かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(21)――朝日歌壇・俳壇から(2015年3月30日~4月6日)

2015年04月07日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

「ひろしまのピカ」のとなりに「ふくしまからきた子」が並ぶ児童図書館
             (草津市)山添聖子  (3/30 高野公彦選)

この街で我ら作業員息ひそめふるさと追われた避難者と暮らす
             (いわき市)池田実  (3/30 高野公彦選)

フクシマを忘れたように笑ってる逃れられずに笑うしかない
             (福島市)伊藤緑  (3/30 佐佐木幸綱選)

蕗味噌の苦味を舌に思ひ馳す摘まるることなき福島の蕗を
             (小城市)野中暁  (4/6 永田和宏選)

原発の事故見て止める国あれば稼働続ける当時国あり
             (川崎市)小島敦  (4/6 永田和宏選)

汚染水は海へ汚染土は仮置場へ人々は棄民への流れ故郷想う
             (日野市)植松恵樹  (4/6 馬場あき子選)

浜通りは汚染土の山仮置き場・仮仮置き場にあわゆきの降る
             (下野市)若島安子  (4/6 馬場あき子、高野公彦選)

満ちて来て水面で微かに早春の雨は溶けゆく除染待つ池
             (福島市)澤正宏  (4/6 佐佐木幸綱選)

あれからの重さこれからの長さふくしまの春かすんでゆれて
             (福島市)美原凍子  (4/6 佐佐木幸綱選)

シロアリとネズミが荒すフクシマよふるさとありてふるさとなき民
             (ホームレス)坪内政夫  (4/6 高野公彦選)

原発事故「起こした」日本は続行し「知った」ドイツが廃止す原発
             (交野市)坪内政夫  (4/6 高野公彦選)