かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(62)――朝日歌壇・俳壇から(2020年4月5日~6月21日)

2020年06月21日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

廃炉には冥(くら)くて遠しと憂ひ詠む科学者歌人兼位(かねのり)氏逝く
       (武蔵野市)三井一夫  (4/12 馬場あき子選)

 

処理水を放てば風評必至なり浜人をまた苦しめる春
       (福島市)青木崇郎  (4/12 佐々木幸綱選)

 

双葉駅のホームに太鼓鳴り響き九年ぶりに列車入りくる
       (茂原市)植田辰年  (4/12 佐々木幸綱選)

 

除染という殺戮ありし旧校地に花壇を逃れ咲けりムスカリ
       (福島市)中村晋  (4/19 佐々木幸綱選)

 

核兵器持つ大国も0.1ミクロンの敵にあたふたしをり
       (三原市)岡田独甫  (5/24 高野公彦選)

 

フクシマとオキナワの感染者数 かずの向こうの暮らしをおもふ
       (北九州市)嶋津裕子  (5/31 高野公彦選)

 

マスクして原発逃げた九年前皐月の空に今またマスク
       (いわき市)馬目弘平  (6/7 馬場あき子選)

 

 

ウィルスと核の地球や涅槃西(ねはんにし)
       (東京都)片岡マリ  (4/5 大串章選)

 

蛇穴を出てフクシマの風の中
       (いわき市)馬目空  (4/19 長谷川櫂選)

 

フクシマの巨大焼糞冬ざるる
       (いわき市)馬目空  (4/26 長谷川櫂選)

 

福島を離れたままの春惜しむ
       (福島県伊達市)佐藤茂  (4/26 長谷川櫂選)

 

葉桜や人家の跡の爆心碑
       (長崎市)佐々木光博  (5/24 大串章選)

 

福島に倒れたままの春惜しむ
       (福島県伊達市)佐藤茂  (5/31 長谷川櫂選)

 

沖縄の足らぬ屍(かばね)を原爆忌
       (堺市)濱田昭  (6/21 長谷川櫂選)

 

 

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