朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
田や畑のフレコンバッグは日常の景色となりて菜の花の咲く
(茂原市)植田辰年 (4/2 高野公彦、永田和宏選)
トラックが悲鳴あげてる五輪までに運びきれないフレコンバッグ
(石川県)瀧上裕幸 (4/2 永田和宏選)
線量の無き様にある山桜忘れはしないが知らぬ振りです
(さくら市)大場公史 (4/2 馬場あき子選)
帰還(かえ)れずに他市(よそ)で入学する子いて福島の避難者なお五万人
(福島市)青木崇郎 (4/8 佐佐木幸綱選)
蕗(ふき)の薹(とう)フレコンバッグの丘に伸び妻と摘みたる昔日を思ふ
(須賀川市)伊東伸也 (4/22 佐佐木幸綱選)
「七年が過ぎたのですね」「七年も続いているのです」積む廃棄物
(横浜市)細野八重子 (4/29 馬場あき子、佐佐木幸綱選)
セシウムが一日20億ベクレル海に漏れてる八年目の春
(福島市)澤正宏 (5/6 馬場あき子選)
フレコンバッグ撤去の土手にニリンソウ、アズマイチゲとカタクリの花
(福島市)美原凍子 (5/6 佐佐木幸綱選)
取り敢えずと庭に置かれし汚染土が四年経て今運ばれてゆく
(福島市)稲村忠衛 (5/13 馬場あき子選)
太陽が海から昇る双葉町にもう戻らない昭和懐し
(二本松市)開発廣和 (5/20 佐佐木幸綱選)
七年を経たる樹木の繁茂してアンコールワットになるやわが郷(さと)
(二本松市)開発廣和 (5/20 高野公彦選)
フクシマの常磐道の新緑の中をポルシェが疾走してゆく
(いわき市)守岡和之 (5/20 高野公彦選)
福島の何も戻らぬ春惜しむ
(福島県伊達市)佐藤茂 (4/8 長谷川櫂選)
ふくしまの何時の日か共に山笑ふ
(豊橋市)田中吉弘 (4/15 長谷川櫂選)
福島のさまよふ春の惜しまるる
(福島県伊達市)佐藤茂 (5/13 長谷川櫂選)
ゴム風船被爆の空で破裂せり
(大村市)小谷一夫 (5/13 大串章選)
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