かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(47)――朝日歌壇・俳壇から(2017年10月22日~11月27日)

2017年11月27日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

原子の火讃へし県民の歌のあり手帳に載りて歌強いられき
         (小美玉市)津嶋修  (10/30 高野公彦選)

飯館の唯一(ゆいつ)未帰還長泥地区風の萩むら見る人無しと
         (福島市)青木崇郎  (10/30 高野公彦、馬場あき子選)

ICANは日本政府を非難せず「核廃絶のリーダーに」と乞う
         (近江八幡市)寺下吉則  (10/30 高野公彦選)

三年ぶりの家は朽ちゆくと言うフクシマのかなしみ黙過する再稼働
         (帯広市)小矢みゆき  (10/30 馬場あき子選)

銃さえも規制できずに苦しめる地上に唯一核使用国
         (水戸市)中原千絵子  (10/30 馬場あき子選)

「核の傘」の下にあっても条約に参加することICAN(わたしはできる)
         (神栖市)寺崎尚  (11/6 永田和宏選)

責任は電力会社と国と出る福島原発二〇〇〇の死者よ
         (福島市)澤正宏  (11/6 佐佐木幸綱選)

総選挙に沖縄の辺野古や福島の被災地のことは棄民のごとくに
         (東京都)松崎哲夫  (11/12 佐佐木幸綱選)

北限の石蕗(つわぶき)は忘れはしないこの地に原発禍のあったこと
         (福島市)美原凍子  (11/12 高野公彦選)

東電や国は有罪判決に償ひをする国つてだあれ
         (岐阜市)後藤進  (11/20 佐佐木幸綱、永田和宏選)

今日も又ニュースの後に線量値福島県民だれもが聞かず
         (仙台市)木村次郎  (11/27 佐佐木幸綱選)

放課後のグランド円陣サッカー部核の標的であってはならず
         (朝霞市)青垣進  (11/27 永田和宏選)

 

人類の滅びしのちも鳥渡る
         (町田市)枝沢聖文  (10/22 金子兜太選)

(こがらし)や原発灯る枕元
         (豊田市)鈴木吉保  (11/12 長谷川櫂選)

冷まじや聾者(ろうしゃ)の被爆語る手話
         (埼玉県宮代町)酒井忠正  (11/12 金子兜太選)



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