朝日新聞への投稿短歌･俳句で｢原発｣、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
あす死ぬと知りし特攻あす死ぬと知らざりし父原爆前夜
（アメリカ）大竹幾久子 （8/22 馬場あき子、高野公彦選）
「何のための犠牲か」を問ひ続けきて大石又七は遂に斃（たふ）れし
（兵庫県）札場秀彦 （8/29 馬場あき子選）
「大石又七さんはビキニ水爆実験の死の灰を浴びた第五福竜丸の船員。水爆の非を訴え続けて二〇二一年三月に死去された。」（馬場評）
もし小倉だったらあなたはいないよと母は語りき八月九日
（中津市）瀬口美子 （9/5 高野公彦選）
福島も広島、長崎、コロナ禍も五つのまるにかすみてゆけり
（豊川市）宇佐美幸枝 （9/5 高野公彦選）
八月の六日八時十五分ひとりひとりにあったその刻（とき）
（東京都）中澤隆吉 （9/5 永田和宏選）
言霊の国の総理が挨拶の言葉とばして原爆忌終ふ
（神戸市）松本淳一 （9/5 永田和宏選）
原爆忌繰れども繰れども白い本
（稲城市）日原正彦 （8/22 長谷川櫂選）
坂に生き坂に老いたり原爆忌
（小城市）福地子道 （8/29 高山れおな選）
己が死も知らぬ死者どち原爆忌
（船橋市）斉木直哉 （9/5 大串章、長谷川櫂選）
広島に雲の峰立つ平和かな
（伊丹市）宮川一樹 （9/5 大串章選）
喪服着し人等老いたり原爆忌
（長崎市）徳永桂子 （9/5 大串章選）
折り鶴は飛ばず孕まず原爆忌
（松山市）谷茂男 （9/5 高山れおな選）
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