街の記憶
2019年01月12日 | 花

お正月休みが終わり久しぶりに自転車で走りました。
今年はずっと天気が良くて自転車族には好都合です。
走っていると通りに面した一角をショベルカーがガンガン掘り起こしています。
あら、何かできるのかな?
この間までここに何があったのか?・・・思い出せないのです。
もう20年近く月に何度も通る道、自転車なので結構辺りを見ながら走っているはず。
何があったのかな~と考えながら走ると「パーソナルトレーニングスタジオ」の看板が。
あら、昨年末迄こんなの無かった。今までここは何だったのだろう?さっぱり思い出せません。
先日もビルの6階から見下ろすとすぐ向こうで大きな工事が始まっていました。多分マンションだろうと
思われる工事、一緒に見ていた友人と「以前は何があったかしら?」と。大きな空間なので小さな建物
ではなかったはず。何度も見下ろした窓からの景色なのにちっとも覚えていないのです。
老化なのか認知症の始まりか・・・ずっと前から私はこうだったと思います。
街の中でも買い物や病院など特に自分に用があるか、食べ物屋さんやショーウインドウがカッコいい
車屋さんくらいしか印象に残っていない。
そこが次に何かになっても自分に縁のない所なら見ただけでまた記憶から消えてしまうでしょう。
そんなことを想ったのは、建物も自分も同じだろうと思えたからです。
良くも悪くも特に名を残した人でもなければほんの近しい人以外はみんな記憶から消えてゆくのだと
思うと、自転車を漕いでいる自分はいったい何なのだろうと不思議な気分でした。
築40年近い我が家、調べれば家の下には縄文時代から古墳の端っこまで埋まっているはず。
みんな忘れ果てて知らん顔して何代にもわたってその上に家を建てて暮らしてきたのです。
そしていずれは私が暮らしたこともすっかり忘れられる。すっかり消えてゆくことはかえって
爽やかな気がします。
といってもあと数十年は消えるつもりはありません。念のため。
・・・新年に妙な事を考えていた日でした。
