かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(66)――朝日歌壇・俳壇から( 2020年12月6日~2021年2月21日)

2021年02月22日 | 読書

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

(お)らの海さ捨(なげ)ることしか考えねえ福島原発溜る汚染水
       (所沢市)風谷螢  (12/6 馬場あき子選)

逃げ場なき島から見つむ再稼働容認派の長選ばれゆくを
       (佐渡市)藍原秋子  (12/6 佐々木幸綱選)

税金と電気代にて莫大な原発事故の経費を賄う
       (三郷市)木村義煕  (12/6高野公彦選)

原発と石炭火力の我が町の山は針山鉄塔並ぶ
       (敦賀市)小島順一  (12/13 佐々木幸綱選)

原発の被災地に住む柳美里氏をおらほうの作家と小高の人言う
       (下野市)若島安子  (1/18 高野公彦選)

小惑星の砂持ち帰る技術あれど事故炉の内部探り切れない
       (郡山市)柴崎茂  (1/24 高野公彦選)

白血病癒えぬを嘆かひ息絶えし炉心近くに働きし友
       (静岡県)半田豊  (1/24 馬場あき子選)

炉の釜の上ぶた裏に付着する京(けい)のレベルの放射セシウム
       (郡山市)柴崎茂  (1/31 佐々木幸綱選)

唯一の被爆国が加入せぬ核禁条約たくましく発つ
       (安中市)鬼形輝雄  (2/21 馬場あき子選)

 

原発の見ゆる峠や枯木立
       (秋田市)松井憲一  (12/6 大串章選)

原子力十万年の冬に入る
       (福島県伊達市)佐藤茂  (12/20 長谷川櫂選)

 

 

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