朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
原発がなければ仕事がないというそういう土地に原発はある
(観音寺市)篠原俊則 (10/27 永田和宏、高野公彦選)
毒茸のやうにによつきり高浜の原発二基は黙(もだ)深く建つ
(前橋市)荻原葉月 (10/27 馬場あき子選)
ニッポンはオール電化の国となりオイルとウランにどっぷり浸る
(東京都)野上卓 (10/27 馬場あき子選)
「想定外」あれから便利に使われて責任という背骨失せたり
(小山市)木原幸江 (10/27高野公彦選)
汚染土積む四噸(とん)トラック一〇台が颱風禍に出て路肩に避難
(福島市)澤正宏 (11/3 馬場あき子選)
貉(むじな)には何の恨みも無いけれど何か似ている関電幹部
(川崎市)小島敦 (11/3 永田和宏選)
首相よりまず被爆者と被災者の手を取るローマ教皇の手よ
(観音寺市)篠原俊則 (12/15 高野公彦、永田和宏、馬場あき子選)
きっぱりと核廃絶を求めつつハグしてキスして笑顔の教皇
(三鷹市)山縣駿介 (12/15 永田和宏選)
はろばろと被爆地に来て教皇が核は要らぬと世界に宣す
(三原市)岡田独甫 (12/15馬場あき子、佐々木幸綱選)
爆心地教皇立てて祈りけり被爆の少年立ちしこの地に
(三原市)岡田独甫 (12/15 馬場あき子選)
教皇のミサの中継見届けて繙(ひもと)く歌集『とこしへの山』
(福岡市)下村靖彦 (12/15 佐々木幸綱選)
教皇のズケットの先の闇深し原爆ドームは秋雨に洗われている
(藤沢市)松山裕 (12/15 佐々木幸綱選)
教皇の帰国を待っていた様に女川2号再稼働へと
(川崎市)小島敦 (12/22 馬場あき子、高野公彦選)
大雨のたびに建屋の水位増し汚染水タンク立錐の地に
(茂原市)植田辰年 (12/22 馬場あき子選)
フクシマを忘れないでと願うのももう忘れてと願うも本音
(福島市)稲村忠衛 (12/22 佐々木幸綱選)
汚染土を積んだトラック列をなし黙々と行く仮置場へと
(須賀川市)山本真喜子 (12/22 佐々木幸綱選)
汚染土の十万年の山眠る
(福島県伊達市)佐藤茂 (12/15 大串章選)
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