朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
原発をリードした中曽根康弘も集団的自衛権は認めざりしに
(長野県)小林正人 (6/22 高野公彦選)
木枯らしの音なり春の夜の風が吹いても被曝牛は生きてる
(川越市)小野長辰 (6/22 馬場あき子選)
戦場の村過ぐるごと野に庭に堡塁のごと汚染土の見ゆ
(本宮市)廣川秋男 (6/22 馬場あき子選)
原発に真に壊されたはなに山河か町か田畑か家か
(いわき市)馬目弘平 (6/22 佐佐木幸綱選)
沖縄・原発・改憲・拉致・票の格差我等愚鈍で狡猾で
(いわき市)馬目弘平 (6/29 佐佐木幸綱選)
国境まで風車群を眺めつつ行くオーストリアは原発持たぬ国
(常滑市)井上哲子 (7/6 馬場あき子、高野公彦選)
福島のしだいに遠くなりゆくか多摩ナンバーを愛車につける
(国立市)半杭螢子 (7/6 佐佐木幸綱選)
息潜めアクセルを踏む汚染域夥しきはフレコンバッグ
(いわき市)田上将夫 (7/12 佐佐木幸綱選)
五年目へ原子炉建屋に人寄れず高額ロボット溝に動けず
(鹿嶋市)栗崎耕三 (7/12 高野公彦選)
ふる里は遠きにありて思えとや原発避難民十万余
(山梨県)遠藤民子 (7/12 馬場あき子選)
甑(こしき)島に群れて咲きたるカノコユリ川内原発に物申すごと
(福岡市)松本千恵乃 (7/20 高野公彦選)
フクシマとヒロシマナガサキオキナワと日本国中カタカナとなる
(さいたま市)田中ひさし (7/20 馬場あき子選)
広島忌その二日後も爆撃す
(福山市)高橋波瑠美 (7/12 長谷川櫂選)
合歓の花被曝無住の村はずれ
(奈良県三宅町)土屋休丘 (7/12 金子兜太選)