食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

小笠原

2010-01-05 08:01:22 | 日記
 未だに、オフサイドがきちんと理解できていない自分をして、サッカーのイロハを語る資格はないのだが、、、、、


 素人目からしても、首を傾げたくなるような人選がある。


 鹿島アントラーズ3連覇の立役者で、去年、Jリーグ最優秀選手に輝いた小笠原に関してである。


 はからずも、岡田氏が全日本の監督に就任して以来、小笠原は一度もオールジャパンに召集されていないのである。。。


 勿論、サッカーはチームプレイであり、勝つ為の策略は指揮官である監督に一任されている。


 戦場で、決断力に欠け、兵士達を血迷わせる指揮官ほど大愚はない、ことも十二分に承知している。


 しかし、小笠原は控えめな評価を下しても優秀である、と言わざるをえない。とりわけ、スタンドプレーを好みチームワークを掻き乱すような性格にも見受けられない。


 何故、岡田監督は小笠原を起用しようとしないのだろうか?


 あるいは、「一生懸命頑張っても、必ずしも成功するとは限らないんだよ」という人生の厳しさを、暗喩で、サッカー少年達に諭しているのだろうか?


 当然ながら、人事権を行使する場合、とりわけ勝負の世界において、監督個人の感情移入はご法度である。


 選手個人のキャラクター、人気等の付加価値を熟知した上で、冷静に実力から割り引いて見る必要がある。


 しかし、どうしても、前回、創価学会の会員という理由だけで、トルシエ前監督に嫌われ、全日本メンバー入りできなかった中村俊輔に、小笠原を重ねてしまう。



 勿論、さすがに論文の書けない人を教授にしてしまうような、実力のない人を監督の肝入りで全日本入りさせてしまうような、ハチャメチャな人選はないにせよ、、、、、


 スポーツの世界に身を埋めている彼らが、実力評価という生命線そのものを断ち切られたとしたら、そのモチベーションを何処に持っていけばよいのだろうか?


 昔、三島由紀夫が選考委員長をつとめていた、文学賞で、深沢七郎作「風流夢譚」 が大賞をとった。


  内容は、共産党系天皇批判であり、三島の思想とは対極に位置するものである。


  しかし、三島自身の感情ではなく、「いいものはいい。きちんとしたものはきちんとしている」という選評で、この作品に決定された。




  岡田ジャパンの最終兵器として、小笠原が直前招集されることを願っている。