最近は、“放射能に汚染された食品を食しても大丈夫のお話”も以前の原発安全神話のように露骨なものではなく、微妙
な“放射性物質の暫定規制値安全講和”や“肉に○○○○ベクレルのセシウムが出ても1年間食べたところでこれだけ”と云っ
た、それだけ一品のシーベルト値を計算して全然問題なしと結論している、『放射線防護』の弁も聞かれる。
少し前の中日新聞に佐久大教授(放射線防護)が「正しく恐れる食生活を」と云う題で「今回の原発事故での放射線への対応
が冷静でない」旨を述べ「100ミリシーベルト未満ならがんの発生率に差はない。短絡的な報道で集団心理による不安が広がっ
ている」「1293Bq/kgの牛肉を毎日100g1年間食べても0,24ミリシーベルトにしかならない。」そして、「調理法や洗浄である程
度は汚染物質が落ちる。カリウムをしかっり取り、運動して好き嫌いなく食べれば、セシウムは身体から排泄され易い」との事。
氏は、栄養価が高いので玄米で食されているとも述べていた。
この記事に対する意見として、「海外でも機関によって規制値は違う。低線量健康被害は、分かっていない事が多く、なるべく
取らないように心がけるしかない」との大沼章子教授の言葉も載せられていた。
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危機管理と云うのは、分かっていない事があればそれを「リスク」として管理していくのが原則。放射線防護の見地からなら尚
更で、「100ミリシーベルト以下では癌のリスクも大したことがないような文言」は、健康被害を防ぐと云う考えからかけ離れてい
る。それに、放射線による健康被害は、癌より免疫機能不全による病気発症が多いのだ。放射性物質は、セシウムだけではな
く大変厄介で怖い「ストロンチウム」「プルトニウム」等などあるのだ。セシウムが多ければ、ストロンチウム含有の割合だって多く
なる。ストロンチウムは、排出しないので体内に取り込むと微量でも将来に亘って健康に多大な影響を及ぼす。
そして、放射線の発癌機構には“バイスタンダー効果(被曝した細胞から周辺の被曝しなかった細胞へ遠隔的に被曝の情報
が伝えられる現象)や遅延型影響(放射線被曝によって生じた初期の損傷を乗り越え生き残った細胞集団に『遺伝的不安定
性』が誘導され、長期間に亘り様々な遺伝的変化が非照射時の数~数10倍の高い頻度で生じ続ける状態が続く現象)があり
(実験で検証済み)放射線で被曝しなかった細胞であっても発癌する可能性が高いといわれている。
低線量でも健康被害のリスクがあると云う事を検証しています。↓
☆低線量被曝ガンリスクで重要論文10ミリシーベルトでガンが有意増加http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/11/cancer-risk-significantly-rises-at.html