮るとうまい。(歯が弱ってきている
事を白状しているようなものかも)
朝ドラのカムカムで「るい」が小さな鍋を持って豆腐屋さんから
帰ってくる場面がある。
ひと昔前まえではどこでも見られた光景だ。
今はスーパーで包装されたものを買うしかない。近所に豆腐屋さんが
ないからである。
磯田道史著作の『江戸の備忘録』という本に「京都の豆腐、江戸の豆腐」
という話がある。
それによると、江戸時代、豆腐の味は江戸と京都では大きく違った
という。江戸の豆腐は固く、京都の豆腐はやわらかく味もよかった
ということである。元禄十年刊行の『本朝食艦』という江戸時代の
料理本によれば京都の豆腐は「絹豆腐のように、やわらかくて
キメが細かく、真っ白でうまかった」という。
著者は史料を読み込んだうえで語っているのだからこれほど確かな
ことはない。
近頃の豆腐は工業製品になってしまった、とも言う。
たしか、作家の村上春樹も似たようなことを書いていたように思う。