本日(8月24日)付・中日新聞第一面に “集団的自衛権”【憲法解釈「最終判断は内閣」】との見出しがあった。内閣法制局
の長官に起用された『集団的自衛権行使容認派』の小松一郎氏の言葉だ。
内閣法制局は、政府が国会に提出する法案などが憲法や他の法律と矛盾していないか審査する機関で、今まで政府の憲法
解釈を担ってきた。「法の番人」とも呼ばれている。
ところが、法務局に勤務した事のない元フランス大使である小松氏は、憲法解釈の「最終判断は内閣だ」と公言し「内閣法制
局の任務を定めた法律には『法の番人』とは書かれていない」と述べ、客観的判断に消極的な姿勢も示している。
己自身の存在理由をも否定するような権力の集中を促す誤った見解だ。集団的自衛権については、1981年5月の政府答弁
書で「憲法9条で許容される自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきで、集団的自衛権
の行使は、その範囲を超え許されない」との統一見解を示している。内閣法制局を退任し、最高裁判事に就任した山本康幸氏
は、「集団的自衛権の行使は、従来の憲法解釈では容認は難しい。」と就任会見で述べておられるが、正にその通りだ。
安倍首相は、己達の策に賛同する都合の良い人を起用して内閣法制局を形骸化し、集団的自衛権行使が出来るように憲法
解釈をも歪曲するつもりだ。憲法を改悪する前に「解釈そのものを変えてしまえ」と、次から次へとユニークな案を出してくれる。
参議院が与野党逆転である状態を「捻じれ」と言い、「捻じれ解消」が良い状態であるかのように選挙に向けて報道した御用メ
ディアは、本当に罪深い。お陰で、自民党に票を入れた何~にも知らない民は、己で己の首を絞めるような状況に陥るのだ。
与党政治家は、国民が知らない間に「こそっと」己達に都合の良い策を勧めていたが、今では、堂々と己達の策謀を晒すように
さえなってきた。我ら民は、彼らに舐められているのでしょうね。
自民党案の憲法になってしまうと、我らはこの国の主権者ではなくなり、為政者や権力者のやりたい放題、官憲社会の到来!
☆憲法が変わっちゃったら どうなるの?~自民党案シミュレーション~
~この案の通りに「憲法」が変ると、私たちの生活は かなりガラリと変わりそうです。~
【国家と国民の関係】(立憲主義)
今の憲法は、国民が自分達の自由や権利を宣言し、政府が独裁的な政治をしないように見張るという、民主主義の国では当
たり前の形をとっています。
ところが、自民党案では、国家が国民に対して 「この範囲の自由なら認める」と、上から目線で“授ける”法律へと根本的なス
タイルが変ってしまいます。
【表現の自由】
自分の考えた事、思った事、感じた事を自由な形で表現する事は、人が生まれながらにして持っている権利です。
しかし、自民党案では、こういった表現活動が法律や公の秩序といった解りにくい理由によって、制限されたり処罰されかね
ない事になってしまいます。
【戦争する国へ】
武力を持たず、あくまでも話合いで、国と国との衝突を解決する平和主義、戦争の放棄を止め国防軍を創設します。
国防軍では、国外では日本と同盟を結んでいる国が戦争を起こした時は、それに参戦し、又、国内では、治安維持活動として
国民の行動を制限する事も出来る強大な権限を持ちます。
【社会保障】
貧富の格差をなくして、人々の生活水準を安定させるのが国家の責務です。
ところが、自民党案では、家族の扶養義務が強調されて、国の責務である筈の生活扶助の多くが家計の負担となりかねませ
ん。又、医療・福祉・教育など住民に身近な行政は、地方にまかせっきりになり、自治体ごとにサービスの質のばらつきが激しく
なります。
【緊急事態宣言?!】
戦争や大規模な災害の際、内閣総理大臣が「緊急事態宣言」をすると、内閣が国会で話合う事なく法律と同じ力を持つルー
ルを定める事ができ、国民は、これに従わなければなりません。
【改正手続きの緩和】
さまざまな人権や戦争放棄を宣言した憲法は、時の政治権力が自分に都合よく簡単に変えてしまわないように、改正の手続
きを厳しく定めています。
自民党案では、その改正手続きをとても緩やかにし、簡単に憲法を変えられるようにします。自民党は、7月の参院選で勝て
ば、早速、ここから改正を勧めると話しています。
(その通りになっています。今、国民が異議を申し立てて反対しないと、国民の命や権利が蔑ろにされる恐怖政治の到来です)
*【動画】憲法が変わっちゃったら どうなるの?~自民党案シミュレーション~(明日の自由を守る若手弁護士の会)