かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(64)――朝日歌壇・俳壇から( 2020年9月6日~9月20日)

2020年09月20日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

原爆の地をふるさとに持つ父の八月六日静かなる背な
       (明石市)小田龍聖  (9/6 馬場あき子選)

「黒い雨」再検証を言ふ首相 山ほどされるべき側が言ふ
       (京都市)森谷弘志  (9/13 高野公彦選)

(つい)の日は郷里に還ると決めている原発事故で汚されていても
       (いわき市)多田千恵  (9/13 永田和宏選)

原告の喜びどこへ黒い雨に寄りそふとふ舌上告をせり
       (東京都)佐藤雅子  (9/13 永田和宏選)

 

口開けたまま眠りゐる原爆忌
       (廿日市市)伊藤ぽとむ  (9/6 高山れおな選)

広島は夫の故郷原爆忌
       (北海道音更町)信清愛子  (9/6 稲畑汀子選)

語部の自ら絶句原爆忌
       (横浜市)松永朔風  (9/6 大串章選)

水の星汚しまくりて星祭る
       (鹿児島市)青野迦葉  (9/13 高山れおな選)

(かばね)なき死に堪へゐたり原爆忌
       (羽村市)寺尾善三  (9/20 長谷川櫂選)

汚染土の見渡すかぎり天高し
       (福島県伊達郡)佐藤茂  (9/20 長谷川櫂選)

(しかばね)の強き訴え原爆忌
       (堺市)田宮美千代  (9/20 大串章選)

原爆の広場に鳴ける法師蝉
       (福岡市)前原善之  (9/20 大串章選)

 

 

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