森友学園への国有地売却に係る諸々の疑惑を少しでも解明する為に開かれた国会での証人喚問は、ほぼ予想通りでした。
証人の立ち位置を考えると、真実を語る事は限りなく不可能だと思っていましたから。
それでも、この証人喚問は、議員の質問内容と証人の応答・態度を観察することで、森友疑惑の両者の関係性を確認することができ
たという点で意味あるものでした。映像で見るのと文字だけとは、大違い。「目は口ほどに物を言う」んですね。
与党議員の証人に対する言葉の丁寧さと態度は、アメと鞭を内在しているかの如くで、証人と与党との関係を露わにしたものでした。
丸川議員と証人の質疑応答は、正に阿吽の呼吸。濃厚な関係であるボスと部下の会話を聞いているが如く。
「安倍首相に100万円をご寄付頂きました」(安倍首相は否定していましたが・・・?)「安倍明恵さんに『いい土地ですから前に進め
てください』とおっしゃって頂きました」(安倍首相によると「妻はそんなこと言っていない」そうですが・・・?)と、安倍政権を敵に回し
た発言をした籠池氏の証人喚問とは対照的でした。
佐川氏の証言拒否はおよそ50回。共産党参院議員の質問にはゼロ応答。ただ、「安倍首相・明恵さん、官邸関係者や政治家の関
与」についての与党の質問には、間髪入れずに「ございません」とはっきり否定。根拠を示すことができないのにも関わらず、強い口
調の応答でした。安倍首相の「~首相も議員も辞める」の発言とダブりましたが。
衆院議員宮本岳志氏「昨年2月、記録は廃棄したと答弁したのは虚偽答弁ですか?」
佐川氏「廃棄を確認したわけではなく、『文書の取り扱い規則』を確認したと答弁したのです」
この一般社会や企業では全く通用しない詭弁に委員会は騒然としていました。
誰でも分かる嘘を大のおとなが公の場で質問者や国民に向かって言うか?!と、少々ビックリ。
とても恥ずかしくて言えない詭弁(嘘)を平気で言える心情は、理解不能です。(身を守るのに必死なのかな・・・)
今回の証人喚問では、質疑応答の内容や彼らの対応で其々の関係性を見る事ができました。
この疑惑の国有地売却に関係した職員は、ことごとく「退職・異動」をしています。
国民には、真実を知る権利があります。
森友疑惑の解明は、始まったばかり。
売却に関係した人達を国会に招致しなければ、国民は真実の一端を見ることも知ることもできません。
御用達放送局が、この問題ばかりに関わっていないで「山積する問題を進めるべき」という声をわざわざ拾って報道していましたが、
この疑惑は、日本が世界の中で民主主義国家として認識されるか否かの重大な問題なのです。
ウヤムヤにすれば、この国が政権の独裁で運営されていると他国からは認識されるでしょうね。
政権側の思惑だけで、様々な「山積する問題」を進めていっても我ら国民には何の益もないどころか害悪になるのです。
我らの判断力の低下は、独裁を招くということを肝に銘じるべきですね。
独裁での政策決定が、国民に何の益ももたらさないことだと認識しなければ、主権者である国民の生活環境は悪化の一途を辿ること
になるしょう。