
子供の頃の我が屋の風呂の煙突もかまどの煙突も細くて
サンタさんは入れないのかなぁ…と。
昭和20年代の終わりころ、一度だけサンタさんが
やって来たことがあります。
25日の朝 目が覚めると枕元に朱い手提げバックがあったのです。
もう飛び跳ねるくらい嬉しくて、抱えて両親に見せました。
サンタさんではなく父か母が買ってくれた事はわかっていたと思います。
その頃は財布もなくてハンカチに小銭を包んで歩いていました。

お正月、その頃一番の楽しみだった映画にバックを下げて出かけました。
休憩の時間に、バックを椅子に置いて立ち上がると椅子はバネでパタッと持ち上がり
バックは背もたれとの間に挟まってペッチャンコに・・・。
私は泣いたのかしら…どんな顔してたか…
家に帰って新聞紙を一杯詰めたことだけの記憶。
乏しい時代の赤いバック、人生最高のバックの思い出です。
